CV:山路和弘
人物像
日本の安全保障を影から支える内閣情報官。
シンフォギア装者風鳴翼の父親にして、装者を統括する立場にある風鳴弦十郎の兄でもある。
冷徹・怜悧な性格の持ち主だが、自らの胸の内をさらけ出す事を苦手とする不器用な人物。
唯一弟のことを「弦」と愛称で呼ぶところに、ささやかな人間性が垣間見えている。
「XV」での弦十郎との会話から、他にも兄弟はいる模様。
表向きにこそ翼の父親とされているが、翼は彼女の「表向きの祖父」である風鳴訃堂が風鳴の血を跡継ぎに濃く残すことを目論み八紘の妻に産ませた子であり、実際には八紘や弦十郎の腹違いの妹にあたる。
そのような事情もあって彼は実の父である訃堂と風鳴の血族に対する嫌悪感を懐き、翼を遠ざけ彼女が家を出る直接の原因を作ってしまう。しかし、それは彼女の「歌手になる」という夢の障害足りえるであろう家の務めから遠ざける為であり、彼の不器用さと優しさの現れでもあった。
また、生まれて間もない頃の翼に憎悪にも似た複雑な感情を抱いていたが、訃堂への反逆の意も込めて彼女に古き家の習慣に囚われぬ自由を求めて欲しいと「翼」の名を与えている。
情報官として国民の生命、財産、権利を守るためには手段を選ばず、時として限りなく非合法に近い手段を講じる事もあるが、それはその状況で最善の手立てを即時遂行するが故である。
諜報員としての手腕も一流であり、独国の聖遺物研究機関アーネンエルベに対しても太いパイプを持つ。
更に高い現場保存能力を持ち、家を飛び出して散らかったままであった翼の部屋を10年もの間当時の状態に保ち続けて来た事からもその技術の程をうかがい知る事が出来る。
特異災害対策機動部二課、そしてそれを再編したタスクフォースS.O.N.G.が行動出来るのも彼による後ろ盾がある事が大きく、フロンティア事変後に国連のエージェントとして活動していたマリア・カデンツァヴナ・イヴをS.O.N.G.へ編入させ、エルフナインに政府保有の重要機密であるシンフォギアシステムに接触させる許しを出したのも彼であり、その繊細かつ剛腕な手法は静かに燃える炎とも喩えらている。
魔法少女事変が解決した後には、キャロル・マールス・ディーンハイムの日本侵攻について、欧州勢力などの後ろ盾があったのではないかと推測するなど、深い洞察力を見せている。
『AXZ』では「神出ずる門」を開かんとする、パヴァリア光明結社の動向を予見し、レイライン遮断作戦を敢行。
失敗すれば日本そのものを荒野化させかねない、危険な作戦ではあったが、その豪腕によって各都道府県の承認を獲得し、実行するまでに至った。
……のだが、この作戦の最中に、「全く必要性の感じられない、セーフティーキー同時起動」「ハイテク技術を駆使しながら、実行されたのは口頭でも事足りたような人力作戦」「そのことに全くツッコまれないどころかドヤ顔までする」という、これまでのクールなイメージが、跡形もなく吹き飛ぶような奇行を立て続けに披露。やはりこの人もシンフォギア世界のOTONAだったと、改めて認識させられることになった。
関連項目
※以下、XVのストーリーに関する重大なネタバレが含まれます。
第5期『XV』では、父親である風鳴訃堂の暗躍、ノーブルレッドとの繋がりを調査しており、証拠と国の承認を経て、弦十郎、マリア、部下達と共に風鳴邸に突入。訃堂の逮捕と、洗脳された翼の奪還の為に動く。
訃堂「この親不孝者めが!」
しかし、訃堂が用済みとし、翼を殺害するべく放った銃弾を己の身を盾に受け、致命傷を負ってしまう。涙を流す翼に彼がかけた言葉は……
「私以外の男に…お前の父親面など、させたくなくてな……」
「翼……人は弱いから守るのではない。守るべき価値があるからだ……」
「……それを……忘れるな……」
──今さらに、『らしく』あれないのは分かっている。
なれど自分からは逃げられず、故に誰かに騙らせぬ。
どこにいても一緒だと──
不器用にただ、絆を思う。
……公式サイトの次回予告に記されていた以上の文章。
共に公開された画像から、同話で再登場した立花洸を指したものと思われていたが、同時に八紘のことも現していたのだろう…。