曖昧さ回避
- 戦姫絶唱シンフォギアXVに登場する組織。
- ワイルドアームズシリーズに登場する種族名。(後述の『備考』の項を参照)
- プリパラ・キラッとプリ☆チャン(筐体ゲーム)のマイキャラパーツのヘアカラーのひとつ。
本項では1.について解説する。
概要
戦姫絶唱シンフォギアXVから登場した、3人組の女性。
組織が崩壊したパヴァリア光明結社の残党で、3人共がそれぞれの成り行きで人体改造を受けた身である。
グループの名前は、後述の事情から自ら名乗ったものであり、結社内の正式なチームだったわけではない。
改造人間は「完全なる命」を至上とする錬金術的思想に合わないという理由により、彼女らは結社の中でも「卑しき錆色」と蔑まれており、凄惨な人体実験にさらされ続けていた。
そんな中で3人は知り合い、同じ立場であるお互いの存在を支えとして生き延びてきた。
血中にあり、拒絶反応を抑えつつ、ヒトとヒト以外の部分を繋ぐ効果がある「パナケイア流体」を力の源としているが、時と共にこれが淀み、体を蝕むという大きな弱点がある。力を使えばその分だけ淀む速度も速くなる。
その為、生きる為には定期的な人工透析が必要不可欠であり、更にその血も140万人にひとりの稀血「Rhソイル式(Rh xxoyle_formula)」である必要がある。
3人の協働技「ダイダロスエンド」を持つが、これも調子が悪い時には使えない欠点がある。
普通の人間よりは間違いなく強いのだが、結社で受けてきた扱いや単純な装者との戦力差もあって自らを「弱く不完全」と位置付けており、一般人を巻き込む市街地を戦場に選ぶ等、汚い作戦や搦手を躊躇なく使用するという特徴があり、結果作中において誰にとっても取り返しのつかない大惨事を引き起こした。
逆に言えばそれ程までに人間に戻る事を望んでいると言えるが、その願望は理不尽な迫害や孤独からの解放を目指しているところを根底としており、それはシェム・ハによって完全な怪物にされ――つまり人間に戻る望みを断たれ――てからも変わらなかった。
この良く言えば素朴で儚い夢のため足掻き続ける健気な姿、悪く言えばちっぽけな目的のため卑劣な手段へ走る醜い様子がファンの好き嫌いが大きく分かれる要因になっており、訃堂共々、最終章の敵役としては「力不足」だったと言われる事もしばしば。
否定側の意見として「怪物から人間に戻る事を望んでいながら、怪物である事に居直っているかのような行動をとっている」というものがあるが、飽くまで彼女等が重視していたのは身体であり、寧ろノーブルレッドを怪物に改造し虐げてきた者達もまた人間である(ノーブルレッドがかつて被害を受けていた相手に近付いてしまっているとも言える)。
関連人物
ノーブルレッド
ヴァネッサ(CV:M・A・O) |
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ノーブルレッドを束ねるリーダー。全身がファウストローブのプロトタイプで構成された錬金サイボーグで、身体の各部に武装が仕込まれている。訃堂の裏切り後はシェム・ハの眷属へと転生するが、最終的に改心、シンフォギア装者たちを地球に送り届け、消滅する。 |
ミラアルク(CV:愛美) |
ノーブルレッドの一員。結社内では実験体扱いをされていた。飛行能力と膂力が武器。最後はシェム・ハの呪縛から解放されたヴァネッサたちと共に、シンフォギア装者を助ける形で消滅する。 |
エルザ(CV:市ノ瀬加那) |
ノーブルレッドの一員。ヴァネッサたちと同様、結社内では実験体扱いだった。尾てい骨のジャックに挿入して用いる様々なテール・アタッチメントが武器。最終決戦では他者に利用され続けるヴァネッサに心を痛め、最後は仲間たちと共にシンフォギア装者を助けながら消滅する。 |
ノーブルレッドの協力者
風鳴訃堂(CV:麦人) |
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風鳴機関を運営する日本のフィクサーで、ノーブルレッドの支援者にして実質的な指導者。特異災害対策機動部二課の初代司令官で風鳴翼の祖父(実際は父)でもある。「XV」の第8話以降、要済みとなったノーブルレッドを見限る。 |
シェム・ハ(CV:日高のり子) |
アヌンナキの一柱で、風鳴訃堂に代わるノーブルレッドの新たな指導者。アヌンナキ内では地球改造を担当する改造執刀医だったが、地球を独断で私物化していた為、同胞のエンキによって長らく封印されていた。小日向未来を依り代とする。 |
本編での動向
風鳴訃堂との、同盟関係(第1話~第8話)
パヴァリア光明結社の崩壊後、神の力を手に入れる事を望む風鳴訃堂が、自らの野望のために密かに彼女達と接触したのを機に、3人で共に「神の力を得て、元の人間の体に戻る」ことを目標として立ち上がる。
しかし、稀血の提供などをしつつ、水面下で協働しているものの、訃堂の外道ぶりからしてその関係は決して芳しいとは言えず、面従腹背と言っても良い。
お互いを「家族」と呼ぶほどに結びつきは強く、3人の間の助け合いは篤く、利用されているとはいえ、訃堂の失敗した部下を粛清する際「許せとは言わないぜ」と述べている事から、仲間意識が強く、目的のためなら手段を選ばないが、その大半が命令や情報隠蔽の為であり、私的な目的での虐殺行為は行なっていない。
話が進むにつれ、訃堂との溝はさらに顕在化していくことになる。
訃堂の指示により、小日向未来及びエルフナインを拉致した後、エルフナインを守ろうと復活を果たしたオートスコアラーのファラ、レイア、ミカ、ガリィとの交戦や、キャロル・マールス・ディーンハイムの参戦により、ヴァネッサ達の状況は更に悪化する。
そして、小日向未来を拉致して神の力の器とした後、訃堂に稀血を細工される形で見限られ、風鳴機関との同盟関係は完全に破綻する。
シェム・ハの眷属へと転身(第9話~第12話)
第9話で、風鳴宗家に乗り込んでシェム・ハの主導権を握ろうとするも、ダイレクトフィードバックシステムが停止したタイミングでシェム・ハが覚醒。返り討ちにされる形で全滅した後にシェム・ハの力によって「完全なる生命」を得て蘇る。
しかしそれは「元の人間に戻る」という本来の願いとは程遠い結果で、もはや永遠に人間に戻れない「完全なる怪物」の身体に造り変えられてしまった事に他ならなかった。しかしこれまで犯してきた罪がある以上引き返す事も出来ず、リーダーのヴァネッサの意向で、シェム・ハを「神」と崇める奴隷として尚も孤独からの解放を目指す事なった。
その後は、完全なる怪物として装者達と激闘を繰り広げるという、例年通りの悪役要員の立ち位置となる。
月遺跡調査用のロケットが置かれた種子島を強襲しロケットを破壊した後、シェム・ハにより強化されたテレポートジェムで月に向かおうとするが、強引に身を捻じ込んできた翼を始め装者全員を連れて月へ転送される。この無理が影響し帰りのジェムは破損してしまう。
遺跡の主導権を奪い合い戦闘を続けるが、最終的にアマルガムの特性を活かした装者のカウンターを受け敗北。遺跡の外へ投げ出されそうになり観念するもクリスに救出される。
クリスに「帰る場所」の大切さを諭され、ヴァネッサは家族を顧みる。体はおろか目指す未来をも変わり果ててまで進めないミラアルクとエルザの説得を受け漸く彼女は踏みとどまった。
だがこれによりシェム・ハは訃堂と同様、ノーブルレッドを用済みとして切り捨てる。ヴァネッサは体の自由をシェム・ハに奪われ、マルドゥーク遺跡とシェム・ハの接触に利用されてしまう。またも尊厳を蹂躙される3人の頼みを受けた響は、神殺しの拳でヴァネッサをシェム・ハの操作から解放する。
制御を失って爆発を始めるマルドゥーク遺跡から脱出を試みる装者達を護るべく、ダイダロスの迷宮を発動。全長38万キロメートルを超す哲学の迷宮は最速で、最短で、まっすぐに、一直線に装者を地球へ届ける道となった。
だが壮絶な連戦の影響で魔力は限界を超えており、怪物としてではなく、人間として装者に看取られながら消えていくのだった。
戦姫絶唱シンフォギアXDでは
最初に、原作設定の3人が登場して原作通りの末路を迎える。以降、メモリアイベントや一部戦闘パターン変更は配布されていった。
死者が平行世界の同一人物として再登場するパターンはゲームではもうおなじみだったため、どのような出方をするのか注目されていたが、2021年イベントクエスト「メックヴァヌラスVSノーブルレッド」で並行世界のノーブルレッドとして、本イベントの主役を務める。
本世界では、人間に戻る方法を求め風鳴訃堂を追う中、成り行きで竜姫達と対峙し、後に一時共闘する。
稀血の入手方法や風鳴訃堂との因縁については現在詳細不明である。
怪物にされ理性を無くした犠牲者達が、彼らの大切な人を手に掛けない内に介錯する事で、『人としての尊厳』を守ろうとする。『正義の味方』ゆえに竜姫達が手を出せなかった、今回の事件の黒幕に『悪』として制裁を与える。最終的に竜姫達に見逃されるなど、ダークヒーローとしての活躍を見せている。
3人全員に「ハイ・モンスター」というアプリ限定の形態が与えられており、ヴァネッサは足にキャタピラがついた二足歩行重戦車。ミラアルクは露出度が増え、より吸血鬼に近い外観となり、血の槍を使う。エルザは巨大な狼型サブユニットを従えるなど、メカ要素がさらに上がっている。
備考
各キャラの元ネタは、藤子不二雄の漫画『怪物くん』の主人公に仕えている従者3人組。
さらに、このノーブルレッドという名前自体は、本作の原案者である金子がかつて手掛けた、『ワイルドアームズ』シリーズに出てきた種族の名称から来ていると思われる。
また、この3人の台詞や演出は往年の名作アニメや漫画を意識したものが非常に多い。
ヴァネッサ:スパロボ系
ミラアルク:プロレスやバトルヒロインものなど、格闘シーンが多い作品
エルザ:一度だけ銀牙のパロディが出た