やわらかく黄色みがかった銀色のアルカリ金属。カリウムやナトリウムなどといった他のアルカリ金属と同様に水と激しく反応するが、爆発的な激しい反応をし、氷とは-116[℃]でも反応する。また、酸素に触れると金色を帯びてくる。
そのため、保管は水分を含まない状態の鉱物油などの炭化水素を満たした容器を使用し、取り扱いはアルゴンや窒素など不活性ガス下で行わなければならない。また、消防法では危険物(第3類)に指定されている。
物性
融点 | 28.4[℃] |
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沸点 | 671[℃] |
比重 | 1.93[g/㎤] |
セシウムとカリウムとナトリウムからなる合金には、すべての合金の中で最低の融点である−78[℃]のものがある。
用途
- 真空管のゲッター(酸素を吸着して真空管の劣化を遅くする)、陰極のコーティング
- 光電管や光電子倍増管、撮像管などの光電機器
- シンチレーション検出器(放射線計測器の一種)のシンチレーター(放射線を受けて蛍光を発させるもの)
- 金属蒸気レーザー
- 蛍光灯のグローランプのガス
- 原子時計(初期のもので140万年に1秒、改良されたものでは3000万年に1秒のずれしか生じない)
- 掘穿用の泥水(ギ酸セシウム水溶液を使う。刃先の潤滑・冷却と採掘坑の崩落防止)
放射性同位体
- 産業用γ線源(セシウム137。長期間使えるが、水溶性なので食品や医療品の殺菌には不向き)
- 特定の種類の癌治療(セシウム137と塩素の化合物。現在は使われていない)