「詳しい説明は、うん、ゆっくり聞くよ。
ただ一つ約束する。君らにはもう、二度と危険ってやつは訪れない。
これからは、この俺が戦うからだ」
CV:中村悠一
概要
石化前の世界で「霊長類最強の高校生」と呼ばれていた男。ライオンに襲われそうになった石神千空と大木大樹によって復活させられ、その期待通りにライオンの群れを素手で撃退した。
しかし過去の忌まわしい記憶から、「大人達の支配する旧文明社会の価値観」を憎悪しており、自分が忌み嫌う文明を復活させようとする千空と対立。彼を殺害した上で、独善的な「純粋な若者だけが自然と生きる楽園」を創造しようと目論む。
千空を亡き者にした後、石化復活液で若者だけを甦らせて「司帝国」を建立する。一方の千空も計略を用いて生き延びており、やがて石神村の人々と出会って「科学王国」を作り上げた。そして2つの国はお互いの存亡を賭けた戦いへと突入してゆく。
その千空を手にかけた時は「3700年前に出会えていたら友達になれていたのに」と心底悲しんでいたり、コハクが「復活者の子孫(=『現代人』ではない)」事を看破すると「いつでも殺せる、いつでも統べられる」との認識のもとに倒木の下敷きにして足止めするに止めるなど、情けと理性を持つ一方、大人の石像は無条件で破壊して回り、意に沿わぬ者は躊躇なく殺すという二面性を持つ。千空曰く「善い奴で人殺し」。
能力など
根が生真面目であるためか、大樹などの天然キャラへの対応が苦手。
本作における「武力」チート。本作の全戦闘要員の中で最強といっていい実力を誇り、武器がない状態ですら十分すぎるほどの戦闘能力を持つ。
一応武器を装備した状態では氷月と互角とされているが、睡眠中ですら本人が迎撃を恐れて攻撃できなかったので実際は最強の戦闘員だと思われる。
武力だけの横暴な人物ではなく、そのカリスマ性もずば抜けて高い。
敵には容赦がない一方、味方には寛大であり、有能な人材の引き抜きに余念がないなど、人心を掴む術を天然で獲得している。
千空同様に強靭な精神力を宿しており、あらゆる困難を自らの手でねじ伏せてきた自信と、理想を実現させるために必要な忍耐力の両方をバランスよく持ち合わせており、この歳で既に状況を大観し指針を決められる器の大きさが備わっている。
名は体を表す、まさに「百獣の王」のような人物。
ただ上井陽のような問題人物の起用や、部下の密かな面従腹背を敢えて見過ごすなど、ときにその強さが過信となって隙を生むことがある。
そして根が善良で優しいため、冷酷には振る舞えても内心で心を痛めており、最後に非常に徹しきれない甘さも抱えている。
過去と結末 ※ネタバレ注意
司には溺愛する妹・獅子王未来がおり、石化前の世界で妹は6歳で臨床脳死状態となってしまう。
その生命維持装置のための費用を稼ぐべく司は格闘家となり、彼は最強の高校生となった。
しかし装置による延命にも限界は見え始める。
そこで「せめて美しく死なせてやりたい」という兄心から砂浜で貝殻を集めようとしたところ、砂浜の持ち主から漁業権を盾に泥棒と決めつけられ、さらに弁明の機会もないまま権利者によって一方的に苛烈な折檻を加えられたことで、「大人の汚さ」という社会の闇を見てしまう。
これが司が大人を忌み嫌い、石化前の世界を忌避する原因である。
司にはもう一つ隠れた目的がある。
それは「石化による治癒効果(ドクター・ストーン)」による妹の復活である。
千空の科学王国との戦いの中、千空の生存とその絡繰、石化解除での有効戦力の蒐集の中を経て、石化治癒の効能を知った司は、脳死状態の妹でも健全な体で蘇ることが出来る可能性を見出す。
千空との決戦では、自身の過去を見抜いた千空が交渉に入り、それに絆されそうになった所で彼を裏切った氷月の奇襲で致命傷を負う。それでもその身体を圧して千空と共に氷月を打倒し、妹の蘇生成功を見届けると、以後は千空の計らいで今後の治療を見越したコールドスリープ状態に置かれることになった。