「詳しい説明は、うん、ゆっくり聞くよ。
ただ一つ約束する。君らにはもう、二度と危険ってやつは訪れない。
これからは、この俺が戦うからだ」
CV:中村悠一
概要
石化前の世界で「霊長類最強の高校生」と呼ばれていた男。身長195cm 体重99kg。
ライオンに襲われそうになった石神千空と大木大樹によって復活させられ、その期待通りにライオンの群れを素手で撃退(成獣の雄ライオンを左ストレート一発で沈める)。尚アニメ版では霊長類最強超絶マッスルのマウンテンゴリラ様も倒したことがあるらしく、それを聞いた千空は「もはや猛獣ハンターじゃねえか」とツッコミを入れた。他にも岩を素手で粉砕したり、3mはありそうな丸太も片手でぶん投げたりしている。更にはクロスボウの矢を見切り素手で掴む動体視力、木々の生い茂る森を裸足で駆け、先を走っている猪の群れにに追いつき抜き去るほどの走力も持ち合わせている。際に度々「うん」と言う癖がある。
しかし過去の忌まわしい記憶から、「大人達の支配する旧文明社会の価値観」を憎悪しており、自分が忌み嫌う文明を復活させようとする千空と対立。彼を殺害した上で、独善的な「純粋な若者だけが自然と生きる楽園」を創造しようと目論む。
対立した千空を亡き者にし、石化復活液で自ら選んだ若者だけを甦らせて「司帝国」を建立する。一方の千空は計略を用いて生き延びており、やがて石神村の人々と出会って「科学王国」を作り上げた。そして2つの国はお互いの存亡を賭けた戦いへと突入してゆく。
その千空を手にかけた時は「3700年前に出会えていたら友達になれていたのに」と心底悲しんでいたり、コハクが「復活者の子孫(=『旧現代人』ではない)」事を看破すると「いつでも殺せる、いつでも統べられる」との認識のもとに倒木の下敷きにして足止めするに止めるなど、情けと理性を持つ一方、大人の石像は無条件で破壊して回り、意に沿わぬ者は躊躇なく殺すなど、独善的である。一方で、自分が破壊した石像のことを全て忘れずに記憶しているなど、二面性を持つ。また、ファンブックによると大阪府出身とのこと。しかし関西弁は使わない。
千空曰く「善い奴で人殺し」。
能力など
根が生真面目であるためか、大樹などの天然キャラへの対応が苦手。ちょっとやそっとでは全く動じないが、千空の突拍子もないと思えるプランには思わず動揺していた。
本作における「武力」チート。本作の全戦闘要員の中で最強といっていい実力を誇り、武器がない状態ですら十分すぎるほどの戦闘能力を持つ。一応武器を装備した状態では氷月と互角とされているが、睡眠中ですら暗殺が敵わなかったのを見ると最強の戦闘員だと思われる。
実際、作中で、行く先々で人を復活させる中で悪人が暴れて秩序が乱れることを不安がる声が上がると、「大丈夫」(×2)と言うだけで詳しいことは言わずとも謎の圧と説得力でその場全員を納得させた。
武力だけの横暴な人物ではなく、そのカリスマ性もずば抜けて高い。
敵には容赦がない一方、味方には寛大であり、有能な人材の引き抜きに余念がないなど、人心を掴む術を天然で獲得している。
また対等の条件下(もし3人とも学校に通っていた場合)においては、あの千空やクロムに匹敵するほどの知力さえ有している。
千空同様に強靭な精神力を宿しており、あらゆる困難を自らの手でねじ伏せてきた自信と、理想を実現させるために必要な忍耐力の両方をバランスよく持ち合わせており、この歳で既に状況を大観し指針を決められる器の大きさが備わっている。
名は体を表す、まさに「百獣の王」のような人物。
しかし部下の密かな面従腹背を敢えて見過ごす、仲間になった人間を信用し過ぎるなど、時にその強さが過信となって隙を生むことがある。
ただ劇中で生きた人間を殺したのは実は千空の一回だけで、その一回ですらギリギリまで説得を続けやむを得ず殺しており、また上記のように破壊した石像を全て記憶しているなど、人殺しは罪であり本当は人殺しなんてしたくないような節が見え隠れしている。
実際科学王国との戦闘でも躊躇の無い氷月と違い、ダメージを与え戦闘不能にはしているが「殺すのは惜しい」「利用価値がある」など理由を付けて一切殺してはいない。
彼にとって石像破壊などの殺人はあくまで理想の為の手段であり、理想の為なら自身の手が汚れることも厭わない覚悟の表れなのだ。これについてはアニメ版で言及されている。
理想に燃える最強の男の素顔は、ただの優しいお兄ちゃんなのかもしれない。
過去と結末 ※ネタバレ注意
司には溺愛する妹・獅子王未来がおり、石化前の世界で妹は6歳で臨床脳死状態となってしまう。
その生命維持装置のための費用を稼ぐべく司は格闘家となり、彼は最強の高校生となった。
まだ司が幼い頃、「せめて美しく死なせてやりたい」という兄心から人魚姫が好きだった妹のために貝殻の首飾りを作ろうと、砂浜で貝殻を集めようとしたところ、砂浜の持ち主だと名乗る男から漁業権を盾に泥棒と決めつけられ、さらに弁明の機会もないまま権利者によって一方的に苛烈な折檻を加えられたことで、「大人の汚さ」という社会の闇を見てしまう。
これが司が大人を忌み嫌い、石化前の世界を忌避する原因である。
千空との決戦では、自身の過去を見抜いた千空が交渉に入って「未来の復活」と「停戦」とを取引する。「科学に嘘はつかねえ」という千空の言葉を信じた結果、石化が解除される際の修復能力によって、未来は脳死状態からも見事復活。兄妹は6年と数千年ぶりの再会を果たす…………が、彼を裏切った氷月の奇襲で致命傷を負ってしまう。それでもその身体を圧して千空と共闘し、氷月を打倒する。以後は千空の計らいで今後の治療を見越したコールドスリープ状態に置かれる(厳密には『敗血症による肉体のダメージが少ないうちに敢えて凍死させる事で鮮度を保ち、石化からの解除による再生を期する』と言う人体冷凍保存に近い状態)に置かれることに。
「宝島」での戦いで見事勝利を収めた千空達は、持ち帰った石化装置を使っての司の蘇生を試みる。ほとんど賭けのようなものだったが、無事蘇生は成功。司は完全に復活を果たし、以降は千空達の心強い味方となる。