プロフィール
概要
切れ長の釣り目で一見冷たい印象を受ける風貌の青年。着物のような袖の広いダボついた上着に冬以外は裸足。髪のほぼ半分は白髪もしくは銀髪。
左頬に大きな石化解除に伴う「大きな口を開けて笑みを浮かべる人の横顔」に見えるヒビ痕がある。このヒビ痕はゲンの表情によってころころ変化し、この作品に於ける「千空ヘアー」「陽の眼帯替わりの石片」のように科学では説明できないものである。
司が生き返らせた旧現代人。
観衆の心理を突いたり超能力を使ったように見せるというような心理マジックを得意とするマジシャン。所謂メンタリスト。
石化前は芸能人で「マジック心理学」の本を出しており、千空とは面識が無かったものの千空に顔を知られていた。
業界用語の一種の倒語を多用し、基本誰に対しても「ちゃん」付けで呼ぶ。
当初、言動に軽薄さを感じ取ったコハクからは信用できない胡散臭い男と思われており、自分でも「自分は自分の利益になる方に付く」と明言した。
千空の生存を疑った司の要請で、村に潜入し千空の生存を確認するも、実は復活当初に千空が残していたメッセージを読んで出会う前からその才覚に強く感銘を受けており、その千空が既に製鉄まで進めていたこと、村で自身が殺されかけたのを救われたこと、そして自分の好物であるコーラを再現してみせるとの約束から千空に協力することを決意、二重スパイ活動を経たのち千空の片腕として尽くし続けた。
人物
用心深くマメな性格で、頭の回転もかなり速い頭脳派。
コハクと千空からは「軽薄男」「ペラペラ男」と称されても気にも留めないどころか、コウモリ男を自称し「自分の利益になる方に付く」と公言してはばからない、口から先に生まれてきたような男。
しかし、仲間として接していくうちに「軽薄男」らしからぬ義理堅く情熱的な面も次第に見せるようになっていく。
依然として日和見主義者を自称し、(格好付けで)そういったポーズをとるものの、見込んだ相手には命を懸けてでも力を尽くす筋の通った人物で、その本質は千空と同様で偽悪的な言動に走りがちなだけであり、非情にはなり切れない善人である。
何かを企んでいるような笑みを浮かべる事が多いが、相手を抱き込んだりハッタリをかましたりと、その時々で表情を効果的に変える為、色んな表情を見る事が出来る。
千空の奇天烈な発想等に驚いたり泣き叫んだりすることも多く、実は素で表情豊かな百面相で、特にゲス顔は枚挙に遑がない程豊富。
特技と能力
特技はマジックや声帯模写などマジシャンらしいものを披露しており多芸、作中ではどちらも重要な場面で活躍を見せている。
声帯模写に関しては無理をすれば女性の声も可能で、実際に旧世界での歌姫であったリリアン・ワインバーグの声も模写しており、それを聞いた千空も相当似てると言う程。
等々派手に魅せる裏で、地味に時間を作ってのタネ仕込みも欠かさない。特に花言葉が「嘘つき」の「犬鬼灯」はお気に入りで、常に何処かに仕込んでいる。
また、メンタリストとしても一流。人間の心理について熟知しており、ハッタリや誘導術を駆使して行動を読み、操る能力に長けている。マジシャンとしての器用さや仕込み能力の高さも相乗効果となり、交渉などの対人情報戦、つまるところ腹芸においては右に出る者はいない。
作中ではこうした得意の口八丁で、仲間のメンタルケアから人心掌握で一致団結を促す事まで、幅広い活躍を魅せる。
とりわけ科学王国の人物は千空を含めてほとんど嘘を付けないタイプなので、彼らの誠意やメリットに食いつかない敵に対し、意図をくみ取りつつ巧みな話術で交渉し丸め込むのがゲンの重要な役割となっている。
大きな集団になっていった千空の科学王国を纏め上げることができたのも、ゲンの存在が非常に大きい。その人間の心理を熟知した人心掌握や人力獲得の能力の高さから羽京は「司や氷月じゃなくて千空についてくれて本当に良かった」と言わしめる程。
旧時代の時点で自らの才能を自覚し名声を作っていた事から、やろうと思えばインチキ霊能者や新興宗教の教祖として荒稼ぎする事も可能だっただろう。にもかかわらずただの芸能人として活躍していた点でも、根本的な性根の良さが窺える。
身体能力もそれなりに高く、目くらましの一瞬の隙に氷月を飛び越えて千空達のもとへ合流するなど身の軽さを見せたこともある。
ただしあくまで「旧世界人にしては高い」というレベルでしかなく、ストーンワールドの住人達や司帝国の戦闘要員に比べれば明らかに見劣りしており、不意打ちを仕掛けられた時や長距離移動中といった場面では、マジックによる時間稼ぎなどで補いきれずに、相手に振り回されることも。
科学に関しては旧世界での人並み程度の知識しか持ってないので、千空が科学によって作ろうとする物に驚きやリアクションを見せることもしばしば。
その他に初期科学王国陣営に貴重な現代人組の成人男性であるため運転免許も持っていた。
余談
単行本27巻では、ゲンが先天性内臓逆位で成人を迎えているという裏設定が判明した。そのため、それを知らない相手には左胸を突かれても生存できるという、密かな強みがある。(手製の嘘発見器を繋いだゼノは気づいた)