概要
1682年-1722年。
『大航海時代』最後にして最大の海賊とされ3年の間に400隻を超える船を捕獲した。
異名の『ブラック・バード』とは、バーソロミューが浅黒い肌だったことと、紳士的な高貴な雰囲気を醸し出す性格だったことを『準男爵』とかけたもの。
略歴
美形の海賊であり、元は奴隷船に二等航海士として乗り込んでいたが、ハウエル・デイヴィスという海賊に襲われ、ロバーツは捕えられてしまう。
しかし、生活やらに嫌気が差していたロバーツはハウエルに海賊になることを志願し了承される。ハウエルが襲撃予定の街からの反撃で戦死、カリスマ性が半端なかった自身が船長に昇格し、ハウエルの仇討ちという名目の単なる逆恨みで町を陥落させる。
その後約400隻の船舶を攻撃し、5千万ポンドもの物資を略奪、最も成功した海賊の一人となった。
旗艦『ロイヤル・フォーチュン号』を筆頭に、大小合わせて20隻もの海賊艦隊を率いていたという説もある。
そんなロバーツだったが1722年、イギリスの軍艦スワローの大砲から放たれた葡萄弾(乗員を殺傷するための散弾)が喉を貫通して戦死。囚われた仲間のうち白人はほとんどが死刑または強制労働の刑(環境を考えると半ば死刑のようなもの)に処され、黒人は奴隷として売り飛ばされた。
身代金を支払えた者、海賊経験が極浅い者など、極わずかな乗組員が無罪放免されている。
掟
海賊=無法者というイメージが定着しているが、実際の海賊は当人たちなりに厳しい掟を設けており、特にロバーツ海賊団の掟は厳格だった。
- 乗組員全てに平等な投票権・投票発起権を与えること。
- 仲間内で金品を窃盗したり横領した者は孤島置き去りの刑。
- カード、サイコロを使った賭博は禁止。
- 午後8時消灯にし、以降の飲酒は甲板にて月明かりのもとでのみ許可する。
- ピストルやカットラスの整備の徹底。
- 女性や子どもの捕虜を乱暴目的で船に連れ込んだら死刑。
- 戦いの中で船を見捨て降伏した者は、死刑もしくは孤島置き去り。
- 船上での口論禁止。岸に着いた際に剣またはピストルでの決闘により決着をつけること。
- 収益は役割別に平等に配分。戦闘において負傷した者には手当てを別に支給する。
- 安息日には音楽隊による賛美歌を奨励。
と、こんな感じである。
当時は多くの国で奴隷制度が合法で、白人でも庶民の基本的人権など考慮されないことが多かった。
そんな中で『平等な権利』に加えて戦傷手当まで支給される海賊団は、虐げられてきた者たちからすれば(仕事が犯罪であることを除けば)ホワイト企業のようにさえ見えたことだろう。
事実、奴隷だった黒人が脱走して海賊になるケースは多かった。
備考
- 元は海賊ではないのである意味、被害者と言える。
- 善玉海賊ではない為、悪事は散々やったが婦女子には僅かだが優しく、仲間思いだった。
- お洒落好きな伊達男系イケメンであり、近代の海賊イメージである黒の海賊帽子にオーバーコート、戦利品の大振りなアクセサリーで飾り立てた元ともされている。