概要
銀河共和国の元老院議員(惑星ナブー代表)を務める男性。『エピソードⅠ』の終盤で元老院最高議長に就任する。
作中での動向
前半生(誕生〜元老院議員就任)
パドメ・アミダラと同じ惑星ナブーのEderlathh Pallopidesという地方出身の人間であるが、家族や先祖、更には幼少時代に関する詳しい記録は一切残っておらず、「ナブー出身のシーヴ・パルパティーン」という経歴や名前についても謎が多い。苦労の末に政治家への道に進んだものの、その道程は余り順風満帆ではなかったようである。特に若い頃は失態に次ぐ失態続きで、とても元老院議員になれる人物とは思われていなかった。
元老院議員時代
「官僚の横槍です。共和国の真の支配者。賄賂で通商連合に買われた犬でもあります。ヴァローラム最高議長の権威もこれで形無しです」
しかし、壮年期(『エピソードⅠ』の時点で50歳という設定がある)に入るとナブーの国政で急速に頭角を現し始め、君主であるヴェルーナ王をも凌ぐ程の実力者にまで昇りつめた。後にヴェルーナ王が失政により退位を余儀なくされた時には、既に銀河共和国元老院の有力議員ともなっており、もはや彼が実質的なナブーの支配者であることは最早間違い無かった。
やがて共和国内部の政治腐敗が進み、元老院においても日常的に賄賂が横行するようになる。最高議長のフィニーズ・ヴァローラムは既に実質的な政治権力を失っており、共和国が次第に分裂し弱体化しつつある中、シスの暗黒卿や通商連合のヌート・ガンレイ総督を始めとする分離主義者の勢力が台頭してくる。
そして、通商連合は元老院が外縁領域の航路に対して行った課税への抗議という名目で、惑星ナブーを封鎖する事態に発展する(ナブーの戦い)。元老院がこの問題に対処できなかったため、ヴァローラムは密かに2名のジェダイ・ナイト(クワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービ)をナブーに派遣し、通商連合を率いるニモーディアンたちとの交渉に当たらせた。
ナブーのパドメ・アミダラ女王はパルパティーンに特使との交渉が始まらないことに対する懸念を示すと、パルパティーンは通商連合による細工があるに違いないと答えた。その中、通商連合による妨害でナブーとの通信が途絶する。
その後、ジェダイと共にナブーを脱出し、惑星コルサントに到着したアミダラをパルパティーンはヴァローラムと共に出迎えた。元老院での報告を控えたアミダラに対し、パルパティーンは官僚主義がはびこる共和国政府の現状を説明して聞かせる。「今の元老院では公共の利益よりも議員達の私利私欲が優先されており、最高議長の権威は既に失われている」、「ナブーを危機から救うにはヴァローラム議長を解任に追い込むか裁判で争うかの二択しかない」と。裁判には長い時間がかかるため、アミダラは最高議長に対する不信任案の動議を決意した。
直後に開かれた会議で、通商連合の代表者であるロット・ドッド議員は、パルパティーンやアミダラの報告を熱烈に批判した。ドッドがナブーの代表者の報告は根拠のない嘘だと主張し、事実を調査するための委員会を立ち上げるよう要求すると、ヴァローラムはマス・アミダ副議長の助言に従い、通商連合側の主張を認めた。アミダラが問題解決を先延ばしにようとするヴァローラムに業を煮やし、不信任案の動議に踏み切ると、数百の元老院議員が不信任案に賛同し可決された。
後任の議長選出選挙で、パルパティーンはオルデラン代表のベイル・アンティリーズ、マラステア代表のエインリー・ティームーと共に候補に挙げられ、最終的にナブーへの同情票を集める形で最高議長に就任する。
その他
パルパティーンとしての名前はシリーズ第1作となるエピソード4小説版のプロローグで最初に語られたが、映画・小説ともに本編には登場せず公開順としてはエピソード5で初登場となる。
旧三部作では一貫して「皇帝」(原語版ではダース・ベイダーの「マスター」とも)としか呼ばれておらず、パルパティーン及びダース・シディアスとしての名前が映画で最初に言及されるのはエピソード1となる。また、フルネームは正史(カノン)でのみ明かされている。
新三部作ではまだ人間の姿をしており、彼が惑星ナブー代表の元老院議員から、共和国最高議長を経て銀河帝国皇帝となる過程や異形の外見に変貌する出来事が描かれている。
詳細はシスの暗黒卿としての名であるダース・シディアスを参照。
その前半生には謎が多いが、遅くとも10代には修行を積まされることの多いシスの暗黒卿としては、弟子入りの時点で既に成人しており、かなり遅咲きの人物だったとされる。
ジェダイの暗黒面に魅入られる前は、惑星ナブーのうだつの上がらない政治家でしか無かったが、如何なる苦境にあっても決して折れることのない異常な権力欲を持ち、それを根源とする忍耐力・精神力は最早修行を積んだベテランのジェダイと比べても遜色のないものであった。
この一面を当時シスの暗黒卿を務めていたダース・プレイガスに見出されて弟子入りし、修行の中で今まで隠されていたシスとしての才能を急速に開花させていったという。
しかし、上記の経歴も確かな裏打ちがあるものではなく、やはり謎に包まれている。
レジェンズ(非正史)では小説「ダース・プレイガス」において若い頃の彼がプレイガスに弟子入りするまで及びプレイガスの弟子として訓練を受けていた頃について描かれている。前述した通り非正史での彼はパルパティーンという姓のみを名乗りファーストネームを明かしていなかったが、これは自分のファーストネームを名付けた実父コシンガ・パルパティーンとの幼少期からの確執によるものである事がこの小説で語られている。
若い頃の彼はプレイガスの弟子となる以前からスピーダーの暴走運転で通行人を死亡させても父親の権力で揉み消して平然とスピーダーを乗り回し続ける等の問題行動を起こしており、そんな彼自身の態度を差し引いても虐待と言えるほどの抑圧的な態度を見せる父コシンガとの衝突がエスカレートした結果、シスとしての訓練を受けていない未熟な状態にありながら、フォースの才能を開花させ、フォースの力のみを頼りにして父親のみならず家族全員と護衛官を皆殺しにしている。
また、レジェンズにおけるエンドアの戦い後を描いた作品ではトライクロップスという息子が存在していた事が判明している(母親は不明)。彼は父親とは正反対に善良な性格であったがそれ故にパルパティーン皇帝と帝国上層部から存在を危険視され、密かにケッセルのスパイス鉱山に送られて奴隷として酷使されていたのである。そしてそこで彼はケンダリーナという女性のジェダイとの間にケンという息子(パルパティーン皇帝から見れば孫)を設けている。
他にもレジェンズのスピンオフ作品では「パルパティーンの息子」を名乗る人物が何人か現れているが、トライクロップス以外の人物はいずれも虚偽であったことが判明している。
一方、正史の作品では家族描写など全くなく、天涯孤独なキャラと思われていたが…→リンク先ネタバレ注意