ここでは『ドラえもん』の時空間について解説する。一般的な時空間については時空間を参照。
概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具「タイムマシン」で移動する空間。
主にドラえもんやのび太達がタイムマシンに乗り込んだ際、この空間を移動している。また、彼ら以外にもセワシやドラミ、未来デパートの配達員、恐竜ハンター等の時間犯罪者、タイムパトロール等も、タイムマシン利用時はこの空間を移動している。
基本的に、この空間は一本道として描かれているが、実は支流も存在している。『創世日記』に登場する昆虫人・ビタノは支流の存在を知っており、タイムパトロールから追跡されていた際は支流へ逃げ込んでいる。しかし、タイムパトロールは支流の存在を知らなかった為、ビタノを追跡することが出来なかった。
また、この空間には度々「時空乱流」が発生しており、『日本誕生』ではドラえもん達が巻き込まれそうになっている。それだけでなく、原始人・ククルは時空乱流に吸い込まれてしまい、偶然にも現代(20世紀~21世紀)に放り出されてしまっている。
派生作品
原作版では、この空間に発生する異常は時空乱流のみだったが、『ロボット王国』ではドラえもん達が「タイムラビリンス」(時空間の迷路)に迷い込んでいる。大長編版ではその後、特に目立った危険はなかったのだが、映画版では「タイムボール」(時空間に発生する小型台風のようなもの)も存在しており、ドラえもん達はこのボールに衝突したせいでタイムマシンごと吹き飛ばされてしまっている。
それだけでなく『ワンニャン時空伝』では「ねじれゾーン」も発生している。作中では、時空間が乱れている影響でドラえもん以外の搭乗者の年齢が変わってしまっている(大長編版ではジャイアンとスネ夫のみ影響を受けているが、映画版では彼らに加えてのび太としずかも影響を受けている)。
映画版では、ドラえもんがタイムマシンに搭載された「制御ボタン」を押すことで、のび太達4人に襲い掛かるねじれゾーンの影響を最小限に抑えている(大長編版ではそのような描写はない)。
名称について
大長編版『日本誕生』にて「時空間」という名称が設定されたが、それ以外の作品ではこの空間の名称が呼ばれることは基本的にない。
TC22巻収録「タイムマシンがなくなった!!」、『恐竜』、『創世日記』では「超空間」とも呼ばれているが、『銀河超特急』では「どこでもドア」内部及び「四次元ポケット」の中に広がる四次元空間についても「超空間」と呼ばれている為、タイムマシンで移動する空間のみを示す名称ではない。
上記の通り、原作版ではタイムマシンに乗り込んで移動する際の空間は「時空間」と呼ばれているが、『新・日本誕生』等では「タイムトンネル」と呼ばれている。
演出
上記の通り、タイムマシン及びそれに準ずるひみつ道具(「タイムベルト」等)で時を超える際は時空間を移動するのだが、作品によって演出が異なっている。
前期は暗い空間となっており、搭乗シーンは使い回されることもあった。中期は若干色が明るくなり、時計の模様も描かれている。後期は更に明るくなり、時計の模様に色が付くようになった。また、時空間を移動する際の効果音は26年間同じものが使用されている。
大山版後期に近い描写だが、波立ったようなエフェクトが掛けられている。2021年3月までは、搭乗する際の効果音は時計の針を模した効果音が使用されていたが、2021年4月からは効果音が変更されている。
上記のアニメ版とは異なる演出になっている。タイムマシンを起動する前は真っ白な空間が広がっており、所々に時計が浮かんでいるだけなのだが、マシンを起動すると、先程までまばらに浮かんでいた時計とカラフルな壁がチューブ状に並び、マシンが通る道が出来上がる。