概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初登場エピソードはTC17巻収録「大むかし漂流記」。
ベルト型の「タイムマシン」であり、過去や未来へ自由に行くことが出来る。ベルトのバックル部分に時間移動を行う為の小型装置が取り付けられており、その部分のスイッチを押すだけで、使用者は望みの時間へ移動することが出来る。
ただしドラえもんやのび太達が普段乗っているタイムマシンとは違い、タイムベルトは空間移動機能を持たないという欠点を抱えている。
つまりタイムベルトで時間移動した場合、タイムスリップ後の場所を指定することが出来ず、使用者はその場から一切動かないまま時を超えることになる(ただし地球は自転・公転しており、銀河も常時位置を変えているにもかかわらず、使用者が時間移動後に宇宙空間へ放り出されてしまったことはないため、地球という座標には固定されている様子)。
万が一、時間を移動した先が地面の無い空中だった場合、時間移動が完了した途端に落下してしまう。他にも海面が高い場所だったらいきなり海の中に放り込まれ、岩石等が集まる場所だった場合は生き埋めになってしまう。
登場回数こそ少ないものの、どこかの時代へ行方不明になったタイムマシンを探す為にこの道具で時空間に転移したり(TC22巻収録「タイムマシンがなくなった!!」)、立っている地点の過去や未来へ向かう際にこの道具を使用して瞬時に時間を超えたり(上記の「大むかし漂流記」、TC44巻収録「恐竜の足あと発見」)と、様々なエピソードで活躍している。
派生作品
2013年版「タイムマシンがなくなった!!」、水田わさび版アニメオリジナルエピソード「謎のピラミッド!?エジプト大冒険」等では、ベルト使用者に他者がしがみ付いていた場合、その者も使用者と共に時間移動することが出来る様子が描かれている(原作版ではタイムベルト1個で時間移動することが出来る人数は1人であり、上記の「大むかし漂流記」、「タイムマシンがなくなった!!」、「恐竜の足あと発見」では、ドラえもんが人数分のタイムベルトを用意している)。
『南極カチコチ大冒険』における設定では、タイムベルトは電池で動くとされており、上記のように1つのタイムベルトで大人数が時間移動すると電池が切れて使用不能になってしまっていた。ただし、それ以外の作品(原作版・アニメ版)ではこのような設定は一切存在しない(原作版・大山のぶ代版アニメにおいてタイムベルトが電池式と明言されたことは1度も無い。水田版についても、上記の「謎のピラミッド!?エジプト大冒険」は『南極カチコチ大冒険』より後に放送されており、作中でドラえもん達が1つのタイムベルトを使用して時間移動を何度か行ったのだが、やはり電池が切れる描写は一切無かった。それだけではなく、水田版アニメオリジナルエピソード「ドラえもんの長い一日」の作中において、故障していたタイムベルトをドラえもんが修理するのだが、やはりタイムベルトの内部に電池は存在していない)。
余談
時間だけを移動し、場所そのものは動かないという設定は、H・G・ウェルズが考案した本来のタイムマシンに近い性能であり、タイムベルトはむしろ一般的にイメージされるタイムマシンの性能をそのまま再現したひみつ道具と言える。