概要
CV:井口裕香(2期アニメ版)
正確な名前は『イエイヌ(雑種)』。
シベリアンハスキーの色違いになっており、紺基調のハスキーに対して灰色基調になっており、瞳がオッドアイとなっているのが特徴。
初出
あ、はい! 遊ぶの大好きです!
ボール追っかけたり、ジャンプしてえんばん捕まえたり、ひとりでぐるぐる回ったり。『お手!』も得意ですよ。
めいれいしてもらってそれがうまくできると、気持ちいいんです。ほめてもらえるから……。
パークのみなさんはよく遊んでくれるし、優しくて大好きです!
初登場はプロジェクトの軌跡ガイドブックで、ダーツハイブコラボグッズの紹介としてイラストが掲載された。
アニメ放映後に公開された上記プロフィールでは、礼儀正しくも活発な性格となっている。そしてやはりワンコ属性持ち。
2期アニメ版
飼い犬としての性質が強く表れており、ヒトへの依存性が強く見られるなどフレンズとしてはある意味異質とも言える性格の持ち主。
探偵コンビダブルスフィアの片割れであるセンちゃん曰く、「怒らせると怖い」との事で、劇中でもキュルルとカラカルの口論に巻き込まれたダブルスフィアがちょくちょく口出しをした際に「ちょっと黙って」の一言で黙らせている。
ヒトがパークにいた頃から(恐らくはフレンズ化する前から)ヒトと共に暮らしており、突然ヒトがパークから姿を消した後もドーム型の家(小説版では宿泊棟と表記)が建ち並ぶ居住区と思しき場所で一人ヒトの再来を信じて待ち続けていた。
キュルルにフリスビーの投げ方を伝授したり、紅茶の淹れ方を理解しているなど、ヒトの文化にもそこそこ順応している模様。
また、アニメ放映終了後にリリースされたキャラクターソングアルバム「フレンズビート!」にソロ曲が収録されている。
本編での活躍
3話終盤でシルエットとして登場しており、アルマーとセンちゃんの二人組「ダブルスフィア」にヒトの捜索を依頼していた。
本格的に姿を見せたのは8話終盤及び9話。
ダブルスフィアの二人がサーバルとカラカルの了承もなくキュルルを無断で引き離したあげく、牢屋付きのリヤカーに入れ込んで連行するという強引な方法で運ぶも、途中で何があったのかリヤカーが破損してしまい(小説版にてリヤカーのタイヤが外れて壊れてしまった事が判明)、その場から動かないキュルルを見かねた二人が直接イエイヌを呼び出す。
イエイヌが来るまでの間、キュルルは依頼主が会いたがっている理由を尋ねるが、ダブルスフィアも理由は知らず「ヒトが珍しいから」「パークには君しかヒトがいない」と憶測で返答。
それに対してキュルルが「かばんさんってヒトもいたよ」と問い詰めると「あの子とは違うんだってさ」とイエイヌから聞いたかのように返答していたが、何が違うのかまでは答えなかった。
イエイヌがキュルルと出会った時は「懐かしいなぁこの匂い」「この日をどれだけ待っていたことか」と喜びの意を露わにするも、キュルルは目覚めた時にはパーク内の廃墟にいたので彼女が待ち望んだヒトではない事を伝える。
しかし、今の彼女にとっては「ヒトに会えた事」そのものが嬉しくて仕方ないので些細な問題でしかなく、キュルルもそんな彼女に困惑しながらも仲良くなっていく。
そこに心配して駆けつけたカラカルが「楽しそうにイエイヌと遊ぶキュルル」を見て憤慨してしまい、話が拗れに拗れてキュルルとカラカルは仲違いして、キュルルはイエイヌのおうちに駆け込んでしまう。
キュルルの強引な拉致方法に関しては、実行犯であるダブルスフィア曰く「仕事」だったらしいが、イエイヌの指示があったか不明確であるためダブルスフィアの独断とも受け取れるが真相は不明。
イエイヌはダブルスフィアの責任を取る形で頭を下げ、同時にキュルルの「おうちに帰る」という目標が達成されたこと、サーバルとカラカルから「キュルルを守る」という役目を受け継ぐことを宣言した。
イエイヌの住処に残る形となったキュルルを励ますため、イエイヌは紅茶をキュルルに振舞うが、キュルルは「ありがとう、大丈夫」と言いながらも力なく紅茶を手で押し退けた。
元気のないキュルルに対して、イエイヌは静かに語りだす。
「わたしは何となくわかりますよ、あの子の気持ち。わたしほどうまくはないですが、あの子もまた、ヒトと心を通わせることのできる動物なのでしょう」
それを聞いて何とも言えない表情でうなずくキュルル。
その時、どこからともなくアムールトラのビーストの雄たけびが響き渡る。
イエイヌはキュルルを守り抜くことを宣言するが、キュルルはサーバルとカラカルにビーストの接近を知らせるべく、イエイヌの制止を振り切って住処を飛び出した。
イエイヌは先回りしてキュルルの前に現れ「あの二人のことは忘れてください!ここから先はわたしが守りますから!」とまで言い放つが、その場でアムールトラと遭遇。
「逃げよう」と提案するキュルルに対して「ヒトを守るのが私の使命」と答えて果敢にも立ち向かうが力の差は歴然であり、イエイヌはあっという間に返り討ちにあいズタボロにやられてしまう。
キュルルは「もういいよ!」と声をかけるが、イエイヌは「ヒトのために」戦うのをやめようとしない。
しかし、間一髪の所でサーバル達が駆け付けた事でビーストも撤退し、難を逃れた。
その後、イエイヌは仲間を失う辛さを知っていながらキュルルをカラカル達から引き離したことを謝り、キュルルは自分の本当の家を見つけるために旅を続けるべきだという事、そしてあの家で元の住人達が帰ってくるまで「お留守番」を続ける事が自身の使命である事を語る。
最後に「おうちにおかえり」という言葉をキュルルの口から言うように促し、その言葉をしっかりと耳にすると、目に涙を浮かべながらも笑って自分の帰るべき家へと戻っていった。
10話では、その後のイエイヌの姿が僅かながら描かれた。
すっかり日も暮れた後、薄暗い部屋に一人佇んで窓の外を見ながら「行ってしまったんですね…」と呟くイエイヌ。
ゆっくり横を向いたイエイヌは玄関のドアを見つめた後、どこかに歩み寄っていき「ガチャ」と何かが開け放たれる音が響いた。
そして最終話の終盤、開け放たれた金庫から取り出した手紙や絵を眺めるイエイヌの姿が映し出される。
その中でふと見つけた一枚の絵を見て「素敵な絵……」と呟くシーンでアニメのラストは締めくくられる。
なお、この絵の切り目をよく見ると、キュルルのスケッチブックの破り取られた一ページと切り目が一致する事が分かる。
9話放送後の視聴者の反応
イエイヌを献身的なキャラクターとして描いておきながら作中ではほとんど報われる描写がなく、アムールトラとの闘いでは全身に爪跡が残り、泥まみれになって転げまわるなどシリーズ全体から見ても特に痛々しいダメージ表現が描かれたことが物議を醸している。
そんなイエイヌに対するキュルルの対応もどこか不適切で、アムールトラの撤退後は傷だらけのイエイヌを気にもかけずにサーバルと談笑に花を咲かせ、何の迷いもなく笑顔で帰宅命令を下してイエイヌを見送ることすらせず、カラカル相手にスケッチブックの紛失を発端とした口論を始めている。
上記の反動からか「イエイヌちゃんを救い隊」という二次創作タグがファンの間で広まりつつある。
ただし……
痛々しい描写に関しては劇中ではアムールトラがイエイヌに襲いかかろうとするシーンさえあるものの、直接攻撃している場面は映されておらず、イエイヌの全身もよく見ると傷跡のような線らしきものこそ見えるものの、肌が露出している箇所に明確な傷や出血描写などは見られない。
また、後に発売された小説版けものフレンズ2ではアニメ本編で省かれていた両者の対決シーンに補足が加えられており、先に攻撃を仕掛けたのはイエイヌで、アムールトラはそれを跳ね返したのみで執拗に痛めつけた訳ではない事が判明する。
これらの内容を抜いてもイエイヌが痛ましい様になった事実は変わらないが、見方によっては(間接的ではあるものの)イエイヌが戦いを挑んだことでこのような惨状を招いたとも捉えられる。
また、イエイヌは「ヒトに仕える」ことに執着している側面もあり、キュルルの心情をあまり配慮しなかったり、キュルルの拉致騒動に対しては見方によっては狡猾とも受け取れる立ち回りでカラカルとの仲を一時的に悪化させている。
アムールトラと対峙した時点では「キュルルを連れて逃げる」という選択肢もあったのに「ヒト」であるはずのキュルルの提案や警告すら無視して、無謀な戦いを自ら挑んでいる。
それらを過ちと認めてイエイヌは別れを切り出し、キュルルも別れの際に複雑な表情を浮かべていた。
この一連の流れに対し、「傷の手当くらいしてあげるのが「ヒト」として最低限の慈悲」「ケガをしている相手を認識していながら気に掛ける様子もなく合流した仲間と談笑し、守られたことに対して礼を言うこともなく手当をする素振りすらなく帰した」という意見もあるが、それらは結果的にイエイヌに促された行動に従ってのものでもあり、上記のキュルルの声を無視してまで無謀な戦いを挑んだという点なども踏まえてイエイヌ側にも落ち度がない訳ではないので、本騒動は非常にデリケートな問題とも言える。
ブシモアプリ版
2期アニメ9話が放映された2019年3月から観察可能になった。
常に誰かに遊んでほしがっており、遊び相手になってくれるフレンズを探している。
何かを投げ飛ばされた物を追いかけてキャッチする遊びがお気に入りの様子。
珍しい行動は「追いかけたくなっちゃう」。「ヘリコプターのおもちゃ」で披露する。
突然飛び上がったヘリコプターのおもちゃを楽しそうに追いかけ回す。
余談
2期アニメ版でイエイヌが住んでいるドーム状の家だが
- エンゼルフォレスト那須白河
- 阿蘇ファームランド
- 南紀白浜とれとれヴィレッジ
上記の実在する場所のいずれかがモデルと思われる。
検索をかけたり実際に行ってみると分かるが、いずれもドーム型の宿泊施設が存在し、一部内装もアニメで描かれたものと酷似している。