概要
現存する狼人間/人狼の中で最も残酷とされる男で、死喰い人の一員として名を連ねている。しかしこれは正式なものではなく、闇の陣営側の人狼たちのリーダー的存在であるがゆえの名誉的な地位であることが仄めかされている。他の死喰い人と違って、闇の印が刻まれていない。(つまり、ヴォルデモート卿への連絡手段を渡されていない)
「狼人間は人の血を流す権利がある」という考えを持ち、「魔法使いの子供を噛んで狼人間、そして死喰い人にすること」を使命とする。
歯は尖り、爪は長く黄色く、髪や髭は灰色で縺れている。身体は大きく、血と泥と汗が混じったような悪臭が漂っている。この外見となった一因として、グレイバックが通常の人狼と異なり、変身していない状態でも人を噛むという性向がある。また、満月の夜には確実に捕食できるように獲物の近くで身を隠し自らの変身を待つ。
数多の人を襲い、特に子供を好んで噛むことから、その名はヴォルデモートによって対抗勢力への脅しに利用されている。
かつて幼少のリーマス・ルーピンを噛み、狼人間へと変えた張本人でもある。
終盤では人間状態でビル・ウィーズリーに顔に噛みついており、彼は人狼にこそならなかったものの(グレイバックが変身状態ではなかったため)、マダム・ポンフリーの癒術をもってしても深い傷跡が残った。人狼の噛み付きというのはセクタムセンプラと同様に習いを帯びた傷なのである。
5歳のリーマスを噛んだのはリーマスの父ライアルが失言により人狼を侮辱(「人狼は死に値すべき」と発言)したことへの復讐。
人狼は魔法界において蛇蝎の如く嫌われ差別される存在であり、1990年代になるまで狼化症状を抑える魔法薬さえ発明されていなかった。就労や結婚はもちろん、ホグワーツに通うことすらリーマス・ルーピンという幸運な特例を除いて許されたことはない。
つまりグレイバックは人狼たちの社会への憎しみを代弁する存在であった。これが人狼がほぼ例外なく闇の陣営の傘下に入っている理由である。
リーマスの父と諍いを起こした際、既に人を噛んだことで魔法省に連行されていたため、爺世代に近い年齢と推測できるが、詳細は不明。何にせよ結構高齢にも関わらず戦闘をエンジョイしている。