概要
1958年に開催された北海道博覧会の「海の会場」として建設された施設を改修して、翌1959年に「小樽市立水族館」として営業をはじめた。しかし、運営母体だった小樽市が地元産業の衰退で財政がひっ迫したため、1974年より第三セクター方式で運営されている。
園内は水族館「本館」・遊園地「小樽祝津マリンランド」・イルカショーが楽しめる「イルカスタジアム」・鰭脚類やペンギンショーが観覧できる「海獣公園」の4エリアで構成されている。
施設北側から海水や海風が入り込む立地にあり、事実上の通年営業が解禁される2011年まで時化が激しい冬場は閉鎖されていた。
鰭脚類(ひれあしるい)・ペンギンの展示繁殖
鰭脚類ほ乳類の飼育繁殖には定評があり、特にアザラシの飼育数は約50頭で日本一多いといわれている。そのため他の水族館からの要望で転出した個体が複数いる。
展示環境面でもゴマフアザラシとゼニガタアザラシの2種については年齢や性別ごとに分けられ(「成獣オス」・「成獣メス」・「子どもとその親」・「高齢個体」に区別)飼育されており、別にトドの専用プールも設置されている。
上記3種については、敷地内の売店で販売されているバケツ入り小魚を与えることが認められている。
これらのプールにいるアザラシたちは、いつからか前ヒレで腹や水面に叩いて、餌をねだるアピールをするようになった。(本来は威嚇の動作らしい)
また、指示を聞かないペンギンの自由奔放さをそのまま活かしたショーも名物だと銘打っており、テレビなどで紹介されたこともある。
余談
館内に掲示してあるユーモラスタッチの動物イラストは所属獣医師の角川雅俊の手によるもので、水族館のオフィシャルブックにも彼が手がけた絵や写真が多く使われている。
定置網に引っかかった子どものネズミイルカを引き取り、高齢で衰弱死するまで飼育してネズミイルカの世界最長飼育記録を保持している。
また魚類展示では過去に、北海道で唯一ジンベエザメの飼育・展示を行ったことがある。
海獣公園は自然の入り江を利用して造られているため、近くの岩場は野生のアザラシやトドの休憩場になっている。なのでまれに勝手に敷地内のプールが入ってきてそのまま飼育されている例もあった。かつて外からやって来て飼育されていた雄のトド「ソユン」(アイヌ語で「外」という意味の名前)は同園で6頭の子供をもうけたのち、現在は中国の西霞口動物園に譲渡されている。さらに海に(敷地外に)向けて「トド新メンバー募集」なる看板を立てていたこともある。