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の編集履歴2020/03/22 00:17:42 版
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概要

中国神話に登場する存在で、時代や地域によって位置づけが異なり、多くの伝承で一本足に関わるものであるといわれている。

神としての夔

古くはの時代に信仰されていた一本足の龍神で、「夔龍」とも呼ばれた。

とともに夔凰鏡と呼ばれる銅鏡に刻まれ、殷では凰は降雨の神であったことから、同様に降雨を司る神格であるとされる。

なお一本足なのは、天から地へ落ちる一筋のの化身であるからだといわれる。

伝承の中の夔

古代中国の地理書である『山海経』では、第十四「大荒東経」に東海にある流波山の頂上に棲む動物とされている。

その姿は一本足の角が無い蒼い色をしたで、「夔牛」とも呼ばれる。

水に出入りすると風雨を呼び、日月のように光り、声は雷のようである。

黄帝はその皮で作った太鼓を持っており、雷獣の骨で叩くと五百里先まで音が鳴り響いたといわれる。

『黄帝内伝』によるとその太鼓は蚩尤との戦いの際に用いられ、暴れる蚩尤の足止めをしたといわれるが、『広成子伝』によるとそれをしたのは同音異語の「軌牛」であるとされる。

『説文解字』では「のようで角がある」、『白沢図』では「のようで一本足である」と描写される。

妖怪の夔

『国語』によると夔とは越人が「山繰」と呼んでいるもので、の身体を持つ人語を解する一本足の人面獣であるとされる。

史記』「孔子世家」や『抱朴子』「登渉篇」では、木石の怪である魍魎のことであるとされる。

人物の夔

『書経』「舜典」によると、舜帝に仕えた音楽を司る人物であるとされる。

『韓非子』「外儲説左下」では、孔子が夔は一本足か問われたときに、「性格が悪かったが誰にも害されなかったのは正直であったからで、この一つで足りるからの一足である。」「音楽の才のみが突出していたので、堯帝が一で足りると言ったからだ。」と答えたとされる。

日本における夔

山梨県笛吹市にある山梨岡神社に祀られる、雷除け・魔除けの一本足の神像で、10年に一回(現在は7年)4月4日に開帳される。

初出は江戸時代の甲府藩主の家臣・荻生徂徠が記した『峡中紀行』であるとされ、山梨岡神社に訪れた徂徠が伝来していた木像を見て中国の古文書にある「キ神」であるとしたのが起源であるとされる。

元々、山梨県には雷雨をもたらす山の神や、一本足の道祖神の信仰があったことから受け入れる素地があったようである。

江戸時代末期には社会不安からキ神を描いた厄除けの神札がブームとなり、大量に流通したという記録がある。

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