本記事はネタバレを含みます。
概要
『ひぐらしのなく頃に解』の登場人物である羽入の正体とされている人物。
作中においては羽入と同一の姿で描写されている。
ひぐらしのなく頃に絆の言祝し編では、本名がハィ=リューン・イェアソムール・ジェダとされている。
パラレルワールドから次元の壁を越えて世界を流浪する民『リューンの民』という異世界人の一人。
「リューンの民」はこの世界の人間とは違い、肉体や精神の構造が単純化(退行)していくことで老化する。つまり、人間でいえば若返ることで老化する。
この次元とは異なる次元にあった「リューンの民」の故郷は崩壊しかけており、高い技術力を持っていたリューンの民はなんとか次元の壁を越える技術を開発することに成功し、辛うじて崩壊した故郷から脱出する。
しかし、次元の壁を越える際に肉体と精神を別々に転送する必要があったため、予想より早く進んだ故郷の崩壊によって肉体の転送が間に合わず、肉体を失い精神生命体となってしまう者が続出。
生命の危機に瀕しながらも、漸く地球のあるこの次元へと辿り着き、地球に移住することを決定する。
リューンの民は高い闘争心を持つ種族であったが自分たちが招かれざる客であることは弁えており、当初は精神体となった者は人間の赤子に憑依して同化、リューンの民の魂から引き継いだ高い能力を活かして人間社会に貢献するという比較的穏健な形で「移住」が行われていた。
しかし、疫病流行などによる人間の出生率低下といった問題を前に、次第に移住をめぐってリューン族内で意見が対立。
精神体となり未だに肉体を持てない者達は、元から住んでいた地球上の生物を支配し、”侵略”を主張。
肉体を保持した者達は、元から住んでいた地球上の生物も尊重し、”共生”を主張。
結論が決まらない中、精神体となった者達が掟を破って既に人格形成の済んだ成人に憑依し、元々の人格とリューンの民の人格の衝突によって精神が崩壊し凶暴化するという事件が多発するようになる。
肉体を保持した者達は、彼らの暴走を止めるべく、同族の討伐に踏み切り、鬼と人間の入り乱れた凄惨な戦いを始めてしまう。
こうして肉体を保持した者達は、人間に憑依し暴走した者を「混血(グリフィス)」(後の雛見沢症候群)と呼び、肉体を保持できた自分たちを「純血(ピュトス)」と呼び、区別していった。
「純血」であったジェダは混血討伐に参加した。
そしてあるとき、彼女が戦いの疲れを癒すために立ち寄った滝で沐浴をしている最中、偶然通りかかった村人にその姿を見られてしまう。
後に、夫となる古手陸との出会いだった。(過去に鬼ヶ淵村で「混血」を討伐した際に救った赤子が、陸であり、正確には再会なのだが最初はお互いに初対面だと思っていた。)
彼女は裸体を見られた羞恥心より、角の生えた鬼としての自分を見られたという不安の方が優っていた。彼女がいかに鬼が恐ろしい者かを説くも、無駄足に終わってしまう。
羽入という名は、出会った際に本名は呼びにくいということで陸が名づけたもの、ひょんなことから古手家に居候することになった羽入は、陸と暮らすうちに彼に惹かれ結婚。
娘の桜花を儲け、幸せな家庭を築き暮らしていたが、ある事件により陸は死亡、羽入も普通の人間には知覚できない状態になってしまう。
成長した娘の桜花だけは唯一羽入を知覚することができたため、羽入は桜花に自分が母親である事は伏せ、友人として影から見守っていた。
ところがある時、村に蔓延した疫病を治すために桜花が羽入に疫病の薬を作ってもらったことで、薬を戦の道具として使おうとした領主や疫病の薬による金儲けを目当てとした村人の一部が暴走し、桜花は酷い拷問を受ける。
それを見た羽入は激怒し、我を忘れ、次々と村人を殺していくも、鬼である羽入を止められるのは鬼の血を引く自分だけと考えた桜花に止められて、自我を取り戻す。
そして羽入は惨劇の原因と罪を、暴走した村人や領主ではなく自分という「鬼」に背負わせるよう桜花に伝え、母である自分を討たせた。(彼女の左角にある傷はこの時付いたもの。)
『言祝し編』の物語は、古手神社に安置されている古文書の一つを読み解いたものであり、本当に羽入の正体がそのような人物なのか、そもそも物語の内容が真実なのか自体明言はされていないが、
原作でも羽入本人からそのような事実をほのめかす言動や祭囃し編終盤で桜花と思われる人物の声が登場するなど、信憑性はかなり高いものと思われる。
当該作品言祝し編のストーリーは原作にて明かされた設定を元に、オリジナルシナリオを担当しているシナリオライターが考案したもの。