「…たとえ何者になろうと……君の剣道を大切にしていればそれでいいです…」
プロフィール
概要
“東の海”の外れに位置する、和風の文化が色濃い村落「シモツキ村」で暮らす男性。剣術道場「一心道場」の師範で、麦わらの一味の剣士ロロノア・ゾロの師匠でもある。
かつてはゾロと年端の近い一人娘・くいながいたが、10年程前に自宅の階段での転落事故により他界しており、彼女の愛刀であった和道一文字を娘の好敵手であったゾロに譲った。
現在も変わらず村の道場で門下生たちに剣を教えており、海賊として億超えの賞金首となったゾロの活躍にも喜んでいるようで、くいなの墓前に彼の記事が載せられた新聞をお供えしたりしている。一方で、ゾロに影響された少年の弟子たちが彼の“三刀流”の真似ばかりしていることには頭を悩ませている様子。
人物
常に温和な笑顔を絶やさない優しげな風貌をしており、丸眼鏡と後ろ結びにした総髪が特徴の壮年男性。登場初期は尖った顎だったが、作画の変化からか次第に丸顔になっている。元々は黒髪だったが現在では髪が白髪交じりとなり、目尻や額、ほうれい線のシワが目立つようになった。
一人称は「私」、落ち着きのある丁寧口調を用いる。
外見に違わず性格も非常に穏やかであり、ゾロをはじめ弟子たちには剣の心得を丁寧に説いている。剣士としての実力は不明瞭だが、「触れるもの皆傷つけるような剣は私は最強の剣などとは思わない」という台詞が示す通り、“剣”やそれを扱う“剣士”というものの在り方について深い考えを持っている。ゾロが亡き娘のために「天国に名が届くほど有名な大剣豪になる」という夢にも理解を示し、彼がそのために海賊として悪名を上げることにも彼が望んだ道として決して非難しない。
一方で、女性が剣士になることについては厳しい考えを持っていたフシがあり、くいなが生まれた際には「この子には道場を継がせるつもりだったが、女の子ではねぇ…」と些か残念そうに言葉を漏らす場面もあった。成長したくいなは道場でも大人相手にも負け知らずな身につけるまでに至るが、それでもコウシロウからは「女性が剣豪になることは難しい」という言葉を向けられていたらしく、剣豪を夢見ていた彼女の心を傷つけてしまっていた。
その他
アニメ版
TVアニメ版ではゾロの過去のエピソードが一部補完されており、それに準じてコウシロウの出番も大幅に追加された。ゾロは当時、各地で道場破りをして廻っていたらしく、コウシロウも一心道場を訪ねてくるまで全く面識がなかった様子を見せている。
くいなの死後、乱心しつつあったゾロと二人きりで対話し、ゾロと戦っていた頃の娘のことを話し、女流剣士として大きく成長しつつあった娘に期待していたことを吐露した。
また、劇場版第5作目『呪われた聖剣』では、ゾロと同門(=コウシロウの弟子)のサガというキャラクターが登場している。
革命軍との繋がり?
ルフィやエース、サボの過去の回想シーンにおいて、革命軍の船がシモツキ村らしき土地の船着き場に停泊している描写があり、少年時代のくいなやゾロと思しきシルエットも登場している。組織のリーダーである“革命家”ドラゴンの口から「食料を分けてもらった」という台詞があり、シモツキ村、もしくはコウシロウと革命軍に何かしらの接点を匂わせる描写があるが、今の所その詳細は不明。…単にお人好しなだけなのかもしれないが。
声優について
コウシロウの声を演じた故・石塚運昇氏は、後に海軍大将“黄猿”や世界政府全軍総帥コングなども演じていた。
関連項目
※以下、ネタバレ注意
ワノ国編にて登場した刀工・天狗山飛徹によると、生前のくいなの愛刀である和道一文字は同国の刀工“霜月コウ三郎”なる人物が打った刀であることが判明した。「霜月(シモツキ)」という村と同じ読みの姓や、コウシロウとよく似た「コウ三郎(コウザブロウ)」という名など、彼と非常に近しい関係性を感じさせ、ファンの間で様々な推測が展開された。
そして、コミックス96巻のSBSにおいて読者からコウ三郎とシモツキ村の関係について尋ねられた作者は「コウ三郎が55年前にワノ国を違法出国し東の海に辿り着き、山賊騒動の中で知り合った女性と恋に落ち、シモツキ村を築いて暮らした」「コウシロウはコウ三郎の息子」という事実を明かした。