概要
カタリナ・クラエスの前世であった女子高校生(通称・野猿)の世界で発売されている乙女ゲーム『FORTUNE・LOVER』シリーズにゲーム主人公の攻略対象の1人として登場する男性キャラクター。
若くしてソルシエ王国の宰相を務めるダン・アスカルト伯爵(声:矢野正明)の息子。アスカルト伯爵家の長男で、ソフィア・アスカルトの兄に当たる。父の立場もあって王族の人間とも親交があり、第三王子のジオルド・第四王子のアランとは友人同士である。カタリナをはじめとする他の主要登場人物より1歳年上で、カタリナが魔法学園に入学した当時は生徒会の副会長を務め、生徒会長のシリウス・ディークを支えている。
プロフィール
(※)『TVアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」プレリュードブック』の記述より(16歳時点)。
人物像
容姿
黒髪と黒い瞳を持ち、人形のような整った容姿の美少年。コミカライズ版やアニメ版では、父のダンに似た容姿として描かれている。
性格
母のラディア(声:沙倉のり子)に似て真面目な性格。口数が少ない鉄面皮の持ち主だが、美形の両親から受け継いだ“魔性の魅力”を持ち、そのオーラで性別を問わず相手を魅了する。しかし、その老若男女を誑かす色気が災いして、幼少期から変質者による被害が絶えなかったという。なお、無口であまり表情が変わらないのは、自分の意志で表情筋が動かせないためである。朝に弱く、あまり寝起きが良くない性質だという。
妹のソフィアをとても大切に思っているが、その妹は幼少期からその外見から世間に奇異の目で見られ、謂れのない中傷を受けて疎まれており、ニコル自身も「あんな妹さんをお持ちでお気の毒」「お可哀相」「ご不幸」などというこれまた謂れのない憐れみや同情の言葉を掛けられて育った。本人は「優しい両親と可愛らしい妹を持って、自分は幸せ者だ」と感じているのだが、そのことを口にしても「本当はつらいのに我慢して偉い」などと勝手に決めつけられてしまい、悔しさや苛立ちを感じていた。やがて、受け入れてもらえない自分の本心を口にするのも疲れ果て、周囲から理解されなくても仕方ないという、いわば諦めの境地に達していた。
『FORTUNE・LOVER』における人物像
『Ⅰ』の攻略対象として登場。基本的な設定は本編と変わらない。ただし、野猿は彼のルートはプレイしていないため、本編との間でカタリナ関連を除きどのような差異が生じているのかは、他のメンバーに比べると不明な点が多い。
なお、野猿自身は死亡前に親友の佐々木敦子からルートの概略を聞かされており、その時はネタバレに激怒してしまったが、カタリナに生まれ変わってからはその知識が役に立ったため、敦子に心から感謝することになる。
敦子によると、彼のルートを攻略するにはライバルキャラクターとして登場するソフィアが鍵になっているという。
続編の『Ⅱ 〜魔法省の恋〜』でも攻略対象として続投するが、こちらもルートの詳細は不明。
本編における人物像
ソフィアが魔法学園に入学する前(カタリナが10歳の時)に、カタリナと出会って親しくなった事で彼女と出会う。ソフィアの外見を気にせず友達になってくれたカタリナに対して深く感謝していたが、それに加えてカタリナが寡黙な彼と少しでも仲良くなろうと、前世で会った隣のおばちゃんを参考にして満面な笑顔を浮かべながら「ご両親はあんなに素敵で、妹さんはあんなに可愛くて、ニコル様は本当に幸せ者ですわね」という出だしで声を掛けた結果、前述した誰にも理解してもらえなかった思いを初めてわかってくれたと感じ、これによってそれまで胸に秘めていた悔しさも薄らいでいった。
これを機に、彼もまたカタリナの澄んだ瞳や無邪気な笑顔に惹かれていく。気付けばカタリナの虜となってしまっていて、彼女と一緒にいる時間に安らぎを覚え、彼女の話題を出す時は表情がいきいきと変化するようになった。周りからの粘ついたような視線に対して気分を悪くする彼も、カタリナから向けられる目だけは例外で、彼女の瞳に自分が映り込んだ時は幸福に感じている。
“魔性の魅力”は年々威力を増しており、普段無口でいる分、情愛の滲んだ囁きは男性陣の中でもかなりの確率で有効打を放っている。出会った当初は反応の鈍かったカタリナも思わず見惚れてしまい、思考回路をショートさせる威力に達している(カタリナは彼の瞳を見た時に一瞬記憶が飛んでいる)。
カタリナには旧知の婚約者であるジオルドがいるため、理性でカタリナへの気持ちを抑え込んでおり、いつかは諦めなければならないと思いつつも割り切れずにいる。キースが誘拐された事件で同行していたカタリナとジオルドの仲が進展すれば、自分の気持ちに区切りを付けられるかもしれないと思っていたが、感情面ではそれを拒んでいた。伯爵家の後継者となるべく、カタリナへの気持ちも整理しようとお見合いに臨んだが、彼の卒業後に生徒会入りしていた後輩から諭されて以降は中止している。アランと同様の判断から、カタリナ本人へ思いを告げるつもりは絶対に無いが、かつて永遠に諦めることができないだろうと考えたこともあるだけに未練を強く残している。成人した時には、父のダンから宰相の地位を得て略奪婚に至るまでの苦楽を共にした万年筆を譲り受けている。
ちなみに、カタリナはニコルの人柄へ触れて、前世に戻ってもう一度『FORTUNE・LOVER』で遊ぶ機会があれば一番初めに攻略してみたいと思うほどに好印象を抱いていた。
魔法学園卒業後、魔法省には社会勉強目的で仕事に参加している。近隣会合中に起きた騒動では、父ダンとともに事後処理を果たしている。
Power Guage(5段階評価)
知力 | 5 |
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体力 | 3 |
カリスマ | 5 |
魔力 | 風属性:4 |
パワー | 3 |
妹と同じく風属性の魔力を持つ。五段階評価で知力とカリスマが5と最高値で、魔力も4と高めだが、他のキャラクターの例に漏れず魔法を使用する機会はほとんどない。
余談
アニメ版で声を担当する松岡禎丞とM・A・Oはニコルの人物像について、「僕的に、客観的に見ると、もんの凄く何考えてるかわかんない人間。他の人との掛け合いでも、黙ってニコニコしてる感じが多いんですけど、ちゃんと自分なりの正義や考えがあって行動している、やっていることにちゃんと芯が見える人間」(松岡)、「心優しく妹想い。周りの環境も相まって心を閉ざし、どこか冷めているといった第一印象。カタリナさんと出会う事によって本来の魅力が見えてくる」(M・A・O)と表現している(リンク先)。