フォデス
ふぉです
概要
太古の昔にマギ・ヴァル大陸の支配を目論んだ魔王。大陸に跋扈する魔物達の頂点に立つ存在。
英雄達の活躍によって5つの聖石に封じられ、中でもフォデスの魂が封じられた聖石「ファイアーエムブレム」はグラド帝国によって管理されていた。
グラド皇帝ヴィガルドの崩御をきっかけに、皇子リオンがグラドの聖石から「魔石」を作ったことで意識が覚醒し、現世への復活を目論む。各国の聖石を破壊させるためにリオンの意識を乗っ取って己が手足とし、復活したヴィガルドらを利用して侵略戦争を引き起こさせた真の黒幕。
エイリーク編では最初からリオンの体を乗っ取り操っていた。エフラム編ではリオンの意思はまだ残っていたが最後には本性を現し、リオンが倒れたあと彼の身体を利用して復活を果たす。
しかし、エフラムとエイリークによって唯一残ったロストンの聖石に魂を封じられたことで不完全な復活となり、最終決戦の末に肉体も完全に討ち果たされることとなった。
ユニット性能
クラスは「魔王」。本作のラスボスを務める。
ステータスは歴代トップクラスであり、特にHPは通常ユニットの最大値の二倍の120を誇っている。ユニットアイコンがデカイのでマップ上での存在感は大きく、ステータス画面の高い能力値と合わせてなかなかの迫力がある。
近接攻撃の「滅びの魔拳」と魔法攻撃の「不浄の魔光」は受けてしまうと大ダメージは必至であり、加えて全員を眠らせて行動できなくする攻撃も持っているなど、何の情報もなく初見で突っ込むと返り討ちに遭いやすい強敵である。
……のだが。
実はこいつ、FE全シリーズを通じても最弱のラスボスと言っていいほどに弱い。
貧弱な防御性能
まず、こいつは他のモンスターと同じ魔物系のため、シナリオを進めるごとに自動的に入手できるSランク武器の「双聖器」は特効になる。同様の効果を持つ司祭の光魔法や竜石なども当然有効であり、大体どのユニットでもフォデスに対するダメージソースとなりうる。
それに加えて、歴代のボスが持っていた魔法無効なども一切持たず、魔法どころか全部の武器の全ての攻撃が素通し。HPを半分にするイクリプスすらも効いてしまう。
出撃メンバー全員から特効をばかすか喰らうようでは高いHPと守備も意味をなさない。
貧弱な迎撃態勢
更に1ターン目開始後のデフォルトでは射程1の滅びの魔拳を使用する状態であり、その射程範囲に入るまでは一切動こうとしない。このため、エネミーフェイズに直間両用の魔光に切り替えるまでは魔法や弓などの間接攻撃で一方的に嬲れてしまうのであり、自慢の攻撃力を活かしきれていない。上記のように汎用光魔法すら特効であるため、こちらの間接攻撃手段の豊富さと悪い意味で噛み合っている。
前述の全員催眠もまれにしか使ってこない。素早さも高くなく容易に追撃できてしまうため、普通に戦っても1ターンキルどころか、鍛えたユニットなら1コマンドキルすら可能なほど弱く、まったく歯ごたえがない。
貧弱な部下
おまけに、ターン毎に周囲に取り巻きの魔物を複数召喚するのだが、呼び出す魔物は何故か下級職であり、当然ステータスは場違いに低いため全く脅威にならない。こんなもので止められるとでも思ったのだろうか?
さすがに弱すぎだと思われたのか、海外版ではデフォルトが射程1~2の不浄の魔光使用に変更され、呼び出す魔物も上級のものになっている。が、フォデス自身は一切強化はされていないため、鍛え上げた間接攻撃職の前にはやはり……。
ラスボスとして
この他にも、主人公であるエフラムとエイリークの成長率が優秀なためまずヘタれず、全ての双聖器を自動入手できるため自軍が戦力不足になりにくく初見プレイであっても苦戦しにくい点もフォデスの残念なラスボスぶりに拍車をかけている。
過去作において同じく弱いとされるラスボスと比較してみても、ユリウスやイドゥンは彼らを安定して倒せるユニットと武器が限られており、ベルドの場合は(ベルド自身の強さはともかく)終章までの『トラキア776』自体の難易度が非常に高いのに対し『聖魔』の難易度は低めであるといった評価の数々が重なった結果、彼らを一段も二段も下回る歴代最弱ラスボスの名をほしいままにすることとなった。
この反省を受けてか、次回作の『蒼炎の軌跡』のラスボスは歴代最強と言われるまでに飛躍的に強化されている。
果たしてフォデスにはこの不名誉を挽回する機会はあるだろうか…?
ただし設定と戦闘になる状況から見た場合はこの弱さは妥当とも言える。不完全な復活の状態で、主人公たちはかつて完全な状態だった頃のフォデスを倒している双聖器を所持しているのだから。フォデスと同じく作中以前の時代で一度敗れて復活しているユリウス(ロプトウス)はナーガには全く無力とも言えるが、最終局面でもこれへの対策をする事で自分の優位性を保っていたし何十年も配下が人間の社会に入り込み利害で使い手を分断させていた