兵種:デイン国王(専用)
CV:日野聡(ヒーローズ)
概要
第13代デイン国王。本作のラスボスを務める。
本来王位から最も遠い存在であったのだが、本編から約18年前の流行病(実際は彼の謀略に寄る大量殺戮)により王族が彼以外ほぼ全員死亡したため即位する。
タニスが一般論と断って述べたところでは、「聖騎士一兵団さえ霞む」勇将であったとされる。王になる以前からそれほどの勇名を馳せる実力を持ちながらも本来は王になれない身であること、どれだけ優れた力を持って生まれようが出自が悪ければ生涯それに縛られて生きていくしかないという世の在り方に疑問と憤りを抱いていた。
そんな折、世界を変えうる力「メダリオン」の存在を知ったことで、門地や身分を問わず力によって成り立つ、本来なら自国の民が憎悪・軽蔑するはずのラグズの様な社会への変革を大陸規模で望んだ。その足がかりとして、本編序盤、クリミア王国へ侵攻し、国王夫妻を娘の目の前で殺害。そのままクリミアを制圧する。
その極端な実力主義思想は政策にも表れ、力さえあれば誰でもデイン王宮騎士団入りが叶うという民への希望を与えた一方、弱者へは徹底的に非情。結局彼が望むほどの価値を示せなかったデイン王国本土は自国でありながら見捨てられてしまい、彼自身は選りすぐりの部下達を率いて奪い取ったクリミア領土を我が物とした。
しかし彼には民そのものが国の財産であるという考えもあったらしく、クリミア占領期には投降し服従を誓った者へ対しては過酷な統治政策を敷かなかった。皮肉にもそのことが『蒼炎』後のクリミア復興を早めることに結びついている。
なおデインで行われる徹底した反ラグズ教育や軍が演習を兼ねて行う「半獣狩り(隣国ベグニオンから逃れてきたラグズ難民への攻撃行為)」等から誤解されがちだが、彼自身のラグズに対する差別意識は薄い(というか種族という分類に対する興味が無い)。
前述の通り彼の思想は生まれに関わらず優れた者が世を支配し動かすべきというものであり、より優れてさえいればそれが貴族でも奴隷でも、人間でも半獣でも構わないと考えている。
クリミア侵攻は対外的には「ラグズに対して融和的な姿勢であったクリミアに対し、反ラグズ思想の根強いデインが不満を示した末に起きたもの」と解釈され、またデイン将校らもそのように理解しているが、アシュナードにとってそれは自国民に対する建前であり、彼らの差別意識を利用して国内の反戦論を封じるための方便に過ぎない。
その思想は極端ながらも徹底しており、アイクが自身を討たんと目の前に現れた時さえも「(平民の)お前が(王である)我を力持って制するなら望むところ」「それこそが我の理想とする世界の在りかた」と笑みを湛えて言い切った。
戦闘力
終章にてアイク率いるクリミア軍を待ち構える。
敵兵はアシュナードをして「手塩にかけた」と言わしめる猛者ぞろいで、全員が上級職でステータスも高くさらにスキル持ちもゴロゴロいる。こちらの出撃人数が14人に対し、デイン軍は4倍以上の60人もおり、真正面から撃ち合うと数の暴力で押し潰されてしまう。この圧倒的に数で劣る状況において、普通は守りを固めながらこちらに進軍してくる敵を少しずつ迎え撃つという戦い方がセオリーだが、そんな戦法を嘲笑うかのようにラスボスにもかかわらず一定のターンが経過すると自ら襲い掛かってくる。
その強さは歴代のラスボスの中でも圧倒的で、あまつさえ漆黒の騎士から献上された女神(『暁』の描写からおそらくユンヌ)の加護の鎧によってラグネルや一部ラグズの攻撃でなければダメージが通らず(設定上はエタルドでも通るはずであるが直接対決の機会はなかった)、攻撃面も得物である直間両用の大剣「グルグラント」の凄まじい破壊力と騎竜ラジャイオンの機動力による広範囲に及ぶ移動力でプレイヤーを苦しめる。上記のとおりほとんどのユニットではアシュナードにダメージを与えられないため、回復役が狙われたらひとたまりもない。
ただでさえ恐ろしい強敵だが、難易度ハード以上では1度撃破してもメダリオンに触れて【負】の気の暴走によるブーストを施し復活する。本来であれば正気を失い周囲を破壊するだけの化け物と成り果てる筈だが、彼はその性格上【負】の気と極端に相性が良かったようで、暴走による破壊衝動を取り込んで(曰く「良い心地」)正気を保っていた。
死後
『暁』では既に故人であるため登場しないが、前作の最重要人物であるため度々その名が話題に上がる。遺児と妾妃がいたこと、さらにきつい条件を満たすととある人物の実父であることが判明する。
ヒーローズ
狂王 アシュナード
属性 | 赤 |
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兵種 | 剣/飛行 |
武器 | グルグラント(専用) |
奥義 | 竜穿 |
A | 遠距離防御3 |
C | 攻撃の波・偶数3 |
2020年5月の大英雄戦で登場。メダリオンに触れた状態ではあるが、原作通り正気を保っている。
ステータスは攻撃守備の高い物理型で魔防はそこそこだが速さはかなり低い。
原作同様にグルグラントで守備3と飛行特攻無効。そして周囲2マス以内の敵は戦闘中、攻撃守備-5と耐久型の性能。
2024年2月のアップデートで錬成武器対象に。周囲4マス以内に拡張して攻撃守備のバフ無効、追撃不可、キャンセルが追加。特殊錬成効果は敵から攻撃されるか敵のHPが75%以上の時は戦闘中さらに敵の攻撃守備-5かつ守備の15%分さらに敵の攻撃守備が減少して受けるダメージを30%軽減。これで範囲が広がり、攻守の妨害性能と防御面がかなり上がる新たな個性を得た。
余談
実はFEシリーズでは珍しい純人間のラスボス。
本シリーズは概ね人と人の戦いによって展開し、道中にも敵将校として多くの人間が立ちはだかるので意外に思われるかもしれない。「物語上の黒幕が人間」というケースは珍しくないが、意外にもラスボスに関しては「邪竜」「邪神」といった人外や「人外の力を生まれ持った人間」であることが殆どである。
また本作の舞台であるテリウス大陸は貴族制の腐敗が進んでおり人種・身分等による差別が激しく、それらが多くの問題を招いている為、彼の主張する実力主義は(極端かつ推し進め方があまりにも残忍であるが)全てが間違いではない…部分もなくもない。そういう意味では歴代ラスボスに比べれば目的・思想的には(本人の凶暴性に反して)まだおとなしい方…かもしれない。
サザからは「自分にとっては悪い王ではなかった」と語られている。FEのラスボスで仲間からそう評されるラスボスは稀。