概要
デイン王ペレアスの母親。デイン先王アシュナードの妾妃。『暁』にて公に現れるまで、彼女の存在は王宮関係者の中でも極一部にしか知られていなかった。幼いうちに引き離された息子に再会することだけを希望に生きていた。ペレアスを溺愛し、他の物事には関わろうとしない。
その実態はゴルドア国王デギンハンザーの娘でありラジャイオンの妹、そしてクルトナーガの姉。つまりはラグズである。竜鱗族の力を尊ぶあまり故国の気風や掟を嫌って出奔し(ゴルドアからは赤竜の捜索部隊も出ていたが、これらはデインに捕らえられ「なりそこない」にされてしまった)、王子時代のアシュナードと出会う。
彼はアムリタの持つ黒竜の力を欲し、お互いに強く惹かれ合った(アムリタ曰く、「自分たちの間に愛など存在しない」)が、2人の間に子が生されたことでアムリタはラグズとしての力を失ったうえ、生まれたばかりの我が子を奪われてしまう。そして、彼女が力を失った事態がアシュナードの一計により、兄や国をも巻き込む事件へと発展し、力、兄、子、全てを失くし正気を失う。
結果的にアムリタの行動は、竜鱗族に関わる多くの悲劇とアシュナードの野望実現に拍車を掛けることとなった。『暁』作中でも、正気でないことを利用された謀略であったとはいえ、息子の替玉(ペレアス)と引き合わせた旧臣イズカを信任してその横行を許し、ペレアスひいてはデイン王国に過酷な運命を背負わせてしまう。不可抗力的な部分も多々あり気の毒な人物ではあるが、多くの悲劇や争乱の元凶といっても過言ではなく、作中でもナーシルにその事を指摘されている。
ペレアスが生存していた場合、エンディングにて彼の口から自らの息子ではない事実を告げられる。その後特定の条件を満たしていると、ある人物が実の息子であったことに気付くも彼にはそれを告げず、ただ本当の我が子の生存、そして彼と出会えたことに心から歓喜し涙した。