概要
テリウス大陸の国家ベグニオン帝国元老院の議長にして帝国の宰相。ペルシス公爵。
なお、帝国中央軍総司令官ゼルギウスは彼の腹心である。
大陸最大国家であるベグニオンを治める政治手腕と、神使補佐機関である元老院を束ねるカリスマ性、そして魔道士としての比類なき実力を備えた完璧超人。帝国No.2という立場ながら物腰は大変柔らかく、身分や種族を問わず誰に対しても親切に接する一方で、不正や汚職に対しては毅然とした厳しい姿勢を貫くなど人格面でも非の打ち所がない人物である。
主君である神使サナキには心から忠誠を誓っており、彼女とは強い信頼関係で結ばれている。サナキが名君に育ったのは幼少時からの後見人であるセフェランの養育によるところが大きく、それゆえ主君と臣下の関係でありつつ親子のような気の置けない間柄である。
最年少の議員(外見設定年齢は28歳)であるセフェランが宰相の地位に在るのは、『蒼炎』の5年前、元老院が当時5歳のサナキとセフェランをお飾りの皇帝と宰相に祭り上げて帝国施政を意のままにせんとしたという背景がある。しかし蓋を開けてみるとセフェランも彼の影響を受けたサナキも為政者として有能すぎたために、10年も経たない内にすっかり力関係が逆転し、傀儡政治を企んだはずの元老院が逆にお飾り同然になってしまうという皮肉な結果となった。
こういった事情や彼の清廉な人柄もあり、腐敗した人間だらけの元老院内では議長ながら敵が多くサナキ共々疎ましく思われているが、一般民衆からの支持は絶大でありシグルーンやハールら軍人からも一目置かれている。
本編における活躍
蒼炎の軌跡
デイン=クリミア戦役の勃発に際し、身分を隠して各国情勢を視察調査する旅に出ていた。一介の巡礼僧としてクリミア兵の治療活動も行っていたためにデイン兵に捕まり、ネフェニーやチャップらと共に捕虜収容所に収監されていたところをアイクに助けられる。
港町トハで再登場した際には、ライが漆黒の騎士にトドメをさされそうになった際に立ち塞がり、「この騎士は私に手出しできない」という思わせぶりな発言で漆黒の騎士らを撤退させ、ベグニオンを目指すグレイル傭兵団の出港を手助けした。
その後は表だった出番はないが、帝国宰相の立場を活用して陰ながらアイク達を支援。エリンシアの即位式に列席した折にはアイクに労いの言葉を贈った。
エンディングでアイクに投げ掛けた意味深な独白や漆黒の騎士との関係など、セフェランについては多くの謎が明かされないままであったが、最後までアイク達の味方として力を尽くした。
暁の女神
続編でも第一部から登場し、帝国駐屯軍の圧政に苦しむデインの視察団に任命される。デイン人のサザや元奴隷のムワリムからも能力を高く評価されており、人徳の程が窺える。
第三部で始まったラグズ連合との戦争においては開戦の原因をつくった元老院の謝罪という形で和平的終戦を図ろうとしていたが、日頃の確執もあり彼を疎んじた元老院によって投獄されてしまう。ゼルギウスに救出された後は民衆の暴動を誘起して帝都機能を混乱させ皇帝軍到着までの時間を稼ぐなど、自分を慕う人々を目的のために利用する一面も見せた。
第四部にて女神アスタルテの裁きにより大陸中のベオクとラグズが石化した中でも彼は石になっておらず、物語クライマックスでサナキ達と無事に再会を果たす。神使という立場ではなくサナキ個人への忠義を示すなど、揺るぎない信頼が再確認された。
※以下の記述には『蒼炎の軌跡』『暁の女神』最大のネタバレが含まれます。
アイクには薄々勘付かれていたが、戦乱によるメダリオン解放およびアスタルテによる裁きという一連のプロセスは、全てセフェランによって仕組まれたことだった。セフェランの目的は、この世から争いをなくすために全てのベオクとラグズを滅亡させることである。
- 暗躍の軌跡
『蒼炎』でアシュナードが侵略戦争を起こしたのは、かつて彼がセフェランからエルランのメダリオンとセリノス鷺王女リーリアを譲り受けたことに端を発する(アシュナードはリュシオンとの戦闘会話で自分がセリノス王国からメダリオンとリーリアを奪ったと語っているがこれは嘘)。
『蒼炎』本編の20年前、セフェランは当時まだデイン王子であったアシュナードと接触し、メダリオンに封印された邪神の存在をちらつかせる。邪神を世へ解き放つには鷺の民の【解放】の呪歌、もしくは大戦乱による【負】の気の蔓延が必要であることを仄めかすと、野心家のアシュナードは見事食い付き、他の王位継承者達を暗殺するなど行動を開始(暗殺に用いられた“血の誓約”に協力した旅の賢者もセフェランである可能性が濃厚)。
邪神の力で人を滅ぼしたいセフェランと世界を変革したいアシュナードで利害は一致しており万事順調と思われたが、時を置かずしてガウェインがメダリオンを持ち逃げし失踪するという予想外のアクシデントに見舞われ、早くも計画に綻びが生じ始める。
つまりリーリアがパルメニー神殿で亡くなったのはだいたいセフェランのせい。
この数年後、デインの追っ手がガウェイン一家の潜伏先を突き止め襲撃する事件が発生。現場へ駆けつけたセフェランであったが、騒動の中でメダリオンに触れ暴走したガウェインによって追っ手は全滅して妻は死亡し、その一部始終を直視してしまった息子はショックで精神崩壊寸前という有り様だった。
セフェランとしてはようやく在処が分かったメダリオンを回収して再びアシュナードに渡すつもりだったのだが、娘がメダリオンに触れても【負】の気に呑まれないのを見て気が変わり、当面の間はメダリオンを一家の元に置いておくことにした。
これ以降はベグニオン宰相の皮を被り世情やサナキの成長を見守りながら、アシュナードが本格的に動き出すのを待つこととなる。
つまり『蒼炎』開始時点でミストがメダリオンを所持していたのはだいたいセフェランのせい。
十数年後、デイン王に即位したアシュナードが『蒼炎』にてクリミアへ進攻を開始するのと前後して、セフェランはゼルギウス(漆黒の騎士)に命じてアシュナードに仕えさせ動向を監視。またメダリオン回収のために漆黒の騎士にグレイル襲撃を命じたのもセフェランであり、アイクと漆黒の騎士の因縁形成にも間接的に関わることとなった。
セフェラン本人は表向きベグニオン宰相としてクリミアを支援する一方で、セフェランの息が掛かった漆黒の騎士はデイン側で大暴れしたため戦局が引っ掻き回されることとなったが、この戦争ではメダリオンの封印が解けるほどの【負】の気が満ちなかったためセフェランは次なる策謀を巡らすこととなる。
つまり『蒼炎』で戦争が起きたのはだいたいセフェランのせい。
ちなみに上述のようにゼルギウス、即ち漆黒の騎士は彼の腹心であり、トハで漆黒の騎士がセフェランを攻撃しなかったのはその為である。
アシュナードが討たれた後の『暁』の時代では再び戦乱を引き起こすべく、敗戦国となったデインを復興させ駒として利用することを画策。イズカに命じて孤児のペレアスをアシュナードの遺児として仕立て上げさせ、また漆黒の騎士をミカヤの元へ助っ人として派遣しデイン解放を手助けするなど水面下で暗躍。
第三部で非戦を唱えていたのもフェイクであり、自身は囚われの身となって動きを制限されながらも、復興したデインが“血の誓約”で元老院の言いなりになったことで思惑通りに事が運び、元老院&デイン軍vsラグズ連合&帝国中央軍&クリミア軍という未曽有の大戦争へ持ち込むことに成功。泥沼化する戦局の中で、セフェランの目論見通りついに【負】の気の量はメダリオンの許容限界に達してしまう。最終的にサナキとミカヤの【解放】の呪歌によりメダリオンの封印は解かれ、目覚めた女神によって世界は滅亡の危機に陥ることとなった。
つまり『暁』で戦争が起きたのもだいたいセフェランのせい。
戦争の引き金を引いたのはアシュナードやルカンら元老院であるが、以上のようにアシュナードを焚き付けて利用し、何も知らない元老院を掌の上で躍らせて戦争が起きるよう仕向けたのはセフェランであり、戦争の裏ではより多くの【負】の気を撒き散らすために戦火が拡大するよう争いの種をばらまき続けていた。
誰よりも信じていたセフェランが全ての黒幕であったショックでサナキは呆然自失となり、多くの人の信頼を踏みにじっていた彼への怒りにアイクは身を震わせる。歪んだ本性を露わにしたセフェランは、全滅必至の二度目の裁きのタイムリミットが迫る中、ラスボスへの道を阻む最後の敵としてアイク・ミカヤ達と激突する。
「たとえ私に勝てたとしても…
あなた方が女神アスタルテに敵うとはとても思えませんが…
それでも、せっかくここまで来られたんですから。
私のたくらみを知ったのですから…
最後まで足掻いてみては いかがです?」
- セフェランの正体
本編一周目では、何故セフェランが人を滅ぼすという野望を持つに至ったのか、何故彼が20年前にメダリオンを持っていたのか、そもそも彼は何者なのかといった事実が断片的にしか判明しない。
二周目以降で条件を満たすと明らかになるその正体は…。
ユニット性能
『蒼炎』でのクラスは司祭。10章でNPCとして登場し、捕虜の一人として捕まっている。
同マップで捕まっているチャップやケビンが時期相応の強さである中、キルロイの上級LV20期待値と互角以上という場違いな高ステータスと、敵のあらゆる攻撃を無効にする異彩を放つスキル「女神の加護」を有した怪しすぎる彼が牢屋に大人しく入っている様子は非常にシュール。
お前が戦えとツッコミたくなること請け合いだが直接操作することはできず、自軍にも加入しないためここでは顔見せのための登場という意味合いが強い(他の捕虜達と異なりセフェランだけは放っておいても自力で脱出する)。ゲームクリア後のトライアルマップでも使用できない。
- 10章「捕虜解放」は、ストーリー的には巡回兵の監視網をかいくぐって牢内の捕虜達を救出し速やかに離脱するという、無為な戦闘を避けるべき作戦が展開されるマップである。しかしセフェランはスキルにより無敵であり、また体当たりや救出を利用して初期位置から移動させることが可能。これに目をつけられた結果、経験値稼ぎのために丸腰の聖職者を肉壁にしながら敵兵をじっくり皆殺しにしていくグレイル傭兵団が続出。エムブレマーからはネタにされつつも頼りにされる存在であるが、目の前で斃れていくデイン兵を見せつけられる彼の心境は如何程のものであろうか…。
『暁』でのクラスは宰相(チャンセラー)。第4部終章Area4のボスとして登場。
女神の加護は敵になっても健在であり、負の女神ユンヌの加護が付いた武器でなければダメージが与えられない。他の魔道系最上級職を凌駕する高いパラメータを有し、高必殺率の専用光魔法「クライディレド」、高確率で発動する魔防無視の奥義「暁光」、高威力の広範囲攻撃、超射程の遠距離攻撃と、彼単体で様々な攻め手を持つ。
また物理守備力は特殊アイテムと防御床による補正で魔道職とは思えないほどの硬さとなっており、加えてスキル効果で毎ターン大幅にHP回復、こちらの天空や流星などの奥義は無効、さらには使役する精霊による妨害等、攻防に大きな穴が見当たらない強敵。…であるのは確かなのだが、
- 最大HPは並程度であるため高めな守備・魔防の割に総合的な耐久力は低い
- セフェランの奥義は固定ダメージ51のためHP52以上あるユニットならば耐えられる
- クライディレドの高い重量のせいで攻速が低下しているため追撃が入りやすい
- リワープの杖で転移した直後は無力である
等つけ入るスキは多く、キチガイじみた強さで自軍を苦しめた前章ボスを乗り越えたプレイヤーならそこまで苦戦することはない。
ヒーローズ
雪空の宰相 セフェラン
属性 | 無 |
---|---|
兵種 | 杖/重装 |
武器 | 聖樹の杖+ |
補助 | レスト+ |
奥義 | 大地静水の祝福+ |
A | 攻撃魔防の渾身4 |
C | 快癒・奇数3 |
2020年12月からの超英雄でまさかの実装。蒼炎・暁の経験している者からは衝撃的な人選となった。上述にもあるように原作での物語の核心となる人物なのでネタバレは要注意。
クリスマスエイリークに続いて二人目で二年ぶりの重装・杖ユニットである
聖樹の杖は周囲2マス以内の味方は戦闘中、守備魔防+2、かつ敵はキャンセルの効果。耐久値を上げつつ、敵の奥義カウントを遅らせる完全サポート特化。
新たに登場した快癒・奇数3は奇数ターン開始持のみ自分を除く周囲2マス以内の味方を不利な状態異常を解除かつ、HP20回復する今までに無いユニークな効果。奇数ターンと条件は限られるがレストなしに状態異常の回復とHPの回復量はかなりの恩恵となる。
なお、聖樹の杖はニーナが持つ同効果のサンクチュアリが来るまでは唯一の効果だった。