ジェルド
じぇるど
CV:清水秀光(ヒーローズ)
主人公ミカヤをはじめとする暁の団が敵対するベグニオン帝国駐屯軍所属の将軍。
序章での戦闘終了後イベントで初登場し、デイン王都ネヴァサの管轄に就くこととなる。常に副官であるアルダーを引き連れている。
冷徹非情な性格で、序章では部下が無能であれば容赦なく手を下し、さらに次章では王都から逃亡しようとしたミカヤたちを庇ったデイン国民に対しても容赦ない制裁を下す。
「上官の命令は全て『すみやか』に『確実』に遂行」が口癖であり、おそらく彼自身の信条のようなものではないかと思われる。
元々は、ベグニオン元老院議員ヌミダが保有する公爵軍の私兵。彼自身は地方貴族の出身であるものの、家柄が重視される帝国社会において自らの手腕で将軍職を得るなど、ベグニオン帝国においてはかなり異例の存在といえる。
暁の団を「ベグニオンに歯向かう牙」として早い段階から危険視し、包囲網を展開。一度は王都からの逃亡を許したものの、後にローラの頼みで領主館に攻撃を仕掛けたミカヤたちに勘付き、領主館を後にした隙を狙って攫ったローラを餌に暁の団を一網打尽にしようとするも、ミカヤの機転により未然に防がれる。
その後はグライブ監獄にてミカヤたちを捕虜にするも、サザとブラッドの働きによりまたしても逃亡を許してしまう。またミカヤと共に捕われていたララベルたちがアシュナードの遺児の情報をミカヤたちにもたらしたことで、ジェルドと駐屯軍の運命は大きく動き始めることとなる。
その後はペレアスを旗頭としてミカヤたちも参加したデイン解放軍に対抗する為、フリーダに釘を刺し、さらにはヌミダを言葉巧みに説得して大量の武器や装備を増強し、傭兵を大勢雇い入れるなどの優れた立ち回りを見せる。
事実彼の働きによって、解放軍は駐屯軍に対し戦局の劣勢を覆すことができずにいた。
それでもミカヤたち解放軍の活躍は次第に規模を広げていき、ついにはトパックたちの活躍によってベグニオン本国から神使サナキの勅命を受けた視察団派遣が決定。
これによりジェルドの命運は決定的なものとなってしまう。
逆境からの抗い
視察団の派遣を知ったヌミダは状況を打開すべく、私兵であるジェルドたちを残してデインを去り、その後ベグニオンにてルカンへ協力を願い出る。しかし最終的にヌミダは自らの罪を私兵であるジェルドら駐屯軍に擦りつけることによって自身の身の潔白を証明する保身に走り、デインに残された駐屯軍はヌミダのスケープゴートに仕立て上げられてしまう(もっともジェルドたち駐屯軍自体もデインに対し悪事を働いたのは事実であるため因果応報である)。
帝国の使者の伝令を通じて自分たちがヌミダに切り捨てられたことを悟ると、主であったヌミダに対し「それだけの度胸があるなんてな」と嘲笑。その後アルダーの「野盗団にでもなりますか?」という発言に対し、彼は「そこまでして生き延びたいとは思わない」と返すのだった。
賊として生き永らえるよりも帝国兵士として死ぬ道を選び、その道連れとして解放軍…その根源であるミカヤを始末せんと夜襲をかけるのだった。
9章「闇よりの生還者」にて、ミカヤと久々の再会を果たし対峙。彼女自身は「自分を殺してもペレアスがいる限り何も変わらない」と言うが、ジェルド自身はペレアスを「まがい物の石くれ」、ミカヤこそが「民を惹きつけてやまぬ輝く宝石」と評するなど、後に判明するミカヤとペレアスの出自を考えれば確かな見識眼を見せる。
味方も逃げ場もないミカヤを手に掛けようとするも、誰もが予想だにしなかった漆黒の騎士の登場によって失敗に終わり、ジェルドの目論見は完全に破綻する。
非凡なジェルドといえどデイン最強を誇る漆黒の騎士には太刀打ちできず、次々と部下が倒されて自分も追い詰められてしまい覚悟を決めるも、副官アルダーがその身を盾とし、彼に代わりその命を落とすこととなる。アルダーの死に激昂し今一度漆黒の騎士に立ち向かおうとするも、ミカヤの説得によりその場を去る…。
が、このミカヤの行動により彼は最後の抗いを引き起こすこととなる。
終章「デイン復活」では、投石器で王都ネヴァサを攻撃し、デイン国民を最後まで苦しめることにより解放軍を挑発。ペレアスの働きかけにより解放軍はデイン王城にて最後の決戦に挑む。
これによりジェルドは自分たち最後の戦場として解放軍に相対し、生き残った駐屯兵に演説を行い立ち向かうのであった。
「いいか、おまえたち。
これは俺たちが帝国軍人のまま死ねる最後の機会だ。
ここを生き延びたところで、
数日後には視察団によって拘束され、そのまま闇に葬られる。
ならば、ここで散って己の終焉への手向けにしろ!
1人で最低5人潰せ!
勝利を確信した軍隊ほど脆いものはない。
ベグニオン帝国軍の恐ろしさを、デインの連中の脳裏に焼き付けてやれ!
俺たちは帝国軍人だ!その誇りを抱いて死ぬがいい!!
行けーーーー!」
クラスは槍闘士(ハルバーディア)。第1部のラスボスを務める。
攻守、速さ、魔防とも全体的にかなりバランスの取れたステータスをしており隙がない。さらに必殺+5の補正が付いている為、生半可な幸運のキャラでは必殺率に恐怖させられることもある。
9章での初戦闘時は「鋼の長槍」を装備しておりミカヤを瞬殺させうる攻撃力を有するが、射程1で初期位置から動かない為ミカヤの武器レベルの足しにされることもしばしば。
問題となるのは間違いなく終章。直間両用の「ショートスピア」を装備し、調合薬を備え持つ。玉座の上にいるため回避がかなり高く、攻撃を当てるのも容易ではない。
そして何より厄介なのが「指揮★★★」(星3)である。これにより、このマップではたとえ三すくみが有利であろうとも大して意味を成さないほど敵の命中・回避が跳ね上がり、だからと言ってもたもたしていると盗賊に宝を盗まれ、下手に近づけば長弓と遠距離魔法メティオが襲いかかり、とどめに背後から増援が押し寄せるなど、追い込まれた駐屯軍の本気を見ることができる。
ただしジェルドらにとっては不幸なことに、漆黒の騎士とニケの前ではこれらの強化も一切意味を成さない。あらゆる攻撃を一蹴し敵を一撃で粉砕していく彼らはチートすぎるのだ。
よってどうしても倒せそうにない場合や自軍をもう成長させる必要がない等の理由があるとき以外、彼らをジェルド打倒に使用するのは好ましくない。
余談だが、彼の魔防は15とかなり高め。これは終盤ボスでありハルバーディアの上級職であるホーリーランサーのルベールとまったく同じ数値である。そのため仮に育った場合、帝国でゼルギウスに次ぐ実力者のルベールよりジェルドの方が強いのではないか等と一部では囁かれていたりする。
戦いに敗れた後、最後はミカヤに対し意味深な言葉を残して死亡する。
これにて彼の活躍は終了するが、後にそんなジェルドたちを切り捨てたヌミダとミカヤとの戦闘で、僅かながらもジェルドの死に思うところのあるミカヤの戦闘会話を拝むことができる。
まごうことなき悪役ではあるが、幾度もミカヤを追い詰める確かな能力、言葉の節々から窺える武人としての矜持、漆黒の騎士との邂逅時における清々しいまでのかませ犬ぶり、それでいて何者にも媚びず最後まで我が道を貫いて散っていったある種の潔さといった点から、プレイヤーに強い印象を残し一定の評価を得ているキャラクターである。