兵種:魔竜
概要
ファイアーエムブレム 封印の剣に登場するキャラクターであり同作のラスボス。
人と竜が争う人竜戦役の時代に人を苦しめた、強く、美しく、悲しい魔竜。
千年の間に戦いの真相は忘れ去られ、かつての竜族の王とされている。
ベルン国王ゼフィールがローブを着せた状態で普段から連れている。
ローブを着ている状態では顔もほとんど見えないがオッドアイである。
ベルン国内でも「暗闇の巫女」としてブルーニャなどから訝しまれている存在。
過去に英雄ハルトムートによって封印されたがゼフィールが復活させた。
ゼフィールの「人が支配する世界を竜に明け渡す」という贖罪の為には欠かせない存在。
イドゥンの秘密
イドゥンが魔竜となったのは竜が人間に追い込まれたことによる苦肉の策。
真相は人が戦いを始めたことによる人竜戦役最大の傷跡。
いかに圧倒的な巨体と力を誇る竜族も増えすぎた人間の数に対抗しきることはできず、次第に数を失っていった。この事態に竜族は滅亡を逃れるべく、その対抗策として神竜の力を強化することで敵意のみに反応して動き出す戦闘竜を量産する方法を選んだ。
しかし神竜はこの方法に反発し姿を消してしまう。イドゥンは神竜と他の竜族の間に亀裂が生まれてしまうことに迷い逃げ遅れて捕まってしまった。
この時に強化されて強大な力を与えられ「魔竜」となった。自意識に乏しいのはイドゥンがこの改造に応じず、種族の為として仕方なく「心」を抜き取った結果である(ヤアン曰く、事は我ら『竜』全体に関わり、手段は選べなかった)。
やがて戦いも終焉を迎え、いよいよ英雄たちが魔竜と対峙した時、英雄たちは目の前の光景に言葉を失った。世界の秩序を崩壊させるだけの存在であり、『その息吹は天を閉ざし、その爪は大地を踏み砕く』と言われている程の恐ろしい竜が待ち構えているのかと思えば、目に入ったのはただ空を見上げ、話し掛けても反応一つない少女が座り込んでいただけだったからである。
元より魔竜の生い立ちを知り、この姿を見たハルトムートはそんな彼女に同情し、魔竜を殺さず封印するだけに留めた。これが封印の剣がそう呼ばれる理由であり、千年の間に忘れ去られた人竜戦役の真相である。
ラスボスとして
シリーズ初の女性ラスボス。神将器を全て集めてストーリーを進めると最終的にロイ達の前に立ち塞がる。この時には魔竜という姿を取ってくる。竜ではあるのだが、他のマムクートと異なりドラゴンキラーや神将器による特効はなく、封印の剣、神竜石のみが特効となる(それでも特効があるだけ戦いやすいが)。
パラメータとしては決して弱い、ということはないのだが……。
不動型ではないのだが彼女の欠点は何と言っても「間接攻撃出来ない」という点にある。その為、間接攻撃されれば反撃することが出来ない。しかもロイが扱える封印の剣は間接攻撃可能、そのため、ロイがしっかり育っていれば間接攻撃をするだけで手も足も出させずに倒す事は難しくなく、普通に成長したロイがいれば2回攻撃で終了、クリティカルが出れば一撃である。
その為、ファイアーエムブレム史上最弱のラスボス、という評価をされることも少なくない(間接攻撃可能で目立った弱点の無かったゼフィールよりは少なくとも弱いと思われる)。
ちなみに彼女を封印の剣でトドメを刺したかどうかでエンディング内容が変化するが、封印の剣を使わない場合は一応それなりの強敵となる。この場合ですら、伝説の武器を使わないラスボス戦の中では弱い方に入る。
上記の様に当時からラスボスなのに弱すぎると散々言われて来たが、近年ではラスボスにしては余りにも弱いのは彼女の境遇から考えると演出の一環では?という声も出てきている。
実際に神将器すら特効が無いのに対し、封印の剣とファによる攻撃だけ特効があるのは封印の剣の特性上ロイの心が伝わったとも捉えることが出来、またファは真EDでは彼女の心から感情を取り戻せているからではという説である。
この戦いで見てきた様々な醜い感情を人間のエゴとする一方で、世界の解放という使命に目覚めたイドゥンの心を再び白紙に戻してでも、彼女に生きてほしいと願う心もまた、人間のエゴが為したものなのだろう。
真実はスタッフのみぞ知る。
封印の剣でとどめを刺し尚且つファが生存している場合戦闘後にロイに助けられて生き残り、ファと共に生活している姿が描かれる。また、その生活の中で少しずつ感情を取り戻しつつあることが窺える。
ラスボスとしての強さはかなり物足りないが、条件次第で生存でき、主人公とも関われることから、見方を変えればある意味今作のヒロインの一人と言えるかもしれない(いわゆるラスボス系ヒロイン)。
ヒーローズ
暗闇の巫女 イドゥン
「私はイドゥン。
あまねく世界を解放する…
それが陛下の望み、私の使命…」
属性 | 赤 |
---|---|
兵種 | 竜/重装 |
武器 | 魔竜のブレス(重装特効)(専用) |
奥義 | 緋炎 |
A | 守備魔防の城塞3 |
B | 迎撃隊形3 |
C | 竜盾の紋章 |
2019年3月から登場。設定的には神階英雄に近いが、レギュラー枠。ローブをつけているからか重装扱いとなった。イドゥン自体が巨大な竜であるためか、変身演出はギムレーと同様、画面端から頭部分が出てくる演出になっている。
ステータスは補正で守備と魔防が高めで速さがやや低い。
専用武器「魔竜のブレス」は守備3と重装特効で自分のHPが99%以下か不利な状態異常を受けている場合は戦闘中、デバフ無効かつ全ステータス+4とかなり原作と見違えるほどに強力。
重装特効がついていることや自分へのデバフを逆に利用するという武器特性は、ステータス査定で有利な重装が多い闘技場や、メガクエイクで全体固定ダメージをすることで追撃を防いでくるドーマが防衛に目立つ飛空城で活躍しやすい。相手側の竜特効や自身にも重装特効に気をつけて運用したいところ。
また赤の重装特効であるため緑の重装である事が多いヘクトルには非常に相性が良い。本編におけるヘクトルの最期の再現も可能である。
強力なユニットではあるがドラゴンキラーや神将器の特効がない原作とは違い、竜特効共通である。アルムなどの連続攻撃もの火力と追撃(反撃)させない伝承マルスが苦手。おまけに重装特効もあり、高火力のミカヤや伝承クロムと思いのほかに弱点だらけ。特効がいたら相手にしないように。
インフレが続く中、今なおデバフ無効や重装特攻が輝き、原作と違い、ラスボスの威厳が保たれている。
2022年5月のアップデートで錬成武器対象に。敵から攻撃された時でも効果が発動するようになった。特殊錬成効果は敵から攻撃されるか敵のHPが75%以上の時は戦闘中、攻撃+5かつ敵の攻撃-5。敵が追撃可能な場合は最初に受けるダメージを70%軽減。これでHPを削らなくても攻撃されるだけで発動の緩和とバフ、デバフ、ダメージ軽減の新たな個性を得た。
注意点として、錬成を行うと武器効果が敵から攻撃された時、または戦闘開始時にHPが99%以下の時に、デバフ無効&全ステータス+4。デバフを受けるだけで発動出来たが錬成を行うと自身のHPが100%の時に自身から攻撃を行う場合、デバフを受けていても効果が付かなくなってしまうようになった。
そもそも攻撃型の性能ではないので受け型として運用は間違っておらず、受け型で戦っていた召喚師はそのような問題は無関係で護り手と噛み合うようになるメリットがある。指摘を受けてか6月のアップデートで説明文に「不利な状態異常」と補足が付け加え、従来の効果でも発動する修正が実施された。
想いを集めてではファの代わりにルゥが会話するイベントに出ている。
比翼の竜の民 イドゥン(比翼英雄)
「私はイドゥン、この子はファ。
この春、祭りを見定める者…
それがこの子の望み、私の…使命…?」
属性 | 赤 |
---|---|
兵種 | 竜/重装 |
武器 | 春風のブレス(重装特効)(専用) |
奥義 | 氷蒼 |
A | 鬼神金剛の構え3 |
B | 迎撃隊形3 |
C | 竜盾の紋章 |
2020年3月からイドゥン初の超英雄。今回は同じ竜であるファとの比翼英雄でセリフからして本編のその後と思われる。
通常版とステータスを比べると中途半端だった魔防は高くなっているが攻撃は僅かに下がってしまった。
春風のブレスは通常版と同じ重装特効だがスキル効果は変更され、バフがかかっているか周囲二マス以内に味方がいれば、自分のデバフ無効+敵の攻撃-6と敵は追撃不可。Bスキルもそのまま迎撃隊形を持っている。鬼神金剛の構え3で通常版と違ってより倒しにくい仕様になった。
比翼スキルは自分を中心とした5×5マス以内にいる味方に守備魔防+6、かつ【重装特効無効】【竜特効無効】を付与。これにより特効を恐れずに戦うことが出来る。
竜特効や重装特効が苦手なのは変わらず、ベレス(ベレト)の天帝の剣や見切り・追撃効果で追撃封じ無効にするユニットには気をつけたい。特に伝承マルスのBスキル「封印の盾」は比翼スキルで特効を封じても、竜相手の追撃封じや攻撃されると反撃不可が発動してしまうので要警戒。
比翼スキルも重装か竜以外の歩行、飛行、騎馬では守備魔防が上がるだけで特効無効が無意味になってしまうので、ある程度重装もしくは竜のユニットで組ませた方がスキルを活かしやすくなる。
近年では騎馬/竜に炎神ムスペルと氷神ニフルが登場した事で前よりも活かしやすい。
2023年7月のアップデートで錬成武器対象に。バフ以外の有利な状態が付与している時でも効果が発動するようになって戦闘中、敵の速さ守備魔防-4が追加。特殊錬成効果は敵から攻撃されるか敵のHPが75%以上の時は戦闘中さらに敵の全ステータス-4かつ最初と二回攻撃のダメージを-5と魔防の回避効果。もう一つは同条件で戦闘後、HP7回復。これで効果かが発動しやすく、敵のステータスと自分の受けるダメージを減してHP回復する新たな個性を得た。
神と魔の間で イドゥン(開花英雄)
属性 | 青 |
---|---|
兵種 | 竜/重装 |
武器 | 芽生えし心の竜石(重装特効)(専用) |
奥義 | 緋炎 |
A | 鬼神金剛の構え3 |
B | 正面隊形・敵方3 |
C | 盾の護り手・近間3 |
2022年2月から開花英雄としてまさかの抜擢。本編後からさらにED後、生存して心が芽生えた後の姿と見られ、属性も青に変化。
今までのイドゥンとステータスを比べると攻撃と守備が一番高い。通常版とイースター版を組み合わせたステータスになった。
専用武器「芽生えし心の竜石」はそれまでのイドゥン同様の重装特効に加え、自身の重装特効を無効化するようになった。もう一つの効果は周囲3マス以内に味方がいれば戦闘中、敵の全ステータス-5かつ自分のデバフ無効と追撃不可で通常版と比翼版を組み合わせたような効果も持つ。
Bスキルの「正面隊形・敵方」は、伝承チキなどが持つ「正面隊形・自己」の自身のデバフを無効の部分を、敵のバフ無効の効果に変えたもの。
一見護り手編成の総選挙ヘクトルと似たようだが「特攻持ち」「敵のバフ無効」「錬成ブレス効果がない」等差別化はしている。
重装特効無効化で弱点は減ったが竜特効は引き続き受ける。総選挙マルスやルキナなどはデバフバフ無効で対抗できるが、スラシル、総選挙エリウッドなどの赤属性以外の竜特攻や、伝承ベレトの覇天、反撃出来ない竜特攻持ちのユリアやハピにも注意したい。
見切り・追撃効果で追撃不可を無効にされるのにも注意が必要。貴重なスキルだが遠距離反撃や遠反・明鏡の構え、あるいは明鏡の反撃・遠距離を付けてカバーするかで補おう。
関連イラスト
関連タグ
ラスボス マムクート 銀髪 ロングヘア オッドアイ 哀しき悪役 悲劇のヒロイン
パオラ…同シリーズの中の人繋がり
リュール…同シリーズの後輩で境遇が様々な点で真逆の人物。作中でロイからもいくつか類似点は言及されている。