概要
「ファイアーエムブレム」シリーズに登場する竜人族。
普段の姿は人間と変わらないが、戦闘時に竜の姿に変身して戦う種族。竜が本来の姿だが、力を封じ込めた"竜石"がないと変身出来ない。
多くの作品で重要な役割を担っている。普通の人間よりも長寿で成長が極端に遅く、見た目に反して数千年もの長い時を生きている。登場するマムクートは味方なら幼女、敵はおっさんが多い。
一部の作品において「マムクート」は当人たちにとって蔑称の意味合いがかつてはあり、「竜族」または「竜人」と自称する場合がある。
暗黒竜と光の剣
フィールドマップ上では常に人間の姿で、竜石を持った状態で戦闘に入ると自動的に竜に変身する。竜石はシステム上武器に近い扱いだが非売品で、消耗はせず無制限に使える。
アカネイア大陸のドルーア地方には神竜族ナーガの他に火竜族サラマンダー、魔竜族バジリスクがおり、ナーガが人間界を狙う他種族を諫めていた。
しかし、どこからともなく現れた地竜族のメディウスがナーガ族を滅ぼし、他の竜族を支配してドルーア帝国を建国した。神竜族は幼い王女チキだけが生き延びたが、火竜族の祖父バヌトゥとはぐれてしまった。
本作の「マムクート」は当人たちも使用する呼称である。
紋章の謎・アカネイア戦記
上記の設定が大きく変更された。「紋章の謎」ではアイテムとして竜石を使うと数ターンの間だけ変身し続け、戦闘しても消耗しない。
アカネイア大陸には王族である神竜族の他に火竜族、魔竜族、氷竜族、飛竜種、地竜族という竜族が数万年前から住み着いていた。かつて高度な文明を築いていたが、1600年ほど前から子供が生まれなくなった上に、理性を失い獣と化す者が現れ始めた。竜族の滅びを悟った長老に従う者は、竜としての本性を石に封じ込めて人になり、反発した者は野生化したという。この内、人の姿になった者をマムクートと呼ぶ。
暴走した竜族が人間を蹂躙すると神竜族の王・ナーガが人に味方をし、敵対した竜族を地底深くに封じたが、ナーガを始めとする竜族のほとんどは滅んだ。
メディウスはかつてはナーガに従っていた唯一の地竜だったが、後に人間がマムクートを迫害しはじめたことに激怒し、ドルーア帝国を建国して人間を滅ぼそうとする。
(当時、「マムクート」という言葉は人間が力を喪った竜族を蔑む際に用いる”蔑称”だった)
結果としては人間の英雄アンリとナーガの残した神剣ファルシオンにより倒されたが、それから100年後に復活。
ドルーア帝国から人々を救うため、主人公マルスが立ち上がる。
該当味方キャラクターは両作品ともにバヌトゥ、チキ、チェイニー(コマンド)、ガトー(司祭/賢者)(チェイニー、ガトーは神竜族だが竜石を捨てており竜の姿になれない)。
他にナーガ、メディウス、マヌー、ショーゼン、ブルザーク、サラマンダー、モーゼス、ゼムセル。
封印の剣・烈火の剣
「封印の剣」以降のマムクートは初代と同じく戦闘時に竜石を装備していると自動的に変身する。竜石はより武器に近い扱いで耐久度設定があり一戦ごとに消耗する。複数の種類を使い分けたり、店で買えるケースもあるが、ハマーンで再生できない等貴重品である。
舞台となるエレブ大陸でのマムクートは、かつて人竜戦役時の人竜双方の膨大な魔力の大激突によって世界の秩序が変化し、大陸にいる限り本来の姿を保てなくなった(竜石に力を封じ込めないといけなくなった)。竜石に力を封じ込めないままでも理性は奪われないが、生存そのものが不可能になった。そのため多くの竜族はエレブとは別の世界にあり、「竜の門」のみで通じる異大陸に住んでいる。少数いるエレブの竜族は神竜族、火竜族、氷竜族などが登場するが、人竜戦役では戦うためだけの戦闘竜が神竜族の力でつくりだされたという。
「封印の剣」での該当味方キャラクターはファのみ。他キャラクターはヤアン、イドゥン、アイン。ソフィーヤは竜の血を半分引いている。また、封印の剣の主人公ロイは、母親がニニアンだった場合、竜の血を4分の1引くことになる。
「烈火の剣」での該当味方キャラクターは人間とマムクートのハーフであるニニアン(踊り子)とニルス(バード)姉弟だが、味方にクラスとしてのマムクートは登場しない。敵側もラスボスでマムクートでもない古の火竜がいるのみ。他にヤアン、ファがいるが、民家で留守番中だったりエンディングにちらっと出てくる程度の顔見せ出演なので物語に深くかかわることはない。
聖魔の光石
マムクートの性能、竜石の特徴は「封印の剣」と同様である。
舞台となるマギ・ヴァル大陸では、大昔魔王を竜人族が封じたと言われている。その魔王を封じる遺跡のある闇の樹海で、竜人族の長であるムルヴァとその養女ミルラが隠れ住んでいた(ミルラの実の両親は既に他界)。ポカラの里の大婆ダラと賢者サレフたちは彼らを「竜人さま」として崇め、守護している。
該当味方キャラクターはミルラのみ。他キャラクターにムルヴァ。
新・暗黒竜と光の剣・新・紋章の謎・新・アカネイア戦記
両作品は「暗黒竜と光の剣」と「紋章の謎」のリメイク作であるが、マムクートの性能、竜石の特徴は2作とも「封印の剣」と同様である。
リメイク作であり、ストーリーや登場するキャラクターに大幅な変化はない。ただ、支援会話などでバヌトゥがマムクートを自称するセリフがあり、マムクートが蔑称という設定はなくなった。
「新・暗黒竜と光の剣」ではチキが戦死していた場合、外伝より新キャラクターとして、ナギという女性マムクートが登場する。アカネイア大陸とは異なる次元に存在する閉ざされた空間にある塔で眠りについていたが、マルスたちの助けを呼ぶ声により目覚めた。眠っていた前の記憶がなく、彼女の経歴や正体については一切不明。
「新・紋章の謎」では無条件で参入するが、前作と同じく正体は不明のままである。
該当味方キャラクターは両作品ともにバヌトゥ、チキ、チェイニー(コマンド)、ナギ、ガトー(司祭/賢者)
他にナーガ、メディウス、マヌー、ショーゼン、ブルザーク、サラマンダー、モーゼス、ゼムセル。
覚醒
マムクートの性能、竜石の特徴は「封印の剣」と同様であるが、竜石は2ランク存在する。
本作は暗黒竜・紋章から遠い未来の世界であることが示唆されており、マルスが英雄王として語り継がれている。「1000歳とちょっと」という比較的若いマムクート・ノノが登場する他、暗黒竜・紋章にも登場したチキが成長した姿で登場する。また、終盤のイベントでナーガが登場し、バヌトゥとガトーも名前のみ登場する。
マイユニット(ルフレ)の結婚相手がこの3人のいずれかだった場合、マークもマムクートとなる。
一方で敵としては珍しくマムクートのユニットが登場しない。また、男性のマムクートも登場しない。
また、マムクート周りの設定は新紋章を引き継ぎ、マムクートが蔑称という設定はなくなった。(あるいは時代が進んだことにより、正式な種族名として選ばれた。)
今作ではチェンジプルフを用いて職業を変えることが出来、マムクートのキャラクターもチェンジプルフで他の職業になれるが、竜属性は維持される為、敵のドラゴンキラー、聖書ナーガには気をつけたい(後者は通常プレイでは登場しないが異伝などで登場するため、案外油断すると危険かもしれない)。
今作ではさり気なく射程2であり、竜石も購入可能であるので使い勝手は良い。パラメータ上限も高いので終盤でも十分主力となりうる。
Echoes
外伝では「神」と表記されていたドーマとミラが神竜族であると明言された。ミラの人間姿も登場する。
設定資料集のバレンシアアコーディオンによると、もとは彼らはアカネイア大陸に住みナーガに仕える神竜族で、それぞれ王の盾、王の杯と呼ばれていた。だが、力をつける人間を恐れたドーマが人の住むテーベを滅ぼしたことでナーガと対立。ミラもドーマに味方し戦った結果敗北し、アカネイア大陸から追放されバレンシア大陸にたどり着いたという。
また、バレンシアに存在するファルシオンはその戦いの際に折れたナーガの牙から作られたもので、ドーマとミラが竜の定めにより理性を失い狂ってしまったときのために、自らを殺せるようにナーガが彼らに与えたものである。
ヒーローズ
複数作品から登場するため共通した設定はないが、もちろん登場。
他のユニットの属性が武器種毎に分かれているのに対してマムクートは全色に割り振られている。
変身に制限はなく他のユニットと同様に扱われ、人間時の姿だけでなく変身時の姿も原作に近いものが個別に用意されている。
また、竜石ではなくブレスのほうが武器として扱われており例外的にユニットの属性が異なっても継承することができる。ブレスは射程1の魔法攻撃として扱われるため、近接して魔法攻撃を使う重装甲の魔導士というこれまでのFEにはいなかった役割のユニットとなっている。
竜石の設定との兼ね合いて、変身後の姿は固有でブレスだけ換装できるというのは実は初めてで、雷や水など今作が初登場となるブレスも存在する。
HPや守備力に優れており他の近接系ユニットより一回り高いステータスを持つが、ファルシオンを初めとする歴代の竜特効武器も大集合しているため油断ならない。
類似キャラ・種族
聖戦の系譜
マムクートの呼称は登場しないが、かつて13の竜と血の盟約を結び、その力を手に入れた人間たちの子孫が多数登場。なお、「光神ナーガは幼い少女 火神サラマンドは老人」に姿を変えて降臨したという。
また、自軍ユニットとしては登場しないが、第二部で裏方役として活躍しているレヴィンは竜族の青年フォルセティが誓約(ゲッシュ)によって蘇らせた彼の一部を借りているものとされる。
蒼炎の軌跡・暁の女神
ラグズの竜鱗族という似たような種族が登場するが、その戦い方や特徴はマムクートとは異なっている。
if
クラスとしての扱いこそマムクートではないものの、主人公(カムイ)は神祖竜の血を色濃く受け継いでおり、母親の死をきっかけに力が覚醒、アクアから譲り受けた竜石でその力を制御することになる。
竜石が使えるのは主人公とその子供のカンナ、親によっては登場するカンナの兄弟の最大3人。
風花雪月
「女神の眷属」ことナバテアの民が登場。前者の呼称はゴーレムなども含まれ、本編中は獣とも呼ばれる。ニンドリ2020年5月号によると、ネメシスが蜂起する前は竜として、また神としてフォドラ各地を治めていたという。クリア特典では神祖を除いて紋章に対応する21の竜を確認できる。人としての姿は緑髪翠眼に尖った耳が特徴。
その血を受けた人間は紋章が宿り、後年不老になった者もいるが、適合しなかった者は正気を失うことが示唆されている。
ちなみに「遥か昔にとある盗賊によって大虐殺され、そのことが種族の長に癒えない心の傷を残した」という「暗黒竜と光の剣」を彷彿とさせる設定がある。
エンゲージ
メインキャラクターの一部が神竜族、もしくは邪竜族に属している。主人公であるリュールは神竜族の王ルミエルの息子。
神竜族と邪竜族は紋章士を指輪・腕輪から顕現する能力を持ち、人間や魔竜族とは異なる選ばれし存在というような描写がされている。
本作では血筋が重要な要素であり、出自が謎の人物の正体が明かされる、あるいは既に明かされている出自が誤解であるといった出来事によって展開が動くことが多い。そのため竜族は多く出ているものの中には何族であるか明記すること自体がネタバレという者もいる。
ゆえに直後の記述では誰が何族かという記述を省いた。
紋章士を顕現する能力の持ち主は、リュールとルミエル以外だとヴェイル、邪竜ソンブル、登場しないがソンブルの御子たちが該当。
DLCの邪竜の章ではソンブルの御子のうちエル、イルが登場。エルとイルはマムクートと同様に竜石で竜の姿になる。
ちなみに、神竜族と邪竜族は全く別の種族であるはずなのだが、なぜか全員名前が「ル」で終わる様になっている。
なお、前述の通り魔竜族という種族もおり、セピアが該当。
邪竜族と関わりの深い種族だが、邪竜族と違って紋章士を顕現する力は持たない。
関連イラスト
関連タグ
暗黒竜と光の剣 紋章の謎 アカネイア戦記 封印の剣 烈火の剣 聖魔の光石 覚醒
六竜:他作品における類似種族。彼らの場合は外界との関与具合で人の姿がどれだけ正確かが分かるだけでなく、1体は彼が人に化けるのはプライドが許さないという事で、その選択として猫に化けた。
関連キャラ
※がついているのは親次第でマムクートの血を引く人物、太字はハーフやクォーター
ナーガ メディウス マヌー ショーゼン ブルザーク サラマンダー モーゼス ゼムセル