概要
先天的に体組織全体の本来あるべきメラニン色素がない、あるいは足りない症状のこと。また、その症状を持つ生物のこと。日本語では白子(しらこ、しろこ)と呼ばれていた。
先天的に皮膚等の一部のメラニン色素が欠けているのは「白斑」。
植物の場合、光合成色素がない症状を指す。成長しても種子等の栄養を使い尽くした時点で自分で養分を作り出せず枯死する。
動物の場合、メラニンが全くなくなると目が赤い(虹彩の色素が無いので、眼底の血管の赤い色が透けて見えるため)のが特徴。具体的には、ジャパニーズホワイト(うさぎの品種)や、岩国の白蛇(アオダイショウ)等が当てはまる。
目にメラニンが足りないと、視力が弱り、強い光が苦手となるため、ペットショップなどに売られている個体は目を閉じている事が多い。
これらは色素の欠乏により視覚に高い確率で障害を発症し、紫外線から皮膚を守る力が弱い。また外敵に発見されやすいため生存が難しいといわれる。だが、コリドラスのアルビノのように飼育する上で通常の個体より丈夫だとされているものもある。
これらの個体を指して白化個体とも呼び、毛・皮膚等が白くなった白変種(白猫、ホワイトライオン等)とは区別される。遺伝子疾患に起因するこれらの症状は先天性白皮症・先天性色素欠乏症・白子症等と呼ばれる。
完全にメラニンが無くならない場合では、黄色〜オレンジ、紫がかるものが多い。
人のアルビノ
人の場合は医学的に先天性白皮症と呼ばれ、メラニンが完全にない場合は赤目になるが、微量のメラニン生成能力が残っている場合、虹彩にメラニンがわずかに存在するため、目は淡い青になる。
その名の通り肌が異常なほど白く、特にメラニン生成能力を全く欠くタイプの場合は血液がうっすらと透けてピンク色となる。髪も銀髪や白髪等の淡色になる。
メラニンは紫外線から肌や目を守る役割を持つため、その機能が乏しいアルビノは紫外線による皮膚病や眼病に罹りやすい。また、それ故に皮膚癌のリスクも健常者より高いと言われている。
網膜上での光の受容が不十分で、視力が弱く、眼球振盪・斜視・乱視・近視・遠視を伴うこともある。なお、近視・遠視・乱視等は眼鏡やコンタクトレンズの着用により矯正が可能である。
アルビノの人権問題
サハラ以南のアフリカでは、アルビノは「不老長寿の薬になる」、「災厄を払いのけ、富と権力をもたらす」といった俗説によってまじないや儀式、薬等の材料として人身売買の対象にされていることが多く、子供の誘拐や遺体の盗掘等が深刻な問題となっている。他にも「色素が薄いのは悪魔が取り憑いたから」という根も葉もない理由で差別やいじめを受けている者もいる。
特に人事売買にはアルビノを持つ家族の親類や友人が関わっている場合が多く、隔離のために学校に通えず、文字の読み書きが満足に出来ない教育不足や戸籍そのものを持っていないといった問題も挙がっている。
余談
現在の医療では治療が不可能な「不治の病」(正確には突然変異なので病気とはやや異なるが)である。
モンスターハンターシリーズに登場するモンスター:フルフルおよびその近縁種であるギギネブラから入手できる一部素材の名前に「アルビノ」とあるが、フルフルやギギネブラの体の色が白いのはアルビノとは異なる。(詳細はフルフルの項目参照)
逆にメラニンが大量に作られるメラニズムという症状もある。
また、国連が6月13日を「国際アルビニズム啓発デー」に制定している。
ついでに
pixivで描かれた場合、赤眼が圧倒的に多い。
関連イラスト
関連タグ
清寧天皇-第22代天皇。諡名の「白髪武広国押稚日本根子天皇(しらかのたけひろくにおしわかやまとねこのすめらみこと)」が指す通り、アルビノであったとされている。
サリフ・ケイタ - アルビノのミュージシャン
外部リンク
- アルビノ - Wikipedia
- アルビノ - ニコニコ大百科
- 【白いあなたが神秘的】アルビノ特集 - pixivision(2014年10月24日)
- 雪のような肌と髪が神秘的♡アルビノを描いたイラスト特集 - pixivision(2017年1月4日)
- 白く儚いあの子♡アルビノのイラスト特集 - pixivision(2018年8月14日)