マンション、アパートなどの集合住宅や、貸しビルなどでその物件の本体や共有スペースで前の居住者や使用者が死亡している物件のこと。
主に殺人、自殺、火災どの刑事事件に該当しうる事柄や事故が原因で居住者がその物件内で死亡したものを特に事故物件と呼ぶ。
俗にいう心理的瑕疵(精神的にキツい)に当てはまるが、この心理的瑕疵という言葉は近隣に暴力団事務所がある、或いは暴力団関係者が居住している、騒音が酷いなども該当するので注意が必要である。なお事件が特に発生していないに関わらず、幽霊が出るなどの心霊現象が原因で住人の定着率が極端に悪いなどの場合でも含まれる事がある。
宅地建物取引業法に定められた重要事項説明においてはシロアリ被害や雨漏り、地震や地滑り被害などの物件そのものの物理的瑕疵などに並んで告知すべき事項とされている。さらに、建て替えや更地にしても告知を怠ってはならないと規定されているが、その遡及(さかのぼり)期間に明確な規定は存在しない。
仮に遡及期間が無条件だった場合坂本龍馬の殺された近江屋跡地などの何らかの歴史的事件が発生した場所も事故物件となってしまうし、原爆で壊滅した広島市に至っては都市全体が事故物件として扱われかねない(一般的には戦災被災地は事故物件に含まないのが慣例である)。