新体操
しんたいそう
概要
女子と男子の両方の種目があるが、ここでは主に女子について記述する。
女子体操競技のアクロバット化が強まる流れに対し、女性らしい優雅さと柔軟性を重視する体操競技として誕生した。
個人競技と団体競技がある。
個人競技は1984年のロサンゼルスオリンピック、団体競技は1996年のアトランタオリンピックからそれぞれ五輪の正式種目になっている。
種類に関して言うと、大勢で踊る「集団演技」、競技になると5人で踊る「団体」、一人で踊る「個人」がある。
個人では華麗な演技が、団体では手具の一斉交換など大胆な演技が見物となる。
同じく芸術性を競うバレエやダンスパフォーマンスとは異なり下記の手具を使用する。
手具
種目 | 漢字 | 演技・特徴 | |
---|---|---|---|
ロープ | 縄 | 縄跳びのように飛ぶ、体に巻いたまま演技する、あやとりのように使うなど様々な演技がある。 | |
フープ | 輪 | バックスピンをかけ床に転がして戻ってきたのをキャッチ、体の上で転がす、ジャンプしてくぐるなど、様々な演技がある。 | |
ボール | 球 | 腕や背中の上を転がし、技術や女性美をアピールするだけでなく、投げて背面キャッチするなど大胆且つ高難度な技がある。 | |
クラブ | 棍棒 | 2本セットで使用する。空中に投げて床で回転した後受け取る技では、受け損ねて顔にぶつけ歯を折るなどの怪我も多い。 | |
リボン | 帯状布 | 新体操というとこれをイメージする人も多い。棒の先にリボンが付いており、勢いよく動かしてらせんや蛇形など様々な形を表現する。勢いがなく床に垂れたり、体に巻き付くと減点となる。 |
ルール
個人演技 5種目の手具の内、その年度から選ばれた4種目を1人の選手が行い、演技時間は1種目につき1分15秒~1分30秒以内に行う。
団体演技 1チーム5人の構成で、全員一斉に演技し、その統一性も採点の対象になる。全員が一種類の手具を持つ場合と、二種類の手具を持つ場合がある。演技時間は1種目につき、2分15秒〜2分30秒以内に行う。
新体操の採点方法は、個人競技と団体競技で少し配点が異なるが、どちらも構成点の中は、技術的価値と芸術的価値に分けられている。技術だけ磨いても、音楽性や振り付けをおろそかにすると、高い得点には結びつかないということである。なお採点方法は頻繁に変わるので、年度ごと、大会ごとに確認する事をお忘れなく。
衣装
レオタードが主流である。この他、腕全体や足首までカバーする「オールタイツ」(→全身タイツを参照)と呼ばれるものや、レオタードにミニスカートを組み合わせたものもある。
派手さもアピールの要素となるため、衣装や手具もカラフルなものが多い。最近ではメタリックな光沢のある素材が使われている。
種具との一体感や統一感を演出するため、衣装と手具の色やデザインを合わせることもある。
男子新体操
新体操は女子が演じる競技のイメージが強いが、日本発祥で男子新体操も存在する。
女子よりアクロバット的要素が強い。リボンはなく、男子限定手具でスティック(棒)がある。
過去に日本で行われた国際競技会で、エキシビションとして大学のチームが演技を披露し、外国選手が目を丸くする光景が見られた。
TVCMやTVドラマも作成されている。
何故か男子に限り、騒々しい応援をしてもいいというムードの文化もあるようである。
但し女子に比べれば競技人口の少なさから状況は恵まれておらず、国体種目からも外されてしまった。同じ理由でオリンピック正式種目への採用にも至っていない。
このため青森大学や鹿児島実業高校などが積極的にプロモーション活動を行っている。
中でも鹿児島実業高校のアニメソングやCMソングを取り入れたパフォーマンスは話題となっている。