概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第四部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する虹村億泰のスタンド。
名前の由来は「The Band」というロックグループから。
能力
ザ・ハンド(手)
【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
右手で触れた物を何でもガオンっと削り取る事が出来る。削り取られた切断面は、元通りだったようにぴったりと閉じる。
射程距離やスピードは大したことはないが、作中でも「恐るべき能力」と称されるのが、「右手でつかんだ物を何でも削りとる」というもの。如何なる防御や頑丈さも無視してダメージを与えられるため、非常に強力。爆発性のある危険物でさえ「触れずに削り取る(消し去る)」ため、全く無効化できる。
空振りしてもそこにある空間すら削り取る。削り取られた切断面が瞬時に元に戻ることを利用して、自分もしくは物体を瞬間移動させるという応用技もある。ラストバトルでは対象だけを瞬間移動させるという芸当を見せた。
ただし、迂闊に空間を削ってしまうと目標以外のあらぬ物体をも引き寄せて、墓穴を掘ってしまう場合もある。億泰と仗助との初対戦時には、まだ能力を使いこなせていなかったのか、盛大に自爆してバカ呼ばわりされてしまう。もっとも、ストーリーが進むにつれて応用も上達していったのだが。
削り取られたものは「もともと無かった」こととして扱われるため、仗助のクレイジー・ダイヤモンドでも修復できない。ちなみに削り取られたものがどこに行くかは、億泰本人にもわからないという。
乙一の『The Book』では、「【ザ・ハンド】の右手のひらが削っていたのは物体ではない」と考察されている。「人間が知覚することの困難な、もっと哲学的なもの」「言葉にするなら、それは宇宙そのもの」「真空状態が生じることさえゆるさない、絶対的な【削除】」「パソコンのバックスペースキーをおしたときみたいに、削ったところにむかって宇宙がしわ寄せするのだろう」…とのこと。
スタンド評価のパワーはB。空間を削る特殊能力ではなく、スタンドヴィジョンの格闘能力への評価と思われる。空間を削りとる能力のぶん、直接ブン殴るのには向いてないのかもしれない。Bでも十二分なのだが。
ヴァニラ・アイスの「クリーム」との相違
「空間を削り取るスタンド」として同列に語られるのが、ヴァニラ・アイスのクリームである。
第3部の後半で登場時期が近かったこと、消し去る時の効果音が同じ(ガオン)ことから、「ザ・ハンドはクリームと同じタイプのスタンド?」とよく言われるが、違いをここに挙げる。
- クリームの口は「暗黒空間」に繋がっており、スタンド体および本体は空間内でも削られることなく隠れることができるが、障害物を飲み込みながらでなければ移動できない。ザ・ハンドの右手には削り取る能力があるが、重ちーを追跡中に右手でクレイジーダイヤモンドを引っ張り上げているので、つかんだ物を削り取るかどうかは任意。
- クリームは「暗黒空間に飲み込む」能力で、ザ・ハンドは「空間自体を削り取る」能力。クリームが削り取ることができるのは物質に限られ、空間ごと削る訳では無い。そのため、削ったら削ったように周囲の地形などに跡が残り、そしてそれより外の空間に影響を及ぼす事はない。ザ・ハンドは空間ごと削り取るため、削り取られた場所は空間そのものが存在しない状態になり、周囲の空間がその穴を埋めるべく引き寄せられる。
- …はずなのだが、割とよくザ・ハンドの削った跡が周囲の空間を引き寄せずそのまま残っている描写も存在する。結局どっちなんだ。
関連タグ
ヴァニラ・アイス:同じく空間を削り取るスタンド使い