コボルド
こぼるど
外見的イメージ
ほとんどの場合“犬の顔に人間の体”という描写をされる。これは最古のTRPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のルールブック中で「小柄で犬に似た頭部を持つ人型生物」と設定されていたため。MOB絵:コボルドby毒屋群青
犬顔である事から通常は豊かな体毛を持つように描写されるが、一部のゲームでは体毛の代わりに鱗を持つように描写される事もある。
もっとも、鱗を持つコボルドの描写は最近では非常に稀になっている。
妖精としてのコボルド
元はドイツ地域での民間伝承に登場する妖精の一種。
ドイツ語、英語表記共に“Kobold”と書くが、英語に翻訳される時にはしばしば“ゴブリン(Goblin)”と表記される事もある。おとぎ話や童話などで語られる「悪戯をする妖精」を指すが、前述の「ゴブリン」と明確には区別出来ない場合も多い。
森などに住んでいるとされるが、伝承によっては地下に住むと考えられている場合もある。そのため地域によっては山や大地の守り神と信じられている。その性格なども地下や、大地、岩石、鉱物といった物に関連付けされる事も多い。
また原子番号27の「金属元素コバルト(Co/Cobalt)」の名称は、この妖精コボルトに由来する。これは地下鉱脈などで掘り起こされるコバルト鉱物は大変硬く、通常の鉄製の工具などでは冶金加工が非常に困難なため、中世16世紀頃のドイツの工夫たちの間では「地下の妖精(コボルト)が人間を困らせるために魔法をかけた石」と信じられていた事に由来する。
中世になると、日本の座敷童子のように、住み着いた家に幸運を齎す精霊のひとつとされるようになった。但しこうした屋敷霊としてのコボルドはタブーに対して厳格であり、人間がタブーを破ると一方的に関係を絶ってしまう。こうした説話では、絶たれた人間の側は運気が低迷して没落するのが一般的である。
ファンタジー内でのコボルド
長らく悪役としての役所がほとんどであったが近年、その“犬の顔”と言う特徴から「犬のように人間の良き隣人」という性格付けが生まれてきている。これは一種の「ケモノッ子」や「獣人化」であり、単純にコボルドの外見的特徴のみに焦点を当てたものとも言える。
主に『ウィザードリィ』に影響を受けて作られたRPGに見られる傾向であり、同様に架空の種族である「オーク」や「トロール」などにも見られる解釈の変化である。また、『ソード・ワールド2.0』のコボルドは、基本的には「人類の敵」だが、一般的な柴犬タイプに限らず様々な犬種をモチーフにしている。
『SW2.0』のコボルドは下っ端蛮族であるものの、ゴブリンやレッドキャップやグレムリン等とは違い上位蛮族からの虐待を逃れるため、人族の勢力圏へ逃亡し居着く(場合によっては人族勢力に寝返る)ことがよくある。そこに目を付けたGMによりコボルドのニンジャが誕生した。