1760年代から1830年代のイギリスで起った工業化。市民革命とともに近代の幕開けを告げる出来事とされる。「革命」という語感に反して70年もの長い期間にわたって進行した。
蒸気機関の発明、紡績機・織機による衣料生産の機械化により生産性が加速度的に向上。食料生産の増加によって人口が急増し、蒸気船と蒸気機関車の普及により、流通と人の行き来の広域化が進んだ。
産業革命によって、近世から徐々に進行していた帝国主義と資本主義が本格的に展開しはじめ、人類社会と地球環境に後戻りできない大きな変化をもたらした。
かつてはドイツ・フランス・日本など他の国の工業化もこの名で呼ばれたが、現代では人類初の工業化であるイギリスの工業化のみが産業革命と呼ばれる。
当時の大英帝国は栄華の絶頂期であったが、その一方で貧富の差が拡大し、児童の強制労働など雇用体系のブラック化をもたらした。
また「イギリス料理=まずい」というイメージが定着した原因の一つが産業革命である。都会へ働きに出た人々が忙しさから料理を手抜きするようになり、さら地方の過疎化が進んで伝統料理が失われたのである。逆に同時期のドイツでは蒸気機関の普及によって食材の輸送コストが減り、食生活は大幅に改善された。