概要
飛行機や宇宙船などの古典的なコックピットは、操縦席の前に大量の計器類が並び、正面には操縦桿やスロットルが鎮座、おびただしいランプやスイッチ類が並ぶ操作パネルに取り囲まれ、狭苦しい印象を与えるものだった。→松本メーター
1980年代、デジタル化の波はまずこのコックピットに押し寄せ、多くのアナログ計器類が並ぶごちゃごちゃした眺めはディスプレイがずらりと並ぶ姿に変貌を遂げた(グラスコックピット)。エアバス機はグラスコックピット化の際操縦桿を廃止しサイドスティックに集約している、さらに近年のグラスコックピットはタッチパネルを取り入れており使用頻度の低いスイッチはコックピットから姿を消した。操縦時によく使うスイッチ類は操縦桿やサイドスティックに取り付けられており、何枚もあったディスプレイは大きなメインディスプレイにまとめられ、フロントガラスにはHUDを設置して随時情報を表示するなど、非常にすっきりとした外観となっている。
かつては乗客の希望で飛行中のコックピット内を見学することが出来たが、2001年のアメリカ同時多発テロ以後コックピットのセキュリティ強化でコックピット内の見学はほぼ不可能になった。なおブリティッシュ・エアウェイズなどでは地上駐機中に限って見学を受け付けていることもある。
語源
英語で「cock」は「にわとり」、「pit」は「囲い」を意味する。元々、「cockpit」とは囲いのある闘鶏場を指していた。 そこから、小さな戦場や古戦場を表すようになり、第一次世界大戦中に飛行機の操縦席を指すようになった。