※この項目そのものがネタバレを多分に含みます。自己責任の上でご覧ください。
「だが、我らの胸の内には、蒼白の炎が燃え続けている」
「明星のように輝くファトゥスたちは」
「我らの進むべき道を導いてくれるのだ」
「我らと暗き地に歩もうとする者よ、共に新たな世界を創造しよう」
「すべての破滅は、新たな秩序の始まりである」
「滅亡の果てに、無垢の夜明けが待っているのだ」
—— 冬極の白星
概要
表向きは外交組織だが、その実態はスネージナヤの軍事侵略組織。それを指揮する11人の最高幹部で、同国における最高戦力。
組織そのものを擁立する「氷の女皇」自身は含まれず、漢字の「執行官」にファトゥスというルビが振られる。
メンバーの出自・年齢・身分・加入時期などのバックボーンはバラバラだが、全員が女皇に見出されるに相応しい、各々の分野で常人を遥かに超える能力と、ファデュイとしての汚れ仕事を躊躇なく遂行できる冷酷さを併せ持っている。
メンバー同士は一応対等な立場で権力に差はないが、順位を示す「階位」が存在し、実力主義で順位が決まる。また、それぞれの役割や得意分野にも差異がある。
その立場故、各章のボスを務める者が殆どだが、一部は同時に(あるいは遅れて)プレイアブル化もされている。総じて経緯は複雑なため、情報は個々人の記事を参照。
一覧
本編登場済メンバー
※階位ではなく登場順に記載。
最初に登場した執行官で、ドレスを纏った妖艶な女性。
氷の様な冷酷さの裏に、炎の様な激情を秘める。
新参の執行官で、明るくも剣呑な雰囲気の青年。
戦いを求めての単独行動を好む、組織内の変わり者。
イベント「帰らぬ煌星」で先行登場した執行官で、侮蔑的な言動が目立つ美少年。
和風な容貌に違わず、稲妻とは浅からぬ縁がある。
前日談漫画で先行登場した執行官。
非人道的な手段の元、様々な旧時代の秘奥・禁忌を研究するマッドサイエンティスト。
独特な瞳や殺伐とした博愛精神を持つ銀髪女性。組織が運営する孤児院の経営者。
軍を指揮する立場にある、仮面と甲冑で全身を隠した男性。組織内での人望が厚い。
本編未登場メンバー
※全員が本編に登場するのかは不明。ただし「雄鶏」はスネージナヤの章で予告されている事から、ほぼ確実に登場すると思われる。
「原神」チャプターPVで仄めかされた執行官。
国内街の市長をしている小柄な長鼻の老人で、組織内では古株らしい。
PV「冬夜の戯劇」で初登場。
仮面で顔の半分を隠す厳かな壮年男性。正確には執行官ではなく、統括官と呼ばれし執行官を含むファデュイ全体を取り仕切る最古参のリーダー格。
PV「冬夜の戯劇」で初登場。
長い黒髪を持った可憐な少女。柔和な微笑みは底知れぬ何かを抱かせる。
PV「冬夜の戯劇」で初登場。
眼鏡を掛けた慇懃無礼な男性。テイワット有数の資産家であり、北国銀行の総取締役。
PV「冬夜の戯劇」で初登場。
遺跡守衛じみた大柄な機械を従える、小柄で物鬱げな女性。
表欄
※各記事に重要なネタバレが含まれるため閲覧注意。
階位 | 各異名 | コードネーム⠀ ⠀ | ボス戦 | 備考 |
---|---|---|---|---|
統括官 | 「道化」 | ピエロ | - | 厳密にはファトゥスより上位の立場 |
第一位 | 「隊長」 | カピターノ | - | |
第二位 | 「博士」 | ドットーレ | - | |
第三位 | 「少女」 | コロンビーナ | - | |
第四位 | 「召使」 | アルレッキーノ | 有 | Ver.4.6よりプレイアブル |
第五位 | 「雄鶏」 | プルチネッラ | - | |
第六位 | 「散兵」 | スカラマシュ | 有 | Ver3.3よりプレイアブル、魔神任務間章にて脱退 |
第七位 | 「傀儡」 | サンドローネ | - | |
第八位 | 「淑女」 | シニョーラ | 有 | 魔神任務第二章にて殉職 |
第九位 | 「富者」 | パンタローネ | - | |
第十位 | - | |||
第十一位 | 「公子」 | タルタリヤ | 有 | Ver.1.1よりプレイアブル |
※第八位は「淑女」の死亡により空席となった。
※第六位はある任務の結果として「散兵」の席が抹消され、数百年空席だったことになる。
※第一位は5.0予告番組にて判明(Ver.5.0「栄華と炎天の途」予告番組[52:00])
余談
組織名について
- Fatuus(ファトゥス)はFatui(ファデュイ)の単数形であり、ラテン語で「愚者」を意味する。ちなみに11人の執行官をファトゥスと呼ぶのは日本語ローカライズ独自の設定で、他の言語版における「Fatuus」は単にファデュイ隊員の単数形の呼び名として使われており、特定の階級を指すものではない。ちなみに原語版では単に「執行官」、英語版では「Harbingers(先駆者)」と表記されている。
コードネームについて
- 彼らの名前は所謂コードネームであり、本名はそれぞれ別にある。元ネタは、中世ヨーロッパで流行した仮面を使った即興喜劇「コンメディア・デッラルテ」の配役から。
- 検索時はモチーフを同じくする「からくりサーカス」の重要キャラクター達とだだ被りするため注意が必要。
- 劇中では基本的に漢字二文字の異名の方で呼ばれる。テキスト上の例では「公子」に"タルタリヤ"とルビが振られる形で表示されるが、「淑女」の様にルビが無い場合もあり一貫していない。
- 字幕ではタルタリヤ、スカラマシュ、淑女、博士、道化と表示される。現時点ではプレイアブルが確定しているキャラクターのみがカタカナ表記となっている。
- あくまで漢字表記で呼ぶのは外部向けで、関係者や一部の要人はカタカナで呼ぶ。また公子は旅人にタルタリヤと呼んで欲しいと言っており(基本旅人はガン無視で公子呼びだが)プレイアブル名もタルタリヤである。
- 英語訳版での異名は基本的に日本語版と同義だが、散兵のみBalladeer(バラード歌手)と意味合いが大きく異なるものになっている。なお日本語版における異名は基本的に原語版と同じ。
- 名前は女皇がファトゥス就任時につけており、ファトゥスを辞める(死亡含む)まで基本的にその名を名乗る。
- コードネームは研究者の「博士」、北国銀行の「富者」、ロボットを作る「傀儡」など、比較的文字通りの役割となるファトゥスが多い。
- ただし「道化」は自身が道化(ピエロ)となることを表して自ら名乗っている。
構成について
- 昔からの習わしなのか、定員は11人と決まっており、執行官の討死や離反によって席が一時空白になる事もある模様。また女皇への謁見や重要な会議で本国へ招集される場合、全員共通でファデュイの紋章が刻まれた白銀の大礼服を身に着ける。
- 職務上、執行官全員が集まる機会自体は殆どなく、互いの事を碌に知らない関係性も存在する。任務後に祝賀会をやる事もあるそうだが、表面上こそ盃を交わすも嫌いな任務を押し付けあったりしているらしい。
- この手の組織の幹部は足を引っ張りあったりと仲が悪いというのがお約束で、実際互いへの嫌味や皮肉も絶えないが、ドライでビジネスライクな関係という認識は全員で共通しており、露骨な妨害や侵犯を行う程では無いという妙なリアルさを持つ。
- 「公子」が「淑女」に「散兵」が「博士」に利用されたり、「召使」は利益のためなら女皇にさえ刃を向ける可能性があるなど、任務や目的に必要な場合は手段を選ばず、皆その点は承知している。
- 元より侵略組織である上、執行官に選ばれる面子は個人主義が多い事もあり、離反者と追手の争いも度々起こっていた事が仄めかされている。
- 互いにドライな関係とは言え執行官の討死に関しては国を挙げて国葬が行われており、実際「淑女」が稲妻城での決闘に敗れ、処刑された際は失踪者を除く執行官全員が本国の招集に応じ黙祷を捧げる等、組織上最低限の仲間意識はある模様。
- 当然一般構成員などは、直属の部下でもない限り執行官と直に会う機会は猶の事少ない、一度その姿を見ただけの者が殆どで、雲の上の存在として羨望や憧れの対象にしている者も多い。
- ただし上司や人間として評価されるかは別であり、実際部下への扱いも各々で大きく異なる。興味本位でパワハラを繰り返す「散兵」に対しては不満・陰口を零す者が多く、「公子」は部下をアテにせず一人で行動しがちで、「隊長」は比較的評判がいいとのこと。
- 執行官同士も「公子」は会話経験すらない「傀儡」には敵視されているが、逆に「雄鶏」とは家族ぐるみの付き合いを持つ。悪評を鵜呑みにしていた「召使」に対しても、一度本人と本格的に話してからは印象を改め気の合う同僚になる等、個々人の気質次第だがマイナスに終始する関係とは限らない。
- 一般構成員もそうだが、実力や意志が伴えばスネージナヤ出身である必要はなく、出生や育ちも問われない。例えば「公子」はスネージナヤ人だが、「淑女」はモンド出身、「散兵」は稲妻出身、「富者」は璃月出身、等々。
目的について
- 執行官の行動理念は個人的な目的が含まれることも少なくなく、結果として利益を上げていれば問題ない模様。彼らの行動理念は過去と関係している場合もある。
- 「淑女」は己の過去に由来する基準から、風神を蔑み雷神を馬鹿にする一方、岩神は高く評価していた。
- 「公子」は戦闘欲から直接戦いに出向き問題になりがちだが、その問題さえも武力で解決している。
- 「散兵」は昔ある復讐のため、ファデュイと共に稲妻の刀工を殆ど滅ぼした。
- 「富者」はファデュイの特権を使い、璃月などとの貿易を確立し多額の資産を得ている。
- 「博士」は思うがままに研究を行うべく、実験材料用の誘拐などを日常的に行わせている。
- 聖遺物「蒼白の炎」シリーズのカバーストーリーは彼らの過去を断片的に描いている。何が誰に対応しているかを考えてみるのも面白いだろう。
- 魔神任務での「淑女」戦では過去を思わせる"蒼白の炎"についてのセリフがあり、「散兵」の過去を語るムービーでは炎が映ったあとファデュイへと加入する描写がある。
就任と忠誠について
- 現在までの例では、皆既にファトゥスであった者の推薦を受けてファデュイに加入している。
- 「公子」は入隊したてな見習いの身で正規軍を1人で倒したため「雄鶏」が正式に加入させた。その後成果を上げて11位の座に就いた。
- ファデュイの紋章が入る聖遺物「蒼白の炎」から、現在の「博士」「淑女」らしき人物が「最初の愚者」(つまり道化)との交渉で女皇に忠誠を誓う描画がある。
- 「散兵」は、「博士」と「道化」による非人道行為の後、その事実を知らぬままファデュイに迎え入れられ、アビス探索での成果を女皇に持ち帰って6位の座と「散兵」の名を手に入れた。
- 先代の「召使」は酷薄な方針で悪名高い女だったが、それに反発し斃したのが現在の「召使」。本来なら処刑される筈の所、女皇の采配により後継者に任命された。
- 最初のファトゥスである「道化」は、かつての身分での失敗から「道化」を名乗り、「陛下」に忠誠を誓い、世界を嘲笑う面を被った。
階位について
- 階位は「実力順」によって決まるとされており、特に第三位以上の執行官は七神に匹敵する実力者と称されている。英語版のボイスでは「強さ順」と、より直接的に表現されている。
- 第二位の「博士」は単独で魔龍を倒すなどの戦績などから純粋な力のみでも第二位につけるレベルと言われており、ファトゥスが実力主義であることを裏付けている。
- 実際第六位までは打倒した旅人も、第四位には武力・戦術共にまるで敵わず掌の上で、向こうの温情が無ければ確実にお陀仏だった。
- さらに第一位の「隊長」は全盛期より実力が衰えているにもかかわらず、炎神にタイマンで勝負を挑み互角の力を見せつける等、上位の者達がいかに化け物揃いであるかが窺える。
- 執行官は氷の女皇から最大出力の邪眼を授かっているが、これまで登場した面子は皆最初からそれに頼ってはおらず、主に自身の力で戦っている。
- 大きな功績を上げ、それを女皇が認めることでファトゥスとなる。席が空いたからといって順位が繰り上がることはなく、その地位に見合う者がいればそこに補充される。
- 仮に実力が上位を超えていても、功績を上げなければ昇格はできず、戦闘の才は評価されている「公子」の出世が絶望視されているのもそれ故。
第10位について
- 「隊長」を最後に全員の階位が判明した結果、「10位」にあたる人物が「冬夜の戯劇」に登場していなかった事が確定した。
- 「10位」に該当する人物がいるのか「空位」なのか、「10位」という数字が何らかが理由で除外されているのか。現時点では不明であるが、仮に該当人物がいた場合「冬夜の戯劇」内で「隊長」が言及した「散兵」とは異なり触れてもいない事から、国葬の場に姿を見せなかったのには何らかの理由があると思われる。
謎のチェス戦とその象徴するもの
- 2022年7月11日にファトゥスの残りメンバー全員を初公開したPV「冬夜の戯劇」が公開された。
- PVの冒頭に、道化がチェス戦をプレイしている様子が描かれている。道化は黒側でプレイしているように見え、盤上には白側にモンドと璃月の「神の心」が置かれている。
- 動画ではよく見えないが、中央の冠を被った駒がクィーンで、隅の冠を被った駒がキングと仮定すると、実はこの対局には驚くべき原型が存在する。かつて1996年に全世界を震撼させた「ディープ・ブルー vs ガルリ・カスパロフ」「AI vs 人間」の伝説の一局である。
- この世紀の対局は、人間を代表するカスパロフ(黒駒)がコンピューター(白駒)に敗れるという衝撃的な結果となり、人工知能の新たな時代の幕開けを象徴する大事件として歴史に刻まれた。
- この対局を公式がわざわざ引用した意味に関しては様々な考察がなされている
- AIが象徴する「革命的な力」(白)を前にファトゥス(黒)が敗北することを予言。
- 神の心を駒として使うファトゥス(白)が、現世界の支配者である天空島(黒)に挑戦してこれに打ち勝つ。
- また、仮に道化が操っていたのが「黒」ではなく「白」だった場合はどうなるのか、という問題も興味深い。
プレイアブルについて
- 現在三名がプレイアブルされる運びとなったが、当然ながら他のキャラクター同様、実際に旅に同行しているわけではなく、週ボスとしても戦える。
楽曲一覧
曲名 | 登場シーン |
---|---|
焚燼の弔辞 | PV「冬夜の戯劇」 |
「淑女」
曲名 | 登場シーン |
---|---|
アリーヴォ デラ シニョーラ※ | 登場カット |
嘆息のまゆ※ | 第一形態 戦闘BGM(週ボス) |
燼滅の舞※ | 第二形態 戦闘BGM(週ボス) |
虚栄心の凋落※ | 死亡ムービー(第二章) |
「公子」
無尽蔵の演劇 | 第一・ニ形態 戦闘BGM(週ボス) |
---|---|
嵐を切り裂く魔鯨※ | 第三形態 戦闘BGM(週ボス) |
アヤックスからの返信 | 実戦紹介 BGM |
「散兵」
浮浪人の魂胆 | 登場カット |
---|---|
花鏡百韻 | ストーリームービー「『神』意」(週ボス) |
六輪一露の狂詩曲※ | 第一形態 戦闘BGM(週ボス) |
三千娑界の御詠歌※ | 第二形態 戦闘BGM(週ボス) |
三千娑界の御詠歌(ライブ演奏版)※ | 上記と同じ曲の別バージョン |
五相常寂 | 変身ムービー(週ボス) |
三時三覚 | ストーリームービー「ブエルの一人目の賢者」(第三章) |
ー空一切空 | 神の心を奪われるムービー(第三章) |
無余灰断 | エピソード「灰燼」BGM |
九徹の先見 | 実戦紹介BGM |
摂理の栄冠 | 神の目獲得シーン(間章) |
「博士」
風変わりな歓迎 | 初登場カット |
---|
「召使」
召仕の続唱※ | 変身カット |
---|---|
名所不明 | ストーリームービー「処刑」(週ボス) |
燭燼の斉唱 ※ | 第一形態 戦闘BGM(週ボス) |
終末の赦祷式※ | 第二形態 戦闘BGM(週ボス) |
名所不明 | エピソード「安らかに眠れ」BGM |
子守唄 | 実戦紹介BGM |
一部楽曲にはラテン語のコーラスがある。本表においては該当曲名の後ろに※を付けている。
- ボス戦や一部の曲には共通のメロディーが含まれている。
- 「無尽蔵の演劇」1:00~
- 「嵐を切り裂く魔鯨」0:14~
- 「燼滅の舞」0:12~
- 「虚栄心の凋落」0:04~
- 「焚燼の弔辞」0:00~
- 「六輪一露の狂詩曲」 1:06~
- 「三千娑界の御詠歌」 0:07~
- 「五相常寂」 0:28~
現状、登場したファトゥスの内4人がボスとして戦えるが、そのメンバー全員が2曲以上の戦闘用の専用BGM持ちと豪華な状態である。しかし、今後全員がそうなるかは不明。