魔神任務第二章第三幕のネタバレが入ります。注意!!
「私は長い夢を見た。」
「夢の中では、私たちが作った純白の世界で、あんたと再会した。」
「ようやく目が覚めた。私はとっくに炎に飲み込まれ、あんたも毒と共に大地へと戻った。」
「しかし、もう問題ないわ。前に進み続けるためには、後ろにあるものをすべて燃やし、彼の言った永遠に純白で汚れのない王国を信じる必要がある。地平線の果て、『陛下』の夢の中、彼に魅せられた『妄念』の中を...」
—— 溶滅の刻
概要
ロザリン・クルーズチカ・ローエファルタとは、ゲーム『原神』のキャラクター。
500年ほど前にモンドで生きており、当時は歌を唄うのが好きな少女だった。
その歌で癒された当時の西風騎士団員「ルースタン」とは親しい関係にあった。
燃え盛る炎の魔女
約500年前に毒龍『ドゥリン』がモンドを襲った災害時、彼女はスメール教令院へ留学していた為、ロザリン自身は被災を免れた。しかし災害により彼女は、大切な人たち、思い出の時間、輝く未来、その全てを失う事となる。
特に、毒龍討伐で帰らぬ人となったルースタンを失った事は大きく、彼女が「炎の魔女」になるきっかけとなる。涙も歌声も枯れた時、少女は命を燃やし、世界を浄化しようと決めた。
彼女はかつて貰った時計を使い、学生時代から学んでいた方法で液体の炎を扱った。世の全ての魔物とそれによる苦痛を焼き尽くすため、自身の血肉を代償に炎元素を操った。
彼女はテイワット各地に行き、魔物を焼き殺し続ける。が、その姿を見た他の人間は彼女を魔女と呼んで遠ざけた。歴史学者でさえその記録を恐れたため、当時の彼女は地脈の記憶だけが覚えている。
「淑女」
長きに渡り炎を使っていた代償か、彼女は自身の身さえも焼き尽くされそうになっていた。
そんな時、最初のファトゥスである「道化」が彼女の元に訪れる。
道化は彼女と交渉し、ロザリンは新たな名と氷の邪眼を授かり、自身の過去と共にその炎を封じ、「淑女」 として、女皇への忠誠の元、共通の目的を達成しようと誓った。
そして「淑女」はファトゥス第8位に上りつめ、淡々と各地で任務をこなしていく執行官となる。
モンドで風神の「神の心」を回収する任務では、よく口が回る風神から神の心を奪い去った。
「口先ばかり...」
稲妻では、同僚である「散兵」や部下と共に現地へと向かい、幕府関係者との交渉役として暗躍。稲妻城にて雷電将軍と交渉をしている最中、旅人が突入して来る。
旅人が来る事自体は想定しており、事前に勘定奉行と結託し入国を妨害していた。そこを突破しても天守閣へは部下でさえ入ることを許されていないため、本来であれば旅人が妨害する事はできなかった。
しかし、旅人は誰も予想していなかった方法—— 「御前試合」を申し込む。
当然「淑女」にとって予想外の事態だったが、雷電将軍が申し出を承認した事により、不本意ながらも旅人との御前試合に身を投じる事となる。
彼女の記憶以上の実力を持った旅人は、「彼女」を封じていた堅氷を砕く。そして「淑女」は蒼白の炎で堅氷を溶かし、本来の姿である『焚尽の灼炎魔女』として、旅人に襲い掛かる。
しかし、本来の力を取り戻しつつあった旅人に、力及ばず敗北。無情にも雷電将軍による粛清の手が迫る中、「淑女」は抵抗の声を上げる。が、将軍は一切耳を貸す事は無かった。結果、魔神でさえ殺せる最強の剣術「無想の一太刀」で斬り裂さかれ死亡。
「救済は...いらない...いらないの...」
死の間際、罪を燃やし尽くした過去と二度と会えなかった人物の顔を思い出し、不死蝶と共に払暁へと飛んでいった。
「しかしあれは暁ではない、親愛なるロザリンよ。あれは、全てを燃やし尽くす火の海だ。」
だが、それでも構わない。彼女は分かっていた、自らがすでに烈火に呑まれていることを。
冬夜の戯劇
彼女の死から約10ヶ月後、旅人がスメールへ向かう少し前に突如「冬夜の戯劇」というムービーが公開された。
これはスネージナヤで開かれた彼女を弔うための葬儀で、「散兵」を除く9名の執行官が収集され参列した。彼らは彼女を「淑女」やシニョーラと呼ばず本名で呼び、特に「雄鶏」「隊長」「召使」「道化」は彼女の犠牲を惜しんだ。
映像では生前彼女が集めた風神・岩神の心がチェス盤に置かれ、雷電将軍を表しているであろう駒が彼女を表しているであろう駒を倒した。
「棺にて長き眠りにつき、厚い堅氷の中に閉ざされようとも、吾輩が約束しよう。ロザリン。」
「貴公の棺が、旧世界の全てとなるだろう。」
全てを思い出した彼女にとって、風が吹かない異郷で葬られることはいい事ではないだろう。だが、彼女がかつて愛した青年もまた、風が吹かない極寒の地で最期を迎えている...
ちなみにこのPVはスメール以降の予告ともなっており、散兵が不参加な理由も(サボりではなく)魔神任務と深く関係する事情がある。
余談
- ローエファルタ(Lohe-falter)はドイツ語で「燃える蝶」の意。
- モンドを襲った災害とは、「黄金」レインドットが造った龍「ドゥリン」が暴走した事。同様の出生を持つアルベドはドゥリンのように自身が暴走することを危惧している。
- なお風神はその危険性を把握しながらも、万が一の時はモンド城の人間に任せると言っている。
- 風神バルバトスが遅れた要因は不明。ただしダインスレイヴが語るウェンティの英語版解説動画では彼らが500年前に会った事が仄めかされているため、少なくとも彼がカーンルイアに居たことは判明している。
- 最後の瞬間のムービーをよく見ると、彼女の死亡エフェクトは通常と異なることがわかる。無想の一太刀が彼女を斬り、雷元素エフェクトが全て消えた後、彼女の肉体が灰となる一瞬だけ炎元素エフェクトが出現する。
- 戦闘不能になると、ヒルチャールなどの魔物は赤黒いエフェクト、プレイアブルキャラクターなどの『魔物では無い者』は青白いエフェクトでフィールドから退場する。ロザリンもまた、魔物と同じ様に赤黒いエフェクトと共に消えていった。そこから転じて、彼女は既に人間では無く、魔物と化した存在であると云う事だろうか。
- 3Dモデルの固有グラフィックを持つキャラクターでは初の死者。悪役とは言え、目の前でキャラクターが殺害されたことは多くのプレイヤーに衝撃を与えた。ただし同社作のゲーム崩壊シリーズでは、メインキャラクターの死亡も珍しくない。
- ファデュイには容赦しない旅人とパイモンも、この時ばかりは多少なりともショックを受けていた模様。
- ゲーム内TCG「七聖召喚」にて、聖遺物「燃え盛る炎の魔女」のカードとして、ロザリンだった頃の描かれたカードが実装。
- シルエットのみあるものの、仮面をつける前の彼女がどんな髪型だったのかが判明した。また、断片的ではあるものの、彼女の台詞であろう文章がフレーバーテキストとして記されている。
- さらにver4.3でキャラカード「淑女」が実装され、同カードが元素爆発を放つかHPが半分未満になるとこちらの形態に覚醒する。