風向きは変わるもの。
いつか、光射す方へと吹いてくる。
これからは、ボクの祝福と共に、もっと自由に生きていこう。
概要
遠い昔に雪を払い、山を切り開くことで流浪の民達にモンドという国を与えたとされる風の神。俗世の七執政の一柱でもある。
人々に知恵と力として特に風を使った生活(風車や飛行法等など)や醸造法等を教え、自らの好む学芸と音楽から数えきれないほどの歌と祭礼を後世に残した。
そしてモンドが繁栄したのを見届けた後に、どこへともなく姿を消した。
メインストーリーでの活躍
風魔龍トワリンと心を通わせたり、風神バルバトスについてやけに詳しいウェンティであったが、風魔龍を操っていたアビス教団を追う中で自身が風神バルバトス本人であることを暗に認めた。
その上で、風魔龍の涙を浄化できる異邦人こと旅人に風魔龍を救う手助けを求めた。
風魔龍トワリンの呪縛を解き彼を救った風神バルバトスであったが、風魔龍に再びモンドを守護するようには命令しなかった。自由を愛する風神バルバトスは自身にすら従って欲しくなかったのである。
「神に命じられた『自由』は、ある意味『不自由』だろう」。そう言って風魔龍に本当の「自由」を与えた風神バルバトスは自身もまた、吟遊詩人・ウェンティとしてテイワットの地に自由を求めて流浪する旅にまた出向くのであった。
その後も各種イベントなどで度々登場。
Ver.1.6のイベントでは自身の神としての知見を頼ってきた旅人たちに快く応じ、自分同様目的地を知る足としてトワリンにライアーで呼びかける形で助力した。
また、マイハウスこと塵歌壺にもこっそり関わっていたらしく、初期配置の家屋の説明文を読むと…?
過去
※公式漫画からの内容
風神バルバトスはモンドの地を去って流浪の旅を送りつつも度々モンドの地に立ち寄っていた。
ある時長い眠りから覚めたバルバトスはモンドに立ち寄るが、その時のモンドは貴族達による圧政が敷かれていた。
そんなモンドでバルバトスは剣闘士のヴァネッサに出会う。一族共々奴隷にされていたヴァネッサであるが、貴族達の無茶苦茶な契約に耐えて自由を手にしようとしており、そんな姿にバルバトスは手を貸すことを決意する。
戦いの末ヴァネッサと民衆は圧政を打倒して自由を手にした。そして英雄ヴァネッサは西風騎士団を設立してモンドを自由の街として守る務めを果たし、神になるため天空の島「セレスティア」へと旅立った。
信条
風神バルバトスは常に自由を第一に考えて、何者にも縛られないことを信条としている。
そのためモンドには王がおらず、統治がなされていない。
だが実際のところそういった点を悪人に利用されてモンドは度々危機に陥っている。
一応大きな災いが起きた際にはバルバトス本人がモンドに現れているようだが、彼自身にモンドを救う気があるのかそして力があるのかはいまいちはっきりとしない。
とは言え厳格な統治を行っている璃月や他国がいいのかといわれると一概には言えないため自由というのもまた一つの統治の形なのかもしれない。
性格
陽気かつ茶目っ気溢れる性格で、バルバトスの悪戯好きな逸話は数多く存在している。そのため根が真面目な岩神モラクスや雷神バアルからは苦言を呈され、バルバトスも前者は「頑固頭のじいさん」呼ばわりし、後者はスイーツに目がないことをちゃんと把握している。
酒が盛んなモンドの神なだけあってかなりの酒好きだが、その見た目からか酒を売ってもらえない事もしばしば。
一方で古い神であることに違いはなく、稀に見せる威厳ある姿は紛れもなく風神である。長く生きている神で普段は市井で暮らしている事もあり、普段の態度とは裏腹にかなり博学で、人間寄りに常識を持っている。
生い立ち(伝説任務・歌仙の章のネタバレ注意)
バルバトスは元々神ではなく風の中の無数の精霊の内の一つに過ぎなかった。
2600年前、風龍廃墟に国が存在していた頃のモンドは竜巻の魔神・デカラビアンによって支配されていた。
巨大な竜巻によって外界と隔絶され、太陽すら見ることは出来ず、人々は鳥が飛ぶ姿すら見る事無く生涯を終えた時代。
そんな時、支配からの解放を望む一人の少年の姿を見たバルバトスは彼に力を貸し、民衆と共に戦った。そして自由を勝ち取ったのである。
ウェンティとしての姿と名はその友達から借りたモノであり、吟遊詩人として竪琴を弾くのも彼譲りである。
元々魔神戦争の中で、風神の座はデカラビアンとアンドリアスが争っていたが、デカラビアンの死後アンドリアスは「ヒトの世を治めるのが七神だが、自分には人類への愛が足りない」と語り、自決して守護霊ボレアスに降格する形で辞退。
こうして風神の座は民と共にデカラビアンを討ち取ったバルバトスが、繰り上がる形で手に入れた。
ウェンティの伝説任務のラストで旅人とパイモンにそのことを話すウェンティだったが、「友達はどうなったんだ?」とパイモンが訊ねると急に歯切れが悪くなる。
その様子に全てを察した旅人はパイモンにお使いを頼むことで話を中断させる。自分を気づかってくれた旅人に、ウェンティは友達が残してくれた歌を聞かせた。
飛べ、飛べ。
飛鳥(とぶとり)のように。
ボクの代わりに世界を見て……
ボクの代わりに高い空へ。
余談
- ウェンティの元素爆発アイコンは『天理の調停者』の瞳に酷似している。
- 酒と詩が有名なモンドの神なだけあり、大の酒好きであり、酒にめっぽう強い。とあるシナリオでは37杯ほど飲んでおり、オーナーをして「尋常じゃない」と言わしめた。
- 陽気でお茶目な性格からは想像し難いが、風神としての歴史は古い。2000年前に魔人戦争を制して即位した最初の七神の一柱のひとりであり、500年前のカーンルイアの戦いの数少ない生き残り。
- 在位2600年も岩神モラクスの6000年に次いで第2位で、他の初代5人はすでにこの世から去り、モラクスも劇中で引退したため、地上に神として残る唯一の最初の七神となってしまった。
- 昔も今も本心はどうあれ「無責任な放蕩者」としての人柄を前面に押し出しているため、守護神としての矜持が強い他の六神(特に古くからの知人である岩神と雷神)からは、経験値には一目置かれつつもイマイチな反応を取られている。
- モラクスの事は「じいさん」呼ばわりしており、性格も正反対。2023年の海灯祭では初めて旅人の前で会話をしており、周囲に正体を隠すために初対面ということにしていたが、わかりやすく嫌味を言い合っている。最も長い付き合い故の腐れ縁のような関係であり、モラクスも本人のいないところではバルバトスを「モンドの友人」と表現している。
- バアルは二代目の雷神ながらも初代が存命の時からバルバトスやモラクスと面識があり、気真面目なバアルはバルバトスと気が合わないと語っている。一方のバルバトスはバアルの事を甘味大好きだとからかっている。
- 原神世界における神の強さは国と信仰の強さによると言われる。それゆえにバルバトスは自由を尊び思想を縛る事をよしとしない(=信仰を得ようとしない)自身の強さを"*七神最弱"とあっさり言い放っている。
- もっとも、信仰が薄いどころか国政ぐるみで全力否定されていた草神や、臆病で自衛する力にも乏しい水神などが後に登場しており、本当の意味での最弱かはやや怪しい。
- 彼の茶目っ気は今に始まったことではないらしく、ここには書ききれないが、歌う詩や残る伝説では大事小事様々なイタズラをやっている。
- 原神最初の七神で、相応に祈願復刻も多いのだが、後に実装された神々(岩・雷・草)と違い、伝説任務第2章が未だに追加されていない。イベント含む出番は多いが、この例外性には重要な意味があるのではないかと囁かれている。
- さらにゲーム中のボイスにおいて、彼だけは七神という立場を持ちながら、全くと言っていいほど天理について言及していない。他の七神が真っ先に世界の核心について触れるような話題であっても、吟遊詩人としてのコメントを貫いている。
- とはいえ他の面々同様、良い感情を持っていないのは明らかで、作中でも天空島の話を振られると苦い顔をして話題を逸らした他、「良いものがなんにも無いから頼まれたって行きたくない(要約)」と零している。
- なお、ゲーム内でも存在するが未だ名前すら出ない天空の島「セレスティア」だが、モンド城にあるバルバトス像には「THE GATEWAY OF CELESTIA(セレスティアの扉)」と刻まれている。
- 今後の旅の過程(アップデート)で天空島セレスティアへ赴くとするならば、前述の通りモンドの風神像はそこへ至るゲートとなる可能性が高いため、またモンドに帰ってくる……「地上の旅」の終着点がモンドとなる可能性は決して低くはない。