此の身こそ、いと尊き存在。
天下を泰平せし者。
臣民に夢を与えると誓いましょう。未来永劫、不変の『永遠』を。
概要
俗世の七執政の一柱にして稲妻を統治する雷の神。雷電将軍とも呼ばれる。女性。
稲妻の民の「神の目」を所有権ごと没収し稲妻城前の千手百目神像にはめ込む「目狩り令」を推し進めている。目狩り令は九条裟羅率いる天領奉行に遂行させており、幕府内外から反発されつつも強行している。
これはこの神が理念とする「永遠」に至るためらしいが、結果として国内では珊瑚宮心海率いる抵抗軍が生まれ、国内情勢は不安定化の一途を辿っている。
そもそも雷の本質は「一瞬」。それを司る雷神が永遠を求めるという矛盾は稲妻国内のそこかしこで様々な形になっているという。
ストーリーにおいて
ストーリでの初登場は魔神任務第二章第二幕。天領奉行に捕縛されたトーマの神の目を直接取り上げようとしたところ、旅人に阻まれる。
神の目なしで元素力を使える「例外」である旅人を「『永遠』の敵」と断定。
「あなたを神像へとはめ込みましょう!」
と聞きようによってはかなりヤバいセリフと共に謎の異空間に旅人を引きずり込み、襲い掛かってくる。
圧倒的な力に完敗し何とか逃亡した旅人だが、将軍は彼/彼女を「目狩り令」の対象とし指名手配。
これにより、今まで登場した七神で初めて明確に敵対することになり、トーマの勧めもあって旅人は成り行きから抵抗軍に身を寄せ、革命の主力を担う事になる。
戦闘時及びその後の注意点
第二章第二幕及び第三幕で戦闘が発生。猛スピードで繰り出す攻撃は回避が難しく、瞬間移動で間合いを取ってこちら側の攻撃を回避してくる。
このように、雷電将軍の攻撃自体も非常に厳しいのだが、最大の問題点として一定以上ダメージを与えると「目狩り令」をスキルとして発動し、旅人以外の全てのキャラの元素スキルと元素爆発を戦闘終了まで使用不能にしてしまう(法器の通常攻撃や弓の重激は使える)。
さらにもう少しダメージを与えると「神罰」を発動させ、強制的に戦闘が終了する。
いわゆる負けイベントだが、上記の通りある程度ダメージを与えないとストーリーが進行せず、わざと負けたりすると普通に全滅してやり直しになってしまう。
決して手を抜かずに、(途中で封じられてしまうが)シールドや回復持ちなど最強の編成で挑み、「目狩り令」発動後は料理などで回復しながらゴリ押ししよう。
また、封じられるのは旅人以外の元素スキルと元素爆発だけなので、例えば甘雨の狙い撃ちなどの特殊能力は例外となるので、そこを突くという手もある。
なお、設定上は神の目を必要としないはずのウェンティと鍾離も「目狩り令」の対象となるので注意(両名ともこの時点で「神の心」を失っているが、設定上は若干威力が低下するも元素力は使えるはず)。
そしてこちらが使うプレイアブルキャラクターとしての雷電将軍自身も目狩り令の対象になっている(ただ使えても雷元素は耐性なので意味はない)。
唯一使える旅人の元素スキルや爆発も、雷元素は耐性を持っているためそもそも効かず、事前に風や岩に切り替えていたとしても上記のように動きが素早く非常に当てにくいので、無理に使わないほうが無難。
イベント後に指名手配されると稲妻城周辺に「見回りの足軽」が配置され、近づこうとすると見つかり、自動的に逃走するようになる。稲妻城の前のワープポイントを使うと左に数歩歩いただけで見つかって逃げる羽目になる。
ただし、見とがめるのは「見回りの足軽」のみ、かつ配置されているのは稲妻城天守と町奉行所の入り口くらいであり、城下町を巡回している兵士や町の外にいる兵士は何故か捕まえようとしない。そのため、町で買い物するのに問題はなく、上記のワープポイントについても、ワープアウト後に左方向に歩かなければ見つかることはない。
また、一部のデイリー任務では城の敷地にいる兵士に話しかける必要があるのだが、要は正門にいる「見回りの足軽」に近づきさえしなければいいので、正面から城に入らずに側面から城壁を乗り越えて侵入したりすることで、城の敷地内を堂々と歩きまわることもでき、目標に会う事ができる。
「見回りの足軽」に見つかって逃げても特にペナルティはないので、安心して(?)指名手配されよう。
第三幕においてもギミックは健在。ただし、後述の展開(ネタバレ注意!)に従って途中で戦闘が強制終了した後は、渦の魔神戦時のように強力なバフが多重にかかる上に、「目狩り令」スキルを使用しないため、圧倒的に戦いやすい。その代わり、外周→中央の順に雷撃を落とす大技が追加され、これを食らうと数秒間硬直させられるため注意。
余談
戦闘のため体の中から雷の刀を取り出すシーンが代表的な立ち絵となっているが、体型の関係上、どう見ても胸の谷間から引き出しているようにしか見えないサービス(?)カットが出来上がっている。
眞(バアル)と影(バアルゼブル)
同章第三幕で、”散兵”スカラマシュの罠から八重神子に助けられた旅人。そこで彼女の口から雷電将軍の真実が明かされた。
雷神バアルは元々双子の魔神であり、先代の雷神に当たる雷電眞(バアル)と現在の雷神である雷電影(バアルゼブル)が存在した。魔神戦争に勝利した彼女たちは稲妻幕府を設立。眞は雷電将軍として、影はその影武者として稲妻を統治してきたという。
しかし、500年前の神々による大きな戦いにおいて眞は命を落とし、以降は影が雷神の座に就くことになる。
それまでも度重なる戦いの中で、稲妻を共に創り上げてきた仲間と己の半身とも言える眞の全てを失ったことで、自らの神性とは相容れぬ不変の「永遠」を強く求めるようになる。
長命による精神の摩耗を防ぐために外界から隔絶された自身の精神世界「一心浄土」にその意識を封じ、稲妻の統治者としての日常業務は自身を改造した自律人形である「雷電将軍」に委ねることにした。上記の旅人が引きずり込まれた空間こそ一心浄土であり、旅人を打ち負かしたのは正確には「雷電将軍」ではなく影だったのだ。
つまり、「雷電将軍」と呼ばれる存在は厳密には3人いることになる。
- 雷電将軍(らいでんしょうぐん)
影が稲妻の統治者としての仕事を任せている、自律人形としての擬似人格。言うなれば外の人。自らを「内なる者の協力者」と表現する。
無感情で威厳に満ちた性格。定められた規則に沿って動くため、杓子定規で融通が利かないことも。永遠の追求という理念のもと作られたため、厳格な規則を変更することは製作者の影でも困難を極める様子。
- 雷電 影(らいでん・えい)
現在の雷神で、先代雷神である眞の双子の妹。元は眞の影武者であり、戦いの苦手な姉とは逆に武芸を極めた武人であり、魔神戦争の時代から自ら戦場に立ち、数多の脅威から稲妻を守り続けてきた。雷神が代替わりしている事は一般的には知られておらず、知っているのは眷属の八重神子と、他の七神や長命な璃月仙人たちくらいである。
現在は精神世界である一心浄土に閉じこもって「永遠」についての瞑想を続けている。外側の雷電将軍からは「内なる者」と呼ばれている。
影の意識が表に出て来ると瞳の色が紫から桃色に変わる。温和で穏やかな性格だが、外界から離れて久しいせいか「写真」や「娯楽小説」を知らないなど世間知らずな一面も。
甘いお菓子が大好きだが料理は全くできない。身も蓋もない言い方をすれば「引きこもりのポンコツお姉さん」と見ることも出来る。
- 雷神 眞(らいでん・まこと)
現在は故神。影の双子の姉で、初代かつ先代の雷神。
武の極みに達した武人である影とは対照的に戦いが不得手であり、代わって影が戦場へ赴いていた。自身は将軍として稲妻の内政に尽力し、忙しくしていた様子。
魔神戦争は「七神以外は生き残れない」というルールの中で成り立っており、影は自ら命を絶つ。眞は「天上京」(おそらく天空島)へ登り、七神として稲妻を建国した後「影」の神識を呼び戻して影武者としてそばに置いた。
儚さも含めて今この瞬間の美しさを大切にするという信念を持っており、八重神子からは優しい神であったと評されている。
カーンルイア滅亡の動乱で命を落とし、自らの半身である姉妹の死が影に永遠を追求させるきっかけとなった。
ちなみに眞は天理からのカーンルイアへの招集の際に、何故か影にすら何も言わずにただひとりで戦場に赴き、影が事態に気付いてカーンルイアへ向かった時には既に眞は亡くなっていた。そのため現雷神である影は眞たち七神が何故天理から招集されたのかも、カーンルイアで何が起こったのかも知らずにいる。
また、上記の人形「雷電将軍」には複数の試作品があり、いずれも殆どが破壊されている。しかし例外的に破壊せず封印に至った人形が目を覚まし、流浪の果てに彼女の神の心を奪っていった… それが「散兵」こと「国崩」である。
雷電影は彼を"あの子"と呼び「借りを覚えている」と話し、彼の一連の行動を踏まえてなお制御するつもりはないと言っている。後の散兵自身の言動からも彼らは親子関係にあると言える。
稲妻の顛末
第三幕の終盤で、「目狩り令」自体がファデュイが侵略と実験材料確保のため唆した事であることが判明。
旅人から直訴を受けた将軍は、義理として黒幕たるシニョーラとの「御前試合」を認め、結果敗北したシニョーラを粛正。旅人には「生きて天守閣から出る」事を許した。
しかし『永遠』の敵たる旅人を逃がす気も毛頭なく、"天守閣を出た"瞬間、不意打ちで処断の刃を振り下ろす。
旅人も彼女への不信や、高まっていく雷気(殺気)により気付いていたが、それでどうにかなる相手ではない上、城前にやって来たゴローら抵抗軍に意識を向けた一瞬を突かれてしまった。
将軍が旅人を斬る直前、雷霆に相対することが夢であった万葉の親友の「神の目」が光を取り戻し、万葉に力を与えて無想の一太刀を打ち返す。
助太刀で助かった旅人だが、雷電将軍により再び「一心浄土」に引き入れられ、将軍の本体である影と再び対峙する。
「永遠の妨げにならない」とファデュイを黙認していたとまで語る彼女と再戦になるが、依然として彼我の力量差は圧倒的であり、攻勢はことごとくいなされてしまう。
そんな中、旅人が渡されていたお守りを媒介し、八重神子が「一心浄土」へ入ってきた。彼女の言葉、そして志半ばで斃れた哲平をはじめとする目狩り令に抵抗してきた人等の「願い」が旅人に力を与える。全ての願いを背負った旅人は刀を抜き本気となった影を激闘の末に下すことに成功する。
人々の「願い」が神の意志をも超えたことを影は認め、目狩り令の廃止を決断、ここに戦争は終結した。
しかし、ここでもうひとつ衝撃の事実が発覚する
パイモン:やっとファデュイの計画を一回阻止できたな。少なくとも今回は「神の心」を奪われなかった!
八重神子:待て、「神の心」と言ったか?それは駒のようなものでは?
パイモン:そうだぞ、七神が持ってて、天空の島と繋がってる「神の心」だ!
八重神子:ふむ・・・
八重神子:あれなら、妾が差し出した。
旅人:ん?
パイモン:えっ?
雷電将軍との決戦を制し、目狩り令も撤廃された、めでたしめでたし・・・というタイミングで発覚したもう一つの真実。
八重神子の元で旅人が対雷電将軍特訓を受けていた時点で、既にその八重神子が雷神の「神の心」を”散兵”に渡していた後だった。
雷神自身「神の心」の力は天空の島との繋がりを絶ったことで既に不要になっており、最も親しい友であった神子に預けていた。
”散兵”に返り討ちにされかけた旅人を見逃してもらうべく、雷神本人すら要らなくなったそれを身代金代わりに渡すだけで済むなら、安いものだと判断してのことだった。
さすがに旅人の命は「神の心」よりも大事と、パイモンもこのことに関しては納得している。
Var2.2のイベント「謎境一騎」では、神の心を持った「散兵」がファデュイから離反した事が判明している。
彼は神の心を持ってどうするのか、またそこに至るまでの経緯や結果については「国崩」項で説明されている。
結局、”散兵”の一人勝ちのような形になってしまい、執行官の一人を倒し目狩り令こそ無くなったものの、三奉行のうち天領奉行と勘定奉行がファデュイと内通していたことは稲妻に大きな爪痕を残すことになった。
それでも、最悪の状況を脱したことには変わりなく、稲妻は徐々に混乱から立ち直っていくことだろう。
しかし、稲妻が本当の意味で解放されるにはもう一つの戦いに決着をつける必要があった……。
関連リンク
雷電将軍……通称。作中やweb媒体などではこちらの名で呼ばれる事の方が多い。