魔神任務第二章第三幕のネタバレになります。注意!!
概要
雷電将軍こと雷神バアルを名乗る現在の雷神の本名にして、彼女本来の人格。
そして、今は亡き"本物の"雷神バアルこと「雷電眞」の影武者にして双子の妹「雷神バアルゼブル」その人。
作中では「影(えい)」とのみ呼ばれている。
500年前、カーンルイアが滅びた時の戦いで眞が死亡したため、影武者であった彼女が密かに雷神の座を継承した。このような経緯のためほとんどの稲妻国民は雷神が代変わりしていることを知らない(旅人は稲妻上陸前に岩神モラクスから聞かされていたので知っていた)。
ただし、雷神の座を継承したのが500年前なだけで、双子姉妹自体は2000年前の魔神戦争の経験者であり、風神バルバトスと同じく最古参の神である。
稲妻の統治を行っている普段の「雷電将軍」は影の神の体を改造した自律人形であり、要するに後付けの人格である。彼女の愛刀「夢想の一心」には「一心浄土」という精神世界が内包されており、影本人はこの精神世界で自身の求める「永遠」について考えている。これは長い年月で精神が「摩耗」していくのを防ぐためでもある。
つまり、影武者であった影がさらに「雷電将軍」という影武者と入れ替わっているというなかなかややこしいことになっている。
冷酷な「将軍」とは違い、温和で穏やかな性格。しかし、友をはじめとして過去の戦いで多くの大切な人を失ってきたことから「永遠」へのこだわりはやはり強く、ファデュイの暗躍も気付いていながら半ば黙認していた。
旅人に敗れたことや、その際に人々の「目狩り令を廃止してほしい」という「願い」が旅人に力を与え自分の力をも超えたこと、眷属であり友人でもある八重神子に諭されたことからようやく目狩り令を廃止した。「雷電将軍」には静養という形でおとなしくするように設定し直し、改めて「一心浄土」で自身が本当に求めていた「永遠」を考え直すことにした。
と、おとなしくなったといえばなったのだが……。
雷神の本性(?)
後日談である伝説任務では、稲妻周囲の海域の雷が不安定になっていることを旅人から知らされたことをきっかけに、数百年ぶりに外の世界を直接見て回ることになる。
ところが……、
- 海域の不安定はただの「雷電将軍」への設定ミスであり、呆れた旅人とパイモンにジト目で見られて慌てて言い訳する。
- 城下町の屋台で売っていた創作料理「団子牛乳」をいたく気に入る。しかし、その奇抜さからあまり売れていないことを聞くと、「社奉行に大量購入させて、皆に配ろう」と言い出す(当然反対された)。なお、ここで甘い物好きであることが判明した。
- 同じく城下町で売っている娯楽小説にも興味を示すが、「文字で書かれた物語である以上、理解できないということはありませんよ」とタカをくくっていたものの、今風の恋愛小説や転生ものの設定が理解できず困惑する。
- 記念撮影をするが、写真に写った自分を見て複製したのかと原理がわからずまたもや混乱する。
など、元々の柔和な性格と俗世から離れすぎていたがゆえの世間知らずが合わさり、ポンコツお姉さんの様相を呈するという衝撃の展開となった。
しかし、自身が「永遠」へ至ろうとしていた間にも外では絶えず時間が流れ変化していたことを真正面から誠実に受け止め、九条家の裏切りに乗じて発生した天領奉行の座をめぐる権力闘争に対して公正かつ厳格に対応する姿からは、先程まどの柔らかい雰囲気とは打って変わった雷神・為政者としての威厳を感じることが出来る。
影もまた、苛烈極まる魔神戦争を勝ち抜き、その後も稲妻を守り続けてきた七神である以上、ただの世間知らずのお嬢さんという訳ではない。
とはいえ、前半のポンコツっぷりのインパクトは大きいので、後半の真面目な部分より印象に残りやすいというのも事実。
ちなみにメシマズどころか料理が全くできず(実際に料理させることができない)、このことを気にしているのがプロフィールなどから窺える。それゆえオリジナル料理も存在しない他、長きにわたり一心浄土に籠もっていたせいか手紙を書くだけでも大変苦労するようで、誕生日に送られるメッセージは八重神子が代筆する形を取っている(結果、誕生日が連続するため二日続けて八重神子からメッセージが届くことに)。
ただし料理はできなくてもお茶を淹れる事はできる。ストーリー中の台詞からして、先代将軍に仕えていたある茶人の動作を見よう見まねで覚えたらしい。
「武神」
雷電影は璃月の「岩王帝君」の次に登場した、現在判明しているテイワット世界において「武神」の称号を持つ二人目の存在である。
稲妻武術の開祖
- 稲妻の薙刀術、太刀術、弓、銃術、鍛造技術は全て影が伝えたものであり、影はそれらすべての開祖というべき存在。
- ただ彼女の剣術/薙刀術の流派は奥伝の殆どで元素力が必須なため、神の目を持たぬ人間では習得出来ないとのこと。
奥義:無想の一太刀
「稲妻の国土において、天から雷が降り落ちれば、ヤツらは身を震わすことしかできない蟻にすぎん。逆らうことなどできるものか」
「なぜなら——」
「我々には天下無双の雷電将軍が、あの『無想の一太刀』があるのだから!」
- 天領奉行の九条孝行がファデュイを恐れぬ理由として、上記のような発言をしている。
- 「無想の一太刀」が雷電将軍の最大奥義であると同時に、稲妻という国の切り札でもあることを物語っている。
- その威力は魔神戦争時、稲妻に侵攻した魔神オロバシを、当時の戦場だったヤシオリ島を一刀両断はおろか遠く離れた鳴神島の鳴神大社付近にまで斬撃の跡が残るほど
- 南北に真っ二つに斬られたヤシオリ島には、島を東西に跨る巨大な「刀痕」が残され、後世の「無想刃狭間」となった。2000年経ってもなお、「無想の一太刀」の雷元素の力が狭間の海水に溢れており、その力が如何に凄まじいかが分かる。
- 楓原万葉の旧友、「淑女」を斬り、旅人にも斬りかかったのはあくまで将軍であるが、武術自体は影から学んだものと思われる。
- 御輿千代は影のそれに斬られた。一応生還こそしたもののこの時既に魔物化しており、最後は誰かに倒された。
- なお、自身の意識体を移し、また元素爆発「奥義・夢想真説」を発動する際に身体より抜刀する刀「夢想の一心」はかつて眞の愛刀であったもので、伝説任務第二幕「須臾百夢」ではこの刀に関するエピソードが語られる。
楓原万葉に関する話題
- 作中において、友人の遺物である「神の目:雷」の力を目覚めさせた楓原万葉は、真向から雷電将軍の「無想の一太刀」を受け止め、旅人を救った。
- このシーンのおかげで万葉は高い人気を博したが、逆に雷電将軍のほうはこれが原因で「無想の一太刀」の威力が疑問視されることとなった。
- 御前試合で負けた「淑女」を処刑した時の「無想の一太刀」も、確かに彼女を灰燼に帰す威力はあったが、ただそれだけに止まり、ヤシオリ島を両断した時のように鳴神島を両断してしまうようなことは起きなかった。
- これについて、後に実装された雷電将軍の「伝説任務」では、「武芸の形と限界」は「刀を振るう理由」によって決まる、という設定が補足されている。
- つまり、魔神オロバシを倒した「無想の一太刀」は稲妻や民を守ることを理由に振るったもので、「天光へと向けられた幾千もの眼差し」を背負い更には「愛将」を殺され激昂し振った一刀であった為にあの威力が出たということになる上に、ただの人間一人を対象にした一撃と人間とは比較にならない存在である魔神に対して振るう一撃の理由とでは天と地の差が出るのは自明の理。
- シニョーラを斬った一振りは単純な処刑目的で使われたため、その威力は限定されていた。
- 万葉が受け止められた一刀も同じで、旅人や万葉一人を標的として邪魔者として排除するというだけの理由のためオロバシを斬った時ほどの威力がなかったのも頷ける。
- というか力を込めて切ってしまった場合、「無想の一太刀」によって稲妻の城下町ごと、鳴神島が崩壊してしまうのだから、手加減するのは当然である。
- 加えて当時の雷電将軍は、稲妻を雷嵐で包み鎖国状態にすることに元素力を使っていたため、白兵戦に全力を注げていたかはかなり怪しい。
- 実は、この設定は「雷電将軍」のゲーム性能にもしっかり反映されており、天賦「効果・諸願百目の輪」の「願力」の蓄積量にあわせて元素爆発の威力が増すという効果は、まさしく「天光へと向けられた幾千もの眼差し」を背負った時にこそ真価を発揮する「無想の一太刀」の設定と合致している。
- また、この設定は、天賦「千万の願望」の名前にも同様に垣間見ることができる。
放浪者(スカラマシュ)に関する話題
魔神任務3章/間章のネタバレ注意
人形の「雷電将軍」に先駆けて作った試作品が、今の放浪者。
本来は神の心を収容する容器として作られたが、その精神の脆さから涙を流したことで失敗作と判断された。
影はこれまで他の試作品を放棄(廃棄)していたが、涙を流す姿を見たたためか彼を破壊することはできなかった。八重神子が代わりにそれをすることを提案するも断り、ある秘境に封印させることを選んだ。
この際彼女は彼に憐憫から身分を証明する羽を残している。この羽は彼がファデュイに入る直前まで身につけており、悲劇のきっかけとなった…
プレイアブルキャラクター「放浪者」もこの装飾を身につけている。
彼から雷神の心は抜き取っており、この時点で人形に神の心を搭載することを諦め八重神子に預けている。元々は彼が神の心を持つ存在として作られた事で、本能的に神の心を渇望し始めた。
原因は不明だが「未知なるエラー」によって休眠から目覚めた彼は俗世を渡り歩いた。
スカラマシュは彼女を恨んでおり「力に左右され、役立たずの僕を捨てた」と言っている。ただし彼の怒りは単に捨てたという事実だけでなく、(人形の将軍が)たたら砂事件の報告を無視したことも含まれるだろう…
聖遺物にも創造主である彼女を意識するようなセリフが複数見られる。
一方ボイスで影は彼に対し「借りを覚えている」と言っており、制御することはないとしている。
ある一件で八重神子から雷神の心を入手した後、彼は「博士」の手によって改造され、雷神の心のエネルギーを取り込んで「神」となった。
見た目こそ大型ロボに乗ってはいるが、神のコアという根本的な仕組みは同一である。また天気を操って雷元素を落とすなど、影に似た権能を扱える。
週ボスに雷電将軍(影)を連れて行くと、特別なボイスを聞くことができる。
彼は最終的にスメールの風元素の神の目を獲得する。世界樹の書き換えによって「創造し封印した(放浪者側からは「捨てられた」という認識)」という事実は変わらないものの、それ以降の事を彼女は一切関知していないという認識に変わってしまった為、現在の影の認識的には「封印したはずの人形が知らないうちにひとりでに動き出してどこかに行ってしまった」という状態になってしまっている。これに合わせて影側から彼に対するボイスはボイスリスト上からも削除されており、ここまで魔神任務を進めるとボイス自体が二度と聞けなくなる。
彼の好物は苦いお茶であり、料理も上手い方である。
余談
キャラクター
- 初の女性の神ということで、雷電将軍は登場当初から異常なほど人気が高く、Sensor Tower調査のソーシャルゲーム売り上げランキングにて実装月にはリリース最初期以来久々の世界売り上げ1位となる385億の売り上げを叩き出し、これまでの売り上げを大幅に塗り替えるも、暴君と言ってもよい冷酷無比な言動・行動に忌避感を示すプレイヤーもいたのだが、影としての出番が増えてきて以降、特に上記の通り伝説任務でポンコツキャラだったことが判明したことで更に人気が高まる事態となっている。
- 柔和な姿や未熟さの目立つ精神性からつい忘れそうになるが、かつては戦いが苦手な姉に代わり、強大な力で数多の脅威から稲妻を長く守護してきた武神であった。
- シリアスな場面と本性で落差があるのは、容貌が瓜二つな『崩壊3rd』の雷電芽衣も同様だが、あちらは「努力家で控えめなおかんキャラ」でさらに料理上手と、「世界線が違うとここまで変わるのか」というほど、正反対のキャラ設定となっている。一方で根が生真面目で柔和、冷静な判断力と高い分析力を持っている点は同じであり、世界が変わっても根っこは両者ともよく似ている。思い込んだら一直線なのもよく似ている。
- 伝説任務第1章以降は時間があれば稲妻城下をはじめとする市井を闊歩するようになるが、存在そのものが抑止力であり、治安上昇に一役買っている。ただ、本人は普通に市民と交流したいようで、皆に畏怖されていることに悩んでいる。
団子牛乳について
- 伝説任務で登場した団子牛乳だが、任務終了後に屋台で買えるようになる(HP回復効果のある料理扱い)。「雷電将軍」が気に入ったことが伝わり人気が出て、実際に飲んだ客からの評判も上々だった為商売が軌道に乗ったとのこと。
- なお、名称から誤解するプレイヤーもいるが、劇中では「潰した団子を牛乳に溶かして混ぜた物」と説明されているため、タピオカドリンク的なものではなく、強いて言えばシェイクに近いものである模様(神里綾人が飲む五目ミルクティーがタピオカに近い)
塵歌壺において
- 魔神任務第二章第三幕クリアまでは塵歌壺に配置しても「雷電将軍」の人格のためまともに会話してくれないが、クリア以降は影として気さくに話してくれる。
- ただ、話しかけずに放置していると「甘味……」という吹き出しが出てくるわ、好感度が上がると「どうして、そんなに美味しい甘味を作れるのでしょうか?」と聞いてくるわ……。どれだけ甘味に飢えているんですか?
雷電将軍(人形)について
- 影と雷電将軍には声音以外にも微細な違いがあり、各部位にある雷元素を模した装飾から放たれている発光が影の方が強くなっている。
- 人形の将軍には「壊れた時は替えが効く」等、向こうの同意もありシステムとして扱うよう努めていたが、劇中で訪れた正面衝突の末「自分自身である」と断言し、かつて影が眞の影武者だった時のような距離感を抱き始めた。
- もう1人の人形に対しては、殺す事も生かすこともできず起きた結果に慈悲を見せているが、結果的にその全ては仇となり、救済自体は異国の草神により成される事となった。
七聖召喚について
Ver3.7で雷電将軍のカードが実装されたのだが、入手には影を呼び出して対戦する必要がある。対戦そのものは他のキャラも同様なのだが、対戦者リストをよく見るとちゃんと「影」表記になっている(まあ、雷電将軍の方がカードゲームをやるのも違和感があるので当然と言えば当然であるが)。