賢者は全てを知っているつもりであろうが、我らこそ愚行の背後にある道義を知る者。
————「道化」
概要
『原神』に登場する氷の国・スネージナヤの擁する組織。
11人の幹部「執行官」の指揮のもと、各国に対し表では合法的に外交圧力をかけ、裏では傾国の策謀を巡らせるという、二重の侵略行為を働く事実上の侵攻部隊。
それ故、他の各国にとっての(少なくともモンドでは確実に)頭痛の種になっている。高圧的または明らかに悪人な構成員も多い事から、彼らを嫌い危険視する者も少なくない。
末端まで含めた組織の活動綱は極めて広く、「ミントとスイートフラワーとファデュイはどこにでも出てくる」とパイモンが愚痴るほど。
目的・利益のためなら手段を選ばない思想のためか、利益や利害の一致等の理由で宝盗団や野伏衆、エルマイト旅団といった現地の犯罪組織・ならず者達や悪党とも手を組むことも多々ある。現に一部の世界任務やフィールドでは行動を共にしている。
構成員の共通の特徴として、顔を隠すための仮面を装備している。また四つの目を星型に組み合わせたような紋章を服や装飾品に取り入れていることが多い。
外では青と白が目立つテントを張って野営していることが多く、そこを拠点としている。
「壁炉の家」という孤児院も展開しているが、慈善事業というわけではなく、孤児を構成員として教育する事が目的であり、過去にはファデュイの活動の結果孤児になった者を引き取り構成員に仕立てるという悪辣なマッチポンプが行われた例もあるという。
ゲーム中の本編やTIPS、公式漫画等で以下のような情報が明らかになっている。
- 語源はラテン語の「愚か者」の複数形。ゲーム中ではカタカナの「ファデュイ」で統一されているが、公式サイトの漫画では「愚人衆」の漢字に「ファデュイ」というルビが振られている。
- 「北国銀行」というスネージナヤの銀行の支店を拠点及び資金源にしている。世界各地にあるらしいが、現在店舗を確認できるのは璃月とフォンテーヌの支店のみ。銀行としての活動はちゃんとしているのだが、利息が高かったり、負債者が消えたりと黒い噂が絶えない。
- かつて意図的にモンドに魔龍をけしかけて自作自演でそれを倒し、モンドに貸しを作っている。それ故、借りを作らされたモンドはゲーム内でファデュイにあまり強く出られないという前提がある。
- 逆に稲妻ではそうした策謀が(旅人の活躍もあり)明るみに出た結果、以降の幕府とは全面的な戦争関係となり、特使として国内を歩く事も出来なくなった。
- 璃月でも裏から工作しつつ、表面上は交流を続けていたが、劇中の騒ぎと失敗がきっかけで立場が悪化し、断交状態となった。そのため正当な理由で層岩巨淵へ調査に入った部隊が孤立してしまう事態に陥っている。しかも、彼らの多くは長期間地下にいたためそのことを知らず、いつの間にかお尋ね者同然となっていたことに愕然としていた。
- フォンテーヌは管理責任者である現「召使」が歴代でも珍しい穏健派で、国の危機に本気で助力した事もあり、壁炉の家も半ば暗黙の了解とは言え受け入れられている(ただし、危険な組織であることは変わりないので、政府側も警戒はそれなりにしている)。
- 超頭脳を持つ「博士」を筆頭に、他国と比べ数段進んだ様々な技術を研究している。
- 現在は各国の神が持つ「神の目」の超上位版と言える「神の心」を手に入れる事を目的として活動しており、執行官たちは神々から神の心を摘出する技も心得ている。集めたこれらによって何が為されようとしているかは現時点では語られていない。
- 博士は神を造るために雷神の心を使ったが、他の神の心も同様の計画があるのかは不明。ただし少なくとも神の心をエネルギー装置に転用したり、それに含まれる権能を操る技術を有していることが判明した。
- こうした経緯や理念上「神の目」の在り方を嫌う思想が強いが、「公子」や「召使」のように所有者が全くいないわけでは無く、所持や使用を咎められたりもしない模様。
構成員
十一人の執行官(ファトゥス)
スネージナヤが誇る最高戦力かつ本組織を指揮する11人の最高幹部達。
日本時間2022/7/11にYouTubeに投稿された公式PVにより、既出以外全員のビジュアルと情報も公開された。詳細はファトゥスの記事及び個別記事まで。
- 統括官 :「道化」ピエロ
- 第一位 :「隊長」カピターノ
- 第二位 :「博士」ドットーレ
- 第三位 :「少女」コロンビーナ
- 第四位 :「召使」アルレッキーノ
- 第五位 :「雄鶏」プルチネッラ
- 第六位 :「散兵」スカラマシュ
- 第七位 :「傀儡」サンドローネ
- 第八位 :「淑女」シニョーラ
- 第九位 :「富者」パンタローネ
- 第十一位:「公子」タルタリヤ
一般構成員
ネームド有のキャラに関しては、ファデュイ一般兵一覧を参照。
余談
- 本作の敵役ではあるのだが、敵対時はともかく平時ではタルタリヤのように普通に旅人に話しかけたり、末端のヴィクトルが「何もしていないのに……」と愚痴ったあげく(話しても構わない範囲ではあるが)自分たちの情報と引き換えにモンドの特産品を旅人に頼んだり、プロフィールメニューで聞ける旅人とパイモンの会話で構成員たちが滞在しているモンドのホテルでおバカ(?)な騒動を起こしていることが判明するわ、突然、軽策荘に現れた先遺隊の動機がラズベリーを採りに来ただけと、皆がそういうわけではないが憎めない悪役的側面を持つ者もいる。
- ゲーム内では、上層部の思惑や国家間の情勢に振り回される穏健派な構成員の苦難も描かれており、立場上は敵であるはずの旅人に助けられたり、現状に不満を抱く隊員が描写されることも増えている。
- 旅人の方も、それなりに警戒こそするが、ファデュイだからと一方的に敵視することはあまりなく、個々人の本質の良し悪しを見て接したり、情状酌量の余地があれば手助けや見逃しをする場合も少なくない。特に、リネやアルレッキーノをはじめとする壁炉の家と関わるようになってからはその傾向が強くなっている。
- 問答無用で襲ってくるフィールドエネミーや、明らかに悪人な輩に対しては流石に例外だが、それでも大抵は痛めつけて追い払っている模様。
- フォンテーヌやナタでは指揮を取っている召使、隊長の人柄と目的から穏当な傾向にある。特に隊長指揮下の隊員は善意で人助けを行い、アビスの侵攻にも命を張って義勇兵として参戦するなど特に高潔な人物が多い。もちろんフィールドエネミーとして登場はするし、彼らの管轄外で悪事を働く隊員もいる。
- とはいえ、子どもをさらっての人体実験なども普通に行う組織であり、稲妻での世界任務では「ファデュイの暗躍によって戦争が起これば孤児が増える=孤児院に入れることでファデュイの戦力が増える」という非常に危険かつ外道な考えを持つ構成員もいる事が分かった。
- それ故、祖国であるスネージナヤの一般国民にとってもファデュイの存在は「国の闇」としてあまり良い認識はされていないらしい。事実彼らのせいでスネージナヤ人全体の評判と信用が損なわれているらしく、真っ当な貿易商などは多大な迷惑を被っている。
- タルタリヤも家族をファデュイに巻き込まないために、末弟のテウセルには自分の職業を「おもちゃ販売員」と偽っていた。
- 別にスネージナヤの国民でなければなれないというわけではなく、実は派遣先でスカウト活動も行っている。モンドでのデイリー任務ではヴィクトルが旅人をスカウトしようとするが、結局(やはりあまり重要でない範囲であるが)自分たちの情報を聞き出されただけに終わっている。
- なお、ヴィクトルは他にも風花祭での期間限定任務では成り行きから子守りをすることになったものの、自分では怪しまれると旅人にヘルプを頼んだりしている。