…それから子猫は、山におけるすべての葉っぱも、すべての動物も愛すことはなかった。彼はいくつもの夜を彷徨い、月に向かって牙を研いだ。
子猫は月を食らい、すべての月光を噛み砕きたかった。すべてが暗黒に戻れば、彼は快楽と安心を感じられる。
「僕は新たな月となり、みんなにとって唯一の存在となる。そうすれば、この世に鳥や狐、猫がいたことを知る者はいなくなる。その違いを知る者さえ。」
————とある童話
魔神任務第二章第三幕以降のネタバレ注意
プレイアブルキャラクター・現在についてはこちら、更に以前の過去についてはこちら
概要
名前 | スカラマシュ(英:Scaramouche/中:斯卡拉姆齐) |
---|---|
称号 | 「散兵」(英:Balladeer/中:散兵) |
国/所属 | スネージナヤ/ファデュイ |
種族 | ??? ※ネタバレ注意 |
階位 | 第六位 |
神の目 | ???※ネタバレ注意 |
週ボス | 七葉寂照秘密主 |
誕生日 | 1月3日 |
命ノ星座 | 浪客座 |
CV | 柿原徹也 |
ファデュイの幹部である11人のファトゥスの第六位に位置する人物。コードネームは「散兵(ざんひょう)」。
ビジュアルは公式が「外見は眉目秀麗な顔に細身の体型」と紹介するような美少年。
性格には非常に難があり、基本的に空気など読まず全てを見下し、周囲が足掻くのを愉しんでいるかのように振る舞い、それに反抗する相手には不快感を顕にする。
そんな性格な為に、ファデュイ構成員にも彼に不満や陰口をこぼす者は多く、実際自身に意見した部下に対して「僕がいつ勝手に判断する権利を与えた?」と威圧し黙らせていた。公式の声優インタビューでも「クソガキ」と呼ばれるほど(だがそれがいい)。
執行官としての実力を見る機会は無いが、風神から神の心を奪った淑女より階級が2つ上で、彼女やタルタリヤの事を「最も頼りない2人の同僚」と断ずるほどの自信を持つ。相対したモナをしても一目見ただけで「危険すぎる」「負けるかもしれない」と言わしめる程。
なお「スカラマシュ」はファトゥスとしての名前であり、この時点の彼に固有名詞と呼べる定名は存在しない。
魔神任務第二章(稲妻編)までの動向
初登場はVer1.1(2020/11/16~11/30)開催の期間限定イベント『帰らぬ熄星』。稲妻人のような風体をしており、稲妻から来た浮浪人を名乗っていた。
(そのため、旅人によっては彼が最初に出逢った執行官である)
最初こそ猫を被っていたものの、正体がバレると態度が変わり、煽るような発言と共に意味深なセリフを残して去っていった。
その後、ver2.1の魔神任務第二章第三幕でようやく本編に登場する。上記イベントがあくまで期間限定だったため、参加していない場合は旅人と初対面となり、登場シーンも若干変化する。
当の稲妻では、友が邪眼に飲まれ死亡し、激昂して乗り込んで来た旅人と対峙。彼はあくまで他執行官の代理人ではあったものの、旅人の怒りを嘲笑しながら罠に嵌め意識を奪った。
旅人にとっては絶体絶命の状況だったのだが、八重神子が神の心を代償に旅人を渡す事に合意し解放される。
雷神はもはや神の心を必要としておらず、彼も個人的に神の心を欲しがっていたため、双方にとって有益な取引だったと言える。
そうして雷神の「神の心」を手に入れた彼だが、何とそれを女皇に持ち帰らず、本国と一切の連絡を絶ち姿をくらませた。
期間限定イベント「謎境一騎」でタルタリヤが稲妻を訪れたのは、離反疑惑の上がった彼の行方を調査する為であった。
イベント「華やぐ紫苑の庭」
少なくとも数百年ほど前にはファデュイとして活動していたようで、当時栄華を誇っていた鍛造流派「雷電五箇伝」を滅ぼした黒幕でもある。
彼の身に起きたある事件の復讐から、雷電将軍が要求した御神刀の鍛造図を改竄して作れない様にし、罰を恐れた多くの職人を逃亡させる。そして当主を誘き出すと、圧倒的な武力により一振りで害した。
だが、その中にいた楓原万葉の曾祖父「楓原義慶」の顔を偶然目撃し、彼の父である「丹羽」との関係を聞くと、借りがあったのか殺意を収め、長い沈黙の末、
「彼女に告げよ、我が名は『国崩』である」
と言い残して去っていった。
しかし義慶はその危険性に屈する形で、家族を守るべく黙って家業を失伝させる道を選び、事の真相を書いた手紙を盆栽に隠した。この一件で楓原家は衰退し、数世代かけて楓原家は没落していった。また人材流出や事件を防げなかった責任を負われ、神里家も長らくその地位を大きく落とす結果となった。
万葉はこれらの事実を知った上でもなお、過去に囚われず前を向いて生きると語り、一方で彼が未だ存在し、何らかの陰謀を企んでいるのなら見逃すつもりはないとも語った。
魔神任務第三章(スメール編)
本編で語られなかった部分について詳しくは国崩に記載
魔神任務三章三幕
「博士」と教令院により、彼を神にする計画があることが判明する。
かつて教令院に追放された「博士」は散兵と神の心を持ち、クラクサナリデビの非力さに失望していた教令院に神を作る話を持ちかけた。まず教令院は彼を「神の躯体」に改造し、「花神誕祭の輪廻」によって夢境を回収、そのエネルギーでアーカーシャ端末を使って神の心の力を抽出してコアにした。さらに彼に「神の缶詰知識」を授けるべきとの意見が出たため、失踪した学者の脳を用い缶詰知識を作った。
一方で教令院の作戦を知った旅人は、その計画を止めるべく奔走する。
途中スメールで出会った学者「ハイパシア」に遭遇し、「神」の過去、すなわち「『神』意」に触れることとなる…
「一度目が神。僕の創造者、僕の『母』。」
ここでは雷電影(バアルゼブル)が彼を造りし、借景ノ館に封印した事について言及されている。
「二度目が人。僕の家族、僕の友人。」
ここでは「丹羽」と共に刀を打っている。たたら砂での生活と、そこでの「裏切り」について言及されている。
この裏切りがなんなのかは不明だったが、魔神任務間章第三幕で詳しく判明した。
「三度目が同類。僕の期待、まだ羽翼の生え揃わぬ鳥。」
ここでは同居していた子供について言及している。この子供についての詳細は不明だったが、こちらも魔神任務間章第三幕で詳しく判明した。
「人は信用できず、神は憎しみを与えるから。僕はすべて諦め、人の世の一切を否定し嘲笑う。」
「二度と胸の内を世俗に染めはしない。低劣な人の感情も捨てた。」
「僕の空っぽな部分は、生まれたばかりの真っ白な巻物のような、神性に満ちた至高なる神の心で満たされる。」
ここでは彼が雪国に渡り、「散兵」となり、そして今「神」になろうとしていることを言及している。
「君たちの時代は…今終わる。」
旅人に宣戦布告するような言葉を残して意識接続は切れた。
そして彼の過去を覗き見た後、ある事情で旅人の意識がブエルの体に移った。その瞬間、彼は旅人の意識に直接「見えたぞ」と語りかけ、また旅人も「神の未完成品」を見た。
魔神任務三章第五幕
長い間求めていた「心」を取り入れ、彼は教令院のある研究施設内で「正機の神」となった。
そしてとある事情でハイパシアの元に再び向かった旅人と意識干渉で接触する。普段よりも落ち着いた口調の彼は、いつも以上の狂気で自らの「神化」について語り始める。
神の缶詰知識を使う事で自我を失う事について旅人に尋ねられると、彼はこう言った。
僕は「神」になるために生まれた。今までの人生は、すべてが無意味な「過程」に過ぎない。
紙と同じことだよ…紙自身は意味をなさない。重要なのは…そこに書かれた内容の方だろう?
今までの「僕」が残したのは、苦痛にまみれた記憶と人としてのくだらない感情だけ。この上なく愚かで、とっとと終わるべきものさ。
そして彼は、雷神の権能で雷を落とした。まるで鎖国していた稲妻の海域のように、神の横暴として雷霆を落とした。それは彼が「神」である事の証明であり、誕生の意味を全うした様でもある…
その後旅人は草神を籠から解放し、草神と共に彼がいる場所に突撃する。目を瞑るスカラマシュを前に、草神が雷神の心を取り出そうとすると、彼は目を覚まし…
「散兵」は… すでに僕にとって遠くかけ離れた名だ。
精神が神に昇華した時、まるで天地と同等の歳月を過ごしたかのようだった。
今この身で振り返れば、「国崩」などという存在はあまりにも小さく、醜い。
「散兵」「国崩」の名を捨てて、正真正銘の神である「正機の神」となった彼──────「七葉寂照秘密主」は、5つの元素の力で旅人に牙を剥く。
旅人は全力で彼を倒そうとするも、彼を倒す事は叶わない。そして今度は彼が草神の神の心を奪おうと手を伸ばす。
しかし草神の心はそこになく、代わりに夢境が崩れていく。実は最初に草神が行った行動は雷神の心を取り出すためではなく、夢境空間に入るためのもの。これが168回目の輪廻であり、これまでの敗北経験が缶詰知識化されていることを伝えられる。この缶詰知識はアーカーシャ端末の所有者全員の知恵によって検証され、旅人の脳に取り込まれた。
そして169回目にしてとうとう旅人に撃破され…
待て!それだけは…
神の心だけは…!
それは僕のだぞ!させるものか…!
絶対に… 絶対に戻るものか!
長く執着した物理的な「心」を奪われ、その後は糸が切れたかのように落下した。普通の人間なら落下した時点で確実に死んでいる高さから落下したが、皮肉にもその出生が彼を生かした。
落下した彼は意識を失っており、ブエルが収容することになる。
魔神任務間章第三幕
彼について深く掘り下げる魔神任務。捕虜となり目を覚ました彼はブエルの命でとある任務に協力するが・・・詳しくは放浪者に記載。
プレイアブルキャラクターとして
ver3.3前半の期間限定祈願にて、放浪者として実装された。
ビジュアル
散兵
- ファデュイ執行官としての服。ファデュイの紋章と雷マークが複数ある。笠にはベールがついている。
- 元ネタは大友黒主だと思われる。
- 大きな市女笠に、胸元の雷電マークが目立つ特徴的な服装をしている。
- 目は雷電将軍と同じハイライトがあり色は青く、赤いアイラインを引いている。
- 体型は一般的な標準少年モデルと同じで、下駄や笠の高さ分本来より少し背が高く見える。
- 肌の色はオークル系の色白であり、首に雷元素マークがあるのかは不明。ホクロは確認できない。
- 半袖半ズボン。服は藍色をベースにデザインされている。
- 上着は振袖付きで胸元が空いており、下に首元までかかる黒い服を着ている。
- 背中には小さなカバンを背負っているが、何が入っているのかは不明。
- 腕は男性主人公などに似た手袋をしており、関節部分は青いプラスチックのような素材になっている。
- 下半身は甲冑を模した布製の赤い脇楯と、黒い草摺がある。この草摺は本来より小さく作られており、もし仮に彼に男性器があると仮定すればそれを守る事はできない。
- 腰からは小さな筒を吊るしているが、これも何なのかはわからない。ただし、刀を使う稲妻人はこの位置に刀を差している。
- 太ももは大きく露出しており、太ももの中央辺りから隙間のない短パンを履いている。原神の少年キャラクターの中では2番目にズボン丈が短い(1番は行秋)
- 関節の下に靴下がある。靴下からは小さな装飾が揺れており、上部は隙間がありそこから皮膚が見える。
- かかととつま先は露出しており、一般的な下駄を履いている。
- 文字上では下半身のデザイン傾向がやや行秋に似ているが、行秋は璃月の短パンに白いブーツ、スカラマシュは稲妻の短パンに靴下と下駄である。
- 髪色は雷電将軍と同じ青色に水色のメッシュがある。髪型はウルフカットに近いもので、横は均等に切られている。前髪はぱっつんではなく、アホ毛はない。
- 笠は直径が顔の約3倍ある。笠の上部には隈取のような黒い顔が中央にあり、黒と赤で雷電マークが描かれている。
- 笠からはベールと鈴のようなものがぶら下げられており、歩くと鈴の音がする。ベールは靴下にかかるぐらいまであり、彼の姿を隠しながらもそれを引きずってはいない。
- ベールは黒い半透明で中央で分かれており、後ろからでも彼の姿を見ることはできる。
- 設定上笠は彼の表情を隠すためのものだが、実際にVer2.1のPVではそれが表現に取り入れられている。少し首を下げると彼の表情は見えなくなる。
- 後ろから見るとベールに「惡」のような文字が書かれている他、服にファデュイの紋章や雷電家の家紋が描かれている。
黒主
過去の衣装に少し似ており、黒と赤を基調としたデザインにしたイメージ画像。実際に着ていた服ではなく、光華容彩祭でアルベドが描いたイメージ図に過ぎない。
大友黒主に似た衣装だが、やはり笠をかぶっている。
余談
- 哲平の死、及び彼の哲平への罵倒に激昂した一部の旅人がスカラマシュにヘイトを向けているが、上記の通り彼は代理人であり、邪眼自体の真犯人は他にいた。
- その真犯人とは「淑女」であり、邪眼工場に旅人らが来る直前に彼女が工場と部下を任せた。
- 事実、旅人本人も魔神任務第三章では以前ほどの敵意を見せていない。彼の過去を知るにつれ、同情してしまったのだろうか?
- 罵倒の内容は確かにかなりキツいが、長い寿命を持ち浮世を流浪してきた彼にとっては、命を代償に栄華の夢を見るのは"お得"なのかもしれない……。
- もっともこの後に神の心を所持して神の権能を謳歌していたが、神としての最期には本物の神に神の心を没収された上に見捨てられた為皮肉にも自分自身が言い放った「美しさを放った後は、破滅が待っている」を体現してしまった。
- 悪辣な振る舞いが目立つヴィランでありながら、見目麗しい容姿や切ない過去から人気も高く、現在では熱烈なファンと熱烈なアンチによる日常的な騒ぎ・諍いも絶えなくなっている罪作りな男。
- Pixivでもキャラ性故か「わからせ」や残酷表現も他よりは多く見られる。苦手とする人は検索時の注意点として、マイナス検索などの自衛を行なっておくことを推奨する。
- 聖遺物「華館夢醒形骸記」では、彼の半生が語られている。「国崩」という名前から、そのストーリーが彼のものであることが判明した。
- Ver3.1〜3.3はスメール編でありながら彼の過去に焦点を当てたムービーが多く、それ自体がプレイアブルまでの大きな伏線となっている。
- Ver2.1の生放送時、TwitterではScaramoucheが世界トレンド最高3位となり、日本でも「スカラマシュ」が5位になった。いずれも原神関係トレンドでは最上位。
- Ver3.1生放送でも無事にトレンド入りしており、日本語で「スカラマシュ」が世界トレンド3位になっている。
- 日本語声優たる柿原徹也への一周年記念インタビューでも「実装希望の声も非常に大きい」と語られている。
- 彼と思わしきキャラクター「放浪者」が発表された2022年10月31日には、Happy Halloweenに続きトレンド2位となった。またRTといいね数も、これまでのキャラを抜いてぶっちぎりの1位である。(後にいいね数はフリーナに抜かれるものの、RT数は上)
- ボス戦のBGMの稲妻パートはたたら砂のBGM冒頭。
- 神の心を剥奪されるシーンのBGMは、「『神』意」のBGM。
- 実戦紹介やその他のPVもたたら砂のBGMのアレンジとなっている
- スカラマシュが剣舞を披露した刀は武器製造(桂木斬長正)で入手可能。レシピはたたら砂の武器庫にあり、それを集めるために3つの鍵を回収する必要がある。この武器の名前に入っている「桂木」とはかつて館に封印されていたスカラマシュを見つけてたたら砂に迎え入れた恩人であり共に剣舞を踊ったスカラマシュの友人でもある者の名前で、この刀は名前通り………
- ちなみにこのレシピは「古い手帳」に書かれた望という数百年前の人物が描いた絵。
- イベント『帰らぬ熄星』にて初登場した彼だが、格好のあちこちにファデュイに属する者達と一致する装飾が見受けられたこと、イベントシナリオの中でファトゥスの1人が隕石の調査に関与している事実が判明したこと、そして何よりも中の人の怪しすぎる演技により早々に旅人達から「こいつが例のファトゥスなのでは?」と疑われていた。
- 「国崩」のビジュアルとして白装束に長髪が描かれることも多いが、公式でそのような描写が存在したわけではなく、Ver3.1に公開されたムービーで、現在と髪型は同一であることが判明している。
- 当初から崩壊3rdの雷電芽衣に似てると言われていたが、雷電将軍との関係が公開されたことである程度事実であることが判明した。
- ファデュイの制服として着用している服は、雷電芽衣の「断罪影舞」に似ている。
- 律者コアと神の心も設定が似ており、これも芽衣から受け継いだ要素だろうか。
- 正機の神は崩壊3rdのボス(第1形態/第2形態でそれぞれ別)と酷似する部分があり、少なくとも崩壊3rdから様々な要素を引き継いでいる。
- 公式から「眉目秀麗」や「美しい」と言われている。
- 現実世界の宇宙において、鳳凰座付近に「Scaramouche」という名前が付けられた星がある。これは2022年11月02日に星の命名権を獲得できるサイトで、スカラマシュのファンによって命名された。
- 座標はRA 00h11m24.015 -44°35'47.52''
- あくまで学名ではなく固有名詞である。論文など学術の場では使えないが、それ以外では“Scaramouche”と呼んでよい。証明書も発行されている。
- 公式グッズは長らく「帰らぬ熄星」のキービジュアルを使ったマウスパッド・プレートのみだったが、放浪者のグッズ発売に伴い「赤砂の王と三人の巡礼者」のキービジュアルを使ったタペストリーが発売された。
関連イラスト
関連タグ
スカラマシュ | ファトゥスとしての名前 |
---|---|
「散兵」 | ファデュイでのコードネーム |
国崩 | 悪行の末自ら名乗った名前 |
七葉寂照秘密主 | 神としての名前 |
黒主 | 容彩祭における彼をモチーフとした歌仙 |
傾奇者 | たたら砂で呼ばれた名前 |
放浪者 | プレイアブルキャラクター |
英語: Scaramouche
韓国語: 스카라무슈