「お主は人形などではない、人間なのだ。違いと言えば、心が一つ少ないだけではないか。」
概要
丹羽久秀とは、オープンワールドRPG「原神」に登場するNPCである。
一心伝丹羽家の後継者であり、過去のたたら砂の造兵司正。
とある人物の先祖であり、とある人形の友人、過去に纏わる人物。
子孫と同じ「ござる」口調で話す。
日本語声優:寺島惇太
英語声優:Clifford Chapin
華やぐ紫苑の庭・魔神任務第3章3幕
※この先、期間限定イベント「華やぐ紫苑の庭」及び魔神任務第3章3幕のネタバレを含みます。
丹羽久秀の名前が初登場したのはこの期間限定イベントである。
このイベントでは楓原家の一心伝含む雷電五箇伝と神里家の没落は国崩という人物が行った刀鍛冶への復讐が原因であり、その名はファトゥスの第6位である散兵が過去名乗っていた名前である事が判明した。
聖遺物「華館夢醒形骸記」のテキスト内容を含めると過去のスカラマシュはたたら砂で刀鍛冶によって成された事の復讐として彼らの流派を没落させ当主らの命も奪おうとした。
しかしその中にいた楓原万葉の曽祖父である「楓原義慶」と対峙した際、その顔を見て「丹羽」との関係を問う。「丹羽」が自分の旧姓である事を義慶が話すと彼は攻撃の手を止め、
彼女に告げよ、我が名は「国崩」である。
と言い放った。
殺害こそされなかったがこの事件の後、楓原義慶は家族を守る為に家業を衰退させ、結果的に楓原家の没落に繋がった。
魔神任務第3章3幕
以前までは名前のみしか登場していなかった丹羽の姿が判明したのが魔神任務第3章3幕である。
スメール教令院の賢者とファトゥス第2位の博士が結託して、現草神のナヒーダの代わりに散兵をスメールの神にしようとしてる事が判明する。
旅人がそれを止めるべく奔走してる道中、スメールの学者ハイパシアを通じて神に近付く散兵の意識と接続した。
「かつて三度も裏切られ、この世は欺瞞に満ちたまやかしに過ぎないと知った」
その冒頭から、彼の過去が描かれる。
一度目の裏切りとして、彼の母親である雷電影に捨てれられた過去を語り
そして、
「二度目が人。僕の家族、僕の友人」
という台詞と共に、とある青年と共に鉄を打つ様子が映される。
青年の髪には楓原万葉とよく似た赤のメッシュが入っており、先述した期間限定イベントや聖遺物「華館夢醒形骸記」の内容から彼が楓原万葉の先祖である丹羽である事がわかる。
映像の中の丹羽は過去のスカラマシュに笑顔を向けており、2人はいかにも仲が良さそうだったが、場面は切り替わり微笑ましい2人の姿はスカラマシュの心臓に燃え盛る炎へと消える
それは恐怖に縛られ、僕を忌まわしいものと見なした。
その台詞と共に彼は弾かれ、炎の中に倒れるような映像が流れる。
この「二度目の裏切り」はムービーが公開された時点では不明瞭なものであったが、魔神任務第3章間章において明かされる事となった。
魔神任務間章第3幕以降
※この先、放浪者好感度ストーリー及び魔神任務間章第3幕の重大なネタバレを含みます。
偽りの「二度目の裏切り」
数百年前、桂木に見つけられた過去のスカラマシュは、「傾奇者」という仮称を与えられ、たたら砂で過ごしていた。
彼のキャラクターストーリーではたたら砂で過ごしたその日々を「生涯で最も幸せな記憶」と語っている。
しかし、それはフォンテーヌから来たと語る機械職人・エッシャーの謀略によって崩れ去った。
エッシャーはフォンテーヌの最新技術を用いて効率的に製鉄を行える「御影炉心」を設置したが、その炉心は革新的な技術と結果の引き換えに有毒ガス等を産み、数多のたたら砂の人々が死傷していった。
助けを求め鳴神島に人を送るも誰1人として帰ってこず、最後の希望として"特別な身分"である傾奇者が雷電将軍への懇願の為天守閣へと向かった。
その間、全てはエッシャーによる意図的な人災だと真相を見抜いた丹羽は炉心を止める為に自ら犠牲になって内部に入る覚悟だと意思表示をした上で、一連の事件についてエッシャーを問い詰める。
しかし丹羽が一通り語り終えた次の瞬間、
「丹羽様、私はこの時を待っていたのですよ」
そう言うとエッシャーは丹羽を後ろから刺した。
「このように貴方様の話を聞き終えてから、決して炉心へ入れぬよう「阻止」する時をね」
倒れ込む丹羽にエッシャーは偽名でありフォンテーヌから来ていないこと、そして"あるもの"に惹き付けられていることを明かした。
「拙者を殺めてしまえば、炉心に入る人間が居なくなるぞ…この地を…滅ぼすつもりか?」
「いやいや、まだもう一人いるはずだ。人間だとは思われてないかもしれないが…"彼"にそうだと告げたのは他でもないお前だったな」
「お主は人形などではない、人間なのだ。違いと言えば、心が一つ少ないだけではないか」と」
そうエッシャーから告げられた丹羽は、自分を殺してその代わりに自分の友である傾奇者を炉心に入れようとしていることを知り、驚愕しながらその意図を尋ねた。
エッシャーは「鑑賞」と「実験」の為だと明かし、更には自分がファトゥスの"博士"である事を明かす。
博士はその「純潔な人形」を利用して彼を炉心へ入れる等の実験をする為に、傾奇者に持たせる保護装置の動力として中に丹羽の心臓を入れるつもりだと告げる。
その事実を知った丹羽は博士に「拙者の心臓を…彼に渡すのであれば…伝えてくれ。長正さまも…拙者も…みな、彼のことを…仲間だと思っている」と遺し、息絶えた。
勿論、この遺言は"彼"である傾奇者に伝えられる事はなかった。
寧ろ、博士は再度エッシャーに化け傾奇者に「丹羽が職務怠慢を自認し、罪を恐れて家族を連れて逃亡したそうだ」と嘘を吐く。
更には炉心を止めて戻ってきた彼に「丹羽の心臓が入った保護装置」を丹羽が部下を斬り殺して心臓を入れたものだと詐称し、丹羽達たたら砂の人々が自己の為に人を殺した挙句傾奇者を捨て駒にしようと仕向けたと思わせた。
この事で傾奇者は深く傷付き、怒り、悲しみ、丹羽達たたら砂の刀鍛冶を深く恨んで、自身が受けた「二度目の裏切り」とし、後々の悲劇へと繋がってしまった。
全てはそうして彼の心を歪ませ、世界への憎悪を根付かせ、自分達ファデュイの駒として引き込むために…。
そして数百年経った現在、スカラマシュとなった今の傾奇者は、ある神によってこの事件の真実を知る事となる。
人間や世界を嫌う源泉であった友の裏切りが無実だった上、本当は最期まで自分を案じてくれていた。それら誤解が最初から仕組まれたものであり、己が復讐も、大切な人達の子孫達を傷付けた恩を仇で返す愚行であった…。
この事実は、今の彼のアイデンティティを根幹から覆すに余りあるもので、それ故に怒り悔いた彼はとある行動に出て、テイワットの歴史に大きな影響を与えることになる。
詳しくは放浪者(原神)を参照。
家系
丹羽久秀は楓原家の者と婚姻関係(※1)にあり、子がいる。
その子孫は
①300年後に失踪(※2)、子が楓原家に入る。楓原万葉が血を受け継いでいる。
②300年後に百目家の者と結婚、そちらが当主となるも先代の件から雷電五箇伝に復讐し、①の子らにより殺害され死亡(※3)
となっている。
※1:歴史改変の整合性を保つために改竄された記憶であるため、事実なのか確定していない。ただし万葉が丹羽の血を受け継いでいることはほぼ確実。
※2:失踪したものの苗字は丹羽だが、これが丹羽久秀なのかは不明。事件から300年も経っているため父であるとは考えられず、別件なのかミスなのかわかっていない。
※3:歴史改変で国崩を別の存在で上書きするために作られた偽の歴史であるため、事実とは異なる。丹羽の子が雷電将軍や雷電五箇伝を恨んでいたのかは不明だが、少なくとも復讐を行なったわけではない。