ベムベムハンターこてんぐテン丸
べむべむはんたーこてんぐてんまる
概要
かぶと虫太郎による日本の漫画作品。テレビアニメ化もされた。
1982年から1984年まで講談社の『コミックボンボン』に連載された。連載開始時のタイトルは『ベムベムハンター』だったが、テレビアニメ版の放送開始に合わせて『ベムベムハンターこてんぐテン丸』に改題された。
人間界の裏側にある妖怪の国の王子である『子天狗テン丸』が、自分の不注意から人間界に逃げ込んだ百八匹の妖怪を退治しようとする活躍を描く。
原作は大魔王ベムラーとの最終決戦まで描かれ完結しており、全3巻が刊行されたが、ラスト4話分は単行本に収録されていない。
登場人物
CV:藤田淑子
原作での当初の名前はテン坊。天狗大王の子供。女の子の妖怪に騙されて凶悪妖怪たちの封印を解いてしまい、人間界に逃げた百八匹の妖怪を退治しに人間界に赴いた。人間界に来る前に、妖怪たちを逃がした罰として天狗大王に鼻を折られたため、一般的に言われる天狗と異なり鼻は低い。かなりの大食い。年齢は550歳だが、最終回にて小学校を卒業していないことが明らかになる。
クロ
CV:松島みのり
テン丸の子分的な存在である烏天狗。天狗大王の命でテン丸の監視役兼従者として人間界に来た。「〜でガス」が口癖。飛行能力以外これといった妖力はないが、「妖怪辞典」を携帯していて、毎回登場妖怪の解説をしてくれる。
ヨーコ(花井妖子)
CV:安田あきえ
本作のヒロイン。テン丸が人間界で初めて出会った美少女。両親はすでに亡くなっていて、祖母に育てられている。その境遇のせいか、とてもしっかりした性格。テン丸の人間界におけるガールフレンドのような存在で最大の理解者。テン丸と妖怪の争いに巻き込まれることも多々ある。きつねうどんが苦手で食べられないが、それゆえに妖怪の難を逃れたこともあった(食べた人間たちが妖怪に操られたため)。
天狗大王
CV:柴田秀勝
テン丸の父。妖怪王国の王である天狗。凶悪妖怪たちを逃がしたテン丸に妖怪退治を命じた。
天狗ママ
CV:坪井章子
テン丸の母で天狗大王の妻。天女のような姿をした美女。体に付けている「チェンジリボン」という羽衣で人間態に変身し、時々人間界に来ることがある。人間の基準では絶世の美女だが、テン丸曰く「天狗の世界ではいわゆる鼻ペチャでブスである」とのこと。
がんばり入道(入間太)
CV:大竹宏
悪ガキトリオのリーダー格の少年。パワータイプの精悍な体格の少年。テン丸一行やヨーコが住む古いアパート「つぶれ荘」の2階に住んでいる。
ぼろかっぱ(川口照三)
CV:千葉繁
悪ガキトリオの一人。あだ名のとおり、河童のような頭をした長身の少年。
油すまし(油井まさし)
CV:鈴木清信
悪ガキトリオの一人。スキンヘッドで小柄な少年。トリオの知恵袋的な存在。非力だが優しい性格。
おばあちゃん
CV:鈴木れい子
ヨーコの祖母。古アパート「つぶれ荘」の管理人をしている。
松坂先生
CV:舛田紀子/飯塚はる美
「もののけ小学校」の女教師。美人で優しい性格。テン丸やトリオはもちろんのこと、ヨーコら女生徒からも人気がある。
ニーナ
CV:TARAKO
天狗に次ぐ「竜神族」の王女。テン丸のフィアンセ。時々テン丸に会いに人間界に遊びに来る。白い竜をペットにしている。性格はわがまま。無鉄砲な行動のために、妖怪に襲われたこともあった。語尾に「〜プリン」をつける話し方が特徴。
原作では、終盤で、大魔王ベムラーと魔女リリアンの遺児であったことが判明する。妖怪たちが封印される際、リリアンは5個の卵を腐らせないために自ら壊したのだが、1個だけが割れないまま残り、それを拾った天狗大王は当時子供がいなかった竜神族の国王夫妻に託し、夫妻は長い年月をかけて卵を孵化させてニーナを誕生させた。
テレビアニメ版では時折登場するゲストキャラ扱いだったため、ヨーコにヒロインの座を奪われてしまった。
大魔王ベムラー
脱走した凶悪妖怪たちのリーダー的存在。ニーナの実の父親。
魔女リリアン
ベムラーの妻。
テレビアニメ
1983年5月26日から同年10月27日までフジテレビ系列局(ただし系列局によっては放送日時差し替え、さらには放送自体なかった系列局も存在)で放送された。
制作は東映動画が担当。
シリーズディレクター(SD。いわゆる監督)は『魔法使いサリー』『デビルマン』『タイガーマスク』『ゲゲゲの鬼太郎(第1期)』などにて単話演出を勤め、のちに『キャンディ・キャンディ』『花の子ルンルン』で女児アニメにおいても辣腕を奮った設楽博。
プロデューサーは『狼少年ケン』『サイボーグ009(第1作)』『デビルマン』などを手掛け、のちに『とんがり帽子のメモル』『聖闘士星矢』『SLAM DUNK』など、黎明期から90年代まで数多くの東映テレビまんがを手掛け現代に至るまでの基礎を築いた籏野義文。
原作は上述のように完結したが、アニメ版は様々な理由により結末までは描かれず中途半端に終わった。全19話+未放送1話があるもののDVD化はされていない。
当時、東映動画の制作進行助手・演出助手であった佐藤順一、梅澤淳稔の両名を単話演出へと抜擢し、また同様に当時一原画であった青山充を単話作監へと抜擢した作品である。(梅澤・青山の両名は15話担当としての同時デビュー、佐藤の演出担当は18話)