惚れた女に一途な思いと愛を貫き通す哀しみの戦騎アイガロンの勇姿。
概要
注意、放送当時の台詞を入れていますので、ネタばれの可能性がありますので観覧の際には注意してください。
哀しみの感情を司る哀しみの戦騎アイガロンは、自分と正反対の感情を司るキャンデリラとはよく意気投合し、次第に一緒に行動を伴にしていたキャンデリラに好意を寄せ、届かぬ愛に恋煩いを見せるなど、彼女に恋愛感情を寄せていた。
しかし、キャンデリラが人間側に寝返る事を危惧したカオスからキャンデリラの抹殺を聞いたことで愕然とし、自らも用済みとして消されそうになり、正体を現したアイスロンドやキルボレロたちの攻撃に負傷しながらも、彼女を守ろうと決意しその危機をキャンデリラとラッキューロに伝えるべく氷結城から逃亡、重傷を負いながらキャンデリラたちとの合流に成功し、危機を伝えますが、そこへキャンデリラ抹殺に来たアイスロンドの攻撃から二人を庇いながら逃げました。
逃げる最中にダイゴを除くキョウリュウジャーと偶然出会い、アイスロンドと鉢合わせになりました。
アイガロンは自分のことを怨んでいるはずのイアンにキャンデリラ達の助命と保護を懇願しました。
アイガロン「おまえら、頼むよ!キャンデリラちゃんとラッキューロだけでも、助けてやってくれ!」
しかし、親友である士郎を殺害されたイアンは彼の頼みを断りました。
イアン「何、勝手なこと言ってやがる!あれほど人間を哀しませ、オレの親友の命まで奪っておいて!」
しかし、アイガロンはイアンの怒りを買うことを承知でと自らの犯した罪を自覚しながらも、キャンデリラ達を助けてくれと懇願します。
アイガロン「ああ、分かってる…だから、オレ様のことはいいんだ。でも、こいつらはな、まだ人間を殺したりしてないんだよ。いいやつらなんだよぉ~!」
これまでに人を殺したことのないキャンデリラとラッキューロだけでも助けるようイアンに懇願するアイガロン。自分を犠牲にし、仲間を守ろうとするアイガロンに複雑な思いをするイアン。
アイガロン「うぅ…頼むよぉ…守ってやりてぇんだ…惚れた女ぐらいよぉ…。」
愛するキャンデリラへの想いを告白するアイガロン。しかし、アイスロンドから衝撃の言葉を明かされた。
アイスロンド「あぁ…。何と哀しいブリキの人形。アイガロン、あなたはね、以前、最初に感情を爆発させた時、もう死んでいたんですよ。」
あまりの衝撃な事実に唖然するアイガロン。
アイスロンド「だが、あまりに装甲が硬かったため、その魂が大地の闇に行かず、体内にとどまっていた。カオス様は ご自分の闇の魔力を注ぎ込み、死者兵士として 再利用されたのです。」
自分が死んだことに気づかず、死者兵士として利用された事に驚愕するアイガロン。その衝撃の言葉に驚愕するキョウリュウジャー、キャンデリラ、ラッキューロ。
アイスロンドに「死者に恋などできない」と突き付けられ、愕然とするも、アイスロンドの技「爆音符」からキャンデリラを咄嗟に庇って致命傷を受け、キャンデリラとラッキューロが駆け寄り、愛する人の腕に抱かれるアイガロン。
アイガロン「アッハッハ…これでいいんだ…もう、死んでたし…オレ様。」
アイガロンに邪魔されたアイスロンドは彼を鉄くずを罵るも、仲間を平然で殺そうとする非道な行為に怒ったキョウリュウジャー達が戦いを挑みました。
アイガロンはキャンデリラ達に支えながら木に倒れ込むと、自分が抱いていた「誰かを愛する儚さ」を悟り、「誰かを思うことが切ないということ」、「もっと早く気づいていれば人間を面白半分で殺さなかった」と今まで自分がしてきた仕打ちを後悔とも懺悔とも思える心情を吐露した。
アイガロン「誰かを大事に思うって、切ないわぁ…もっと早く、分かってりゃ…人間だって、面白半分で殺さなかったのになぁ……。」
アイガロンの言葉に怒りに震わせながら、目の前に現れたディノスグランダーを装備したイアン。
イアン「ふざけんな…今さら、そんなこと言い出しやがって…!」
止めようとするラッキューロとキャンデリラを払いのけ、雄叫びと共にアイガロンを攻撃するイアン。しかし、それは彼に対する攻撃ではなかった……。
アイガロン「おまえ…まさか、オレ様の鎧を砕いて…。」
イアンは囚われていたアイガロンの魂を解放するために鎧に穴を開けたのです。
肩を震わせながら、空を見上げるイアン。
イアン「なぜだ…なぜなんだよ!憎い敵の最期だってのに、なぜ、こんな気持ちになるんだ!」
憎い仇敵の最期に悲しむイアン。その涙がマスク越しに流れ落ち、アイガロンのシンボルに当たりました。
アイガロン「あっ、哀しみが来た…さてはおまえ、泣いてるな…?」
アイガロンの問いに反論するイアン。
アイガロン「ちょっと…痛みが引いたよ…おまえの情け…染みるわぁ~。」
葛藤しながらも仇敵である自分を救ってくれた彼の流した涙を感じ取ったアイガロンは、消えようとする命の中で、小さな花をキャンデリラに差し出そうとする。しかし、その手は届かず……。
アイガロン「キャンデリラ…ちゃん……。」
愛する人の目の前でキャンデリラのことを想いながら昇華し消滅するアイガロン。
彼の最期にキャンデリラとラッキューロ、さらには彼を士郎の仇と憎んでいたイアンもその死を悼んでいた。
残された彼の武器である重い哀しみが込められたトホホークをイアンは手に取り、雷電残光・五連突きを弾き返すアイスロンドの強固な防御力を粉砕、止めを刺した。
イアン「この一撃…おまえなんかとは、哀しみの重みが違う!!」
「人」の心を持ったアイガロンの哀しみを知るイアンの思いを感じ取ったのか、トホホークから一筋の涙をこぼした。その後、アイガロンの想いが残っていたのか、キャンデリラ達の所へ戻ってきた。
彼の死を嘆き悲しむキャンデリラにイアンはアイガロンが渡そうとしていた花を差し出しました。
イアン「逃げろ。そして、この星で生きていくんだ。トリンのように。」
アイガロンの命懸けの行動がキャンデリラ、キャッキューロをデーボス軍から離反し、最終決戦でラッキューロと共に大地の闇に赴き、カオスの撃破に貢献する事に繋がった。
哀しみを集める為に多くの人間を哀しませ、イアンの親友、士郎の命まで奪った哀しみの戦騎アイガロン。しかし、キャンデリラへの一途な思いと恋心を持ち、次第に人間の心を持つようになり、自ら犠牲にしてでもキャンデリラやラッキューロを助けようとする一途な思いと漢気、死者兵士になり、叶わぬ恋となっても最後まで彼女を思い続け、一途な想いを貫き通した漢の勇姿であった。
彼の悲しき最期にキャンデリラとラッキューロ、さらには彼を士郎の仇と憎んでいたイアン、多くの視聴者からもその死を悼んだ。