概要
『ブレスオブザワイルド』で発売から間もなく発見された裏技。別称(というかフライシップより広義での名前)は「フライングマシン」(後述)。
デスマウンテンとハイラル城には金属製のトロッコが存在する。通常はレールに乗せてリモコンバクダンの爆発の勢いで前進するという乗り物である。
しかし、シーカーストーンのマグネキャッチを使うことにより、このトロッコはとんでもない移動アイテムへと変貌する。
通常マグネキャッチはリンク自身が乗っている物体には作用しない(間に別の物を挟んでも駄目)のだが、トロッコは何故かその法則から外れており、間に物を挟めば動かせてしまう。もちろん上方向にも。
若干操作はシビアだが、これによりプレイヤーは無限の飛行能力を得ることになった。
やり方
まずトロッコを2つ用意する。ゴロンシティ周辺に多くあり、特にシモ・イトセの祠の近くに2つあるので、そこで手に入れるのが楽。
トロッコの上にもう1つのトロッコを十字に重ねる。上のトロッコに乗り、下のトロッコにマグネキャッチを使い、乗っている上側のトロッコとリンクもろとも下側のトロッコを動かす。
以上である。
言葉だけなら簡単だが、実際にはトロッコの重ね方やリンクの乗る位置などわずかなズレが挙動に影響するため、操作は結構シビア。
しかし、プレイヤーの操作に依らない不確定要素のアクシデントはあまりなく、慣れてしまえば上昇下降も方向転換も思いのままとなる。
ちなみにトロッコである必要性があるのは下側だけなので、上に乗せるのはなんでもいい。最初は小型の金属塊をトロッコの上に乗せていたが、後にトロッコを2つ重ねる方が安定すると判明し、現在はそれがスタンダードになっている。
また、高度を上げると気温が下がるので、耐寒装備が必要となる。
効果
ブレスオブザワイルドはオープンワールドのゲームであり、エリア切替が存在しない。なので広いハイラル王国の端から端までトロッコを持ち運ぶことができる。
おまけに本作のフィールドは進入禁止エリアがほぼ存在しないのである。崖登り能力とパラセールでの滑空能力によって、断崖絶壁の途中だろうが高い山の頂上だろうが民家の屋根の上だろうがどこへでも到達できる。
それを制限するのが、頑張りゲージと雨による崖登り能力の限界・同じく頑張りゲージによる水泳距離の限界・特定の装備を必要とする極端な気温であったのだが、フライシップによって前者2つは何の枷にもならなくなった。
地形という障害が無くなった以上、エリア切替も見えない壁も存在しないハイラルには何の移動制限もなく、プレイヤーは真の意味で好き勝手に移動することができるようになった。
ゴロンシティに辿り着き、操作の練習をする。それだけで雨が降りしきるラネール地方を一直線に突破してゾーラの里に行くことも、厄介なシーカータワーに上空から近づくことも、空高くにいる神獣ヴァ・メドーに直接カチコミを掛けに行くことも(といってもフィールド上にいるのはハリボテなので攻略はできないが)、果てはハイラル城の本丸に上空から侵入することも思いのまま。
そんなフライシップにも苦手なエリアは一応存在する。デスマウンテンのすぐ西にあるドイブラン遺跡である。このエリアの暗闇は高さ制限が無いので、限界高度まで行っても範囲内に入ると真っ暗になり、高度や方向感覚を失ってしまう。
通り抜けるだけなら前進状態を維持すればいいのだが、少しでも操作を間違えると立て直すのが難しくなる。
公式の反応
公式にも認知されており、青沼氏曰くこの技の動画を見た時は開発スタッフ全員で絶句したそう。
ただ、別のスタッフによると、どうやらわざとそういう仕様にしたらしい。
開発当初、マグネキャッチはリンクが乗っている物体にも普通に作用し、鉄板で空を飛ぶことができたのだが、さすがに(便利すぎて)面白くないということで不可能に変更した。すると今度は鉄板を2枚重ねにする執念深いスタッフが現れたので、それも不可能とした。しかし、そこまで行くと面白いと思ったのか、ごく一部の金属アイテムに関してはあえて仕様を残した、というのが経緯らしい。
フライシップはゲームをやり込んだ人だけが見つけられるお楽しみ要素だったようだ。
なお、この時やり方についてはぼかされているが、注釈でフライシップのことが取り上げられている。
厄災の黙示録
本作ではゼルダがシーカーストーンを武器として使用するのだが、なんとトロッコに乗り、マグネキャッチで動かして突進するという強攻撃が存在する。
とはいえさすがに空を飛ぶことはない。また、トロッコに直接乗っているのでフライングマシンとは少し姿は異なる。
厄災リンクとの関係
この技自体は厄災と直接関係するわけではないのだが、こんな便利な技に厄災が目をつけないはずもなく、どんな地形も無視できる圧倒的移動能力により厄災行為が加速することになった。
ちなみにこの技以外においても、トロッコは形状上乗っているものが落下しにくいのでオクタ風船を付けて魔物を空高くまでご案内するという厄災行為に、イカダと並んでよく使用される。
呼称について
この裏技の日本での通称は「フライシップ」と「フライングマシン」の2つがあり、pixivでもどちらかが使用されている。
区別としては、フライングマシンがこの技を使うもの全般に対する呼称なのに対し、フライシップはトロッコ2つを重ねるスタイルを指し、フライングマシンより範囲が狭い。当初「フライングマシン改」とするつもりだったが長かったのでフライシップになった模様。
ただ、pixivではそこら辺の区別はあまりされていない(というか現状むしろ逆に登録されている)。フライングマシンは未来少年コナンも引っかかるので、百科事典ではフライシップを使用した。
海外では「Flying Machine」と称される。