オルロワージュ
おるろわーじゅ
概要
「魅惑の君」。
ヴァジュイールと並ぶ妖魔のトップの1人。大量の「寵姫」と呼ばれる女性を棺にて管理している。
リージョン「シュライク」で配達の手伝いをしていたアセルスを偶然とはいえ馬車でひき殺し、その様子を気まぐれで看取った際、偶然流れた自分の血が混ざってアセルスは蘇生。興味本位で、支配するリージョン「ファシナトゥール」の居城「針の城」に連れ去った。
配下のセアトを通じて情報を流し、アセルスがファシナトゥールを脱出するよう仕向けるが、それは彼が血を与えた存在がどのように生きるかを観察し楽しむためであった。
しかしここで彼にとって誤算が起きる。アセルスは脱出の際、彼が教育係として付けた寵姫白薔薇姫を一緒に連れ出してしまうのであった。
最初は静観していたオルロワージュだったが、予想に反し段々と絆を深めていく二人に対して痺れを切らした彼は方針を転換し、白薔薇姫の奪還とアセルスを絶望させるため様々な手を打つ。従えている多数の妖魔を刺客として送り込むほか、場合によっては特殊空間に相手を幽閉するなどの大掛かりな手段も使ってくる。
気まぐれで残酷な支配者としての顔がフィーチャーされるキャラクターだが、最初の寵姫だった零姫からは「並みの男と変わらぬ」と評されており、どこか小物感もある人物像となっている。
最終的にアセルスはオルロワージュと対峙し、自らの生き様を示す。
いずれのルートにせよ、最後にはアセルス達の前にラスボスとして立ちはだかる。
戦闘では、「三人の寵姫」(通称:スタンド)を呼び出して攻撃させる戦法を中心に、背景の肖像画による攻撃強化をスタンドに施す。
一方、オルロワージュ自身は石化など様々なステータス異常を引き起こす「セレクション」(ダメージ自体は無し)を使ったり、スタンドに一斉攻撃させる「三人の寵姫」の号令を掛けたりする程度であり、直接攻撃は全てスタンドに任せっきりとなっている。
なおこのスタンドの三人は彼のハーレムにいる寵姫ではなく、「何者をも魅了する美貌」「すべてを威圧する恐怖」「何事にも屈しない誇り(矜持)」という「妖魔の三つの資質」を具現化した、象徴としての姿であるらしい。
それぞれ「疾風」「知恵」「野生」という名前が付いている。
「裏解体真書」の「ヒューズのクレイジー捜査日誌」では、一転してキャラクターが崩壊。零姫を追い回す、単なるロリコンのストーカーとなっている。
挙句の果てに内部告発を受け、IRPOから未成年者略取の容疑をかけられて逮捕状が発行、手入れに踏み込まれる。焦りながらも証拠がないとして弾劾するが、そこで零姫に返り討ちにされたセアトが動かぬ証拠として突きつけられる。
そこでも零姫に未練タラタラで縋りつこうとするが、あまりの無様さに愛想をつかした「三人の寵姫」によってボロ雑巾にされ、逮捕・連行された。
その後ファシナトゥールはアセルスが支配する事となり、ハーレム状態にあるそうな。
余談
ストーリー上でも戦闘でも他人任せな面が目立つともいえるのだが、なぜそのような戦い方をするのか。
……実はデータ内に意外すぎる答えが隠されていた。
戦闘上のステータスでは下級妖魔扱いだったのである。
もし自分で攻撃したのなら、プレイヤー側の上級妖魔へのダメージが¼に軽減され、足元を見られるところだったのである。実際にはそれがバレる攻撃手段を避けることで露呈を避けている形。
裏解体真書には「長く生き過ぎた妖魔は位を落とす」と表記されているため、元々は上級妖魔だった彼が既に下級の位に堕ちていた可能性もあり、ある意味では間違いではなかろう。零姫からの小物評価も納得できる。
これを踏まえて考えると、アセルスを馬車で轢いた時に偶然流した血を与えたという一件のきっかけも、位の高い筈の上級妖魔がそう簡単に怪我をして流血するだろうかという疑問が生まれてくる。
(一部のユーザーの間では馬車が揺れた際に打ちどころが悪くて鼻血を出した説も囁かれたりしているが)
※念のため。上記は勿論プログラム上の話であり、ゲーム上では敵の「種族・妖魔」に該当する敵に対し一律でシステムで下級判定を行って軽減判定がなされるというだけのことである。
本来設定上で「上級妖魔」や「中級妖魔」に分類されるキャラは上記の軽減を避けるためか、便宜上データ内では妖魔ではなく「種族・ヒューマン」+「妖魔の鎧」に設定されているのだが、オルロワージュはそれが適用されておらずそのまま「種族・妖魔」になっているのが原因で、さらに本来ならば上級妖魔の証である筈の「妖魔の鎧」も装備していない。
当然ながら「オルロワージュが下級妖魔」と設定上で明言された訳ではなく、実際にはスタッフがわざわざ意図してステータスを下級妖魔扱いにしているのかどうかは不明である。
Last Battle -Asellus-
オルロワージュ戦戦闘曲。作曲者は伊藤賢治。
日本人が想像するステレオタイプの中世の西洋貴族の世界観を持つ妖魔相手らしいラストバトルの曲である。
魅惑の君・オルロワージュとの戦いにふさわしく、曲想は激しさ優雅さ荘厳さを併せ持つ。
ちなみにオルロワージュを倒すと花びらと共に散っていく、ついでに背景の大きな薔薇も散る。
薔薇は気高く咲いて、美しく散る運命なのか・・・。