特徴
ポセイドンの妻。五十柱のネレイドの中で特に美しい海の女神で、ヘスティアと並ぶ慈愛の持ち主。
ポセイドンとの夫婦仲はハデペルに並ぶとされる。
また、ポセイドンは子供が非常に多く、一説にはゼウスを超えるとされる事もあるのだが、
それがあまり目立たないのもこの妻の器の大きさによるものかもしれない。
聖獣はイルカ、象徴は笏、ヴェール。また、ローマ神話のサラーキアと同一視される。
別名・表記ゆれ
またの名をアンピトリーテー、アンフィトリテ、アムピトリテ、アムフィトリテ、アムピトリーテー。(Amphitrite, 現代ギリシャ語: Αμφιτρίτη)
神話
結婚する以前、ポセイドンとは疎遠だった。
ポセイドンからは一目惚れされて幾度も求婚されていたのだが、彼女はポセイドンを嫌って敬遠していた。
何度求婚しても折れない彼女にポセイドンの心も次第に折れていき、
最終的にはショックで塞ぎ込んでしまう。
海神のポセイドンが引き籠り職務放棄した事で、
調停者がいなくなり、海洋のバランスが崩れ、海が大いに荒れてしまう。
これを危機的状況と見た海の生物たちはイルカの神デルフィヌスを使者としてポセイドンの元へ派遣する。イルカ神はポセイドンの悩みを聞き、アムピトリテにポセイドンの良さを伝えるべく奔走する。
そして彼の尽力の末、遂にアムピトリテはポセイドンの求婚に応じる。
結婚式には多くの海洋生物が招待され、海の様々な神々も参礼したとされる。
その後、ポセイドンに惚れ込んだアムピトリテは積極的に愛を育み、
溢れる慈愛の精神
前述した通り、彼女は広い慈愛の心の持ち主である。
ポセイドンが愛人と交わり成した異母の子であるテセウスを手厚くもてなし、贈り物まで渡している。ヘラよ見習えと言いたいところだが、この女神が特別なのではないだろうか。