概要
週刊少年ジャンプにて、島袋光年によって2020年11月16日より連載開始された少年漫画。
読み切り版と連載版の二つがあるが、同様に読み切り掲載を経て連載になったトリコとは違い、両バージョンで主人公が違う。
あらすじ
読み切り版と連載版との繋がりが不明なため、大まかなあらすじだけ記載。
世の中には、地獄のような環境にも耐えられる誰が作ったのかもわからない建築がある。
それを人々は、『ビルドキング』と呼んだ。
評価
一言で言えば、『住居版トリコ』。
前作のトリコが『食』をテーマに、美味い食材を探しに行くというわかりやすい冒険バトル漫画であり、読み切り版とも大きく変更点が存在しなかったのに対して、読み切り版から主人公が大きく変更されたことに加え、『家を建てる』という住居をテーマにしている点が変則的。
また、作者特有のスターシステムも健在で過去作のキャラがモブとしてカメオ出演している回も存在するほか、前作の猛獣が読み切りと連載共にストーリーに直接関わっている。
登場人物
動物
トロル
通称「家喰い」。家を破壊して人を襲う凶暴な生物。ボス(CV:野澤英義)はレンガの家を破壊する程の力があり、数年前シャベルの建てた檻に閉じ込められていた。
とんかちのビガーハンマーに降参した。実は喋れる。
かつて祖先が屋獣の襲来で絶滅の危機に扮したことがあった為、家を襲うようになった。
屋獣(やじゅう)
家の形に擬態し、近づく者を食べる生物。住人の言う事以外聞かない。
とんかちが従えている個体は地上2階地下2階の3LDKかつ2×4工法で建てられており、3D工法や圧縮工法が主流の昨今では珍しいとのこと。
コモーリ王によると「ツーバイフォー」という名で、太古の時代に世界を荒野に変えた悪魔で、関わってはならない存在とされる。更にはかつてビルドキングを一棟破壊した過去を持つと言われている。
本来の姿は人型ロボットの様な外見で読み切りに登場する同名のキャラと似ているが関係は不明。
屋賊(やぞく)
家に擬態し、金目の家を丸ごと奪う盗賊で、中身は巨人(でかいおっさん)。設計士こるくの父であるコモーリ王13世の部下だが、本人達はこるくの方を慕っている。
元はコモーリ村の住人で逆さ城再建の資材調達のため派遣されていたが、逆さ城再建後は盗賊から足を洗った。
釘モグラ
通称「ネイルデーモン」と呼ばれる魔獣。釘のような顔を持ち、背中に無数の針を生やしたモグラで、大昔は魔族の大工が本当に釘として使用した。
ビガー工法一次試験はこいつを10分以内に一匹でも叩くことだが、一定以上の力で正確に叩かないといけないうえ反撃もしてくるため、ここ10年KOできた受験生はいない。
なお特定のビガーを注がないと死なない。
餓鬼蜘蛛
三途の谷に巣を作っている巨大な人面蜘蛛。鼻から糸を放つ。そして喋る。
地名
ハンマー島
とんかちとレンガ、そして様々な生物が住むハンマー型の島。巨大台風「モンスターハリケーン」の眼中に存在し、近づくことすら困難で、島内でも災害が多い。
リノベポート
廃材や家そのものが水揚げされ、住民はそれを競り落とし、建材としてリサイクルしている通称「資材の港」。
ビルドキングの一部等のレア資材が捕れた事もあってか、資材を狙う悪者もいるという。
コモーリ岬
大昔に大陸を支配していた巨大な竜の骨で、魔物が近寄れない「竜骨の道」の上顎部分。
そこには身寄りを無くし、コモーリ族に救われた人々が暮らすコモーリ村が存在している。
なおその竜はたった一本の牙だけで大陸の王となり、死して尚並の猛獣が近寄れない程の存在感を持つという。
逆さ城
コモーリ岬の裏側、前述の竜の牙の中に建てられた城。名前の通り天地が逆転しており、壁や天井を歩けない者は道の両端に架かったステップを利用する必要があり、城中は天井を歩くことになる。
築1万年ゆえに倒壊の危機が迫っており、ビルドトラベルサイトの廃墟ツアーにラインナップされる程であるが、今尚活力に満ち溢れている為膨大な活力を与えないとびくともしない。
ビルオンガーデン
ビルオンの試験会場。毎年試験シーズンにはより良い人材を求め多くの親方衆や大手企業のスカウトも集まってくる。
バルーンホテル
気球に吊るされたホテル。二次試験の観客席として利用され、大浴場やレストランからもモニターで試験の様子を観戦できる。
三途の谷
底が見えない広大な谷。ビルオン試験の二次試験の会場で、橋を建てて向こう岸に着くのが目的。
職人城
ビルオンの本部。天守閣が雲を貫くほど超巨大な日本の城。
ビルドダンプ
コネチカの祖国。戦争に負け、危険で有害なゴミに囲まれたスラム街になってしまい、住民はゴミの中から健在を拾って収入にしている。
用語
ビルダー
本作において建築を行う人物。
ビルドユニオン
建築の仕事のライセンスを与え、世界中のあらゆる工事にビルダーを斡旋し、安全かつ平和で平等な世界の建築を目的とする組織。通称「ビルオン」。
約6000万人のビルダーが所属しており(ビガー職人は0.01%しかいない)、世界は彼らが動かしているとされる。
ライセンスを得るにはビルオン規定の建築技能試験に合格しなければならないうえ、規定の書類審査をパスするか親方衆の推薦が無ければ受験する事すらできないが、ライセンスさえあれば一生食いっぱぐれる事は無いとされる。
サタンヒルズ
全てを力で支配する世界を建築する悪の組織。
世界建築
世界最大のゼネコン。
ビルドマスター
ビルドキングを建設したビルダーの呼び名。この世に存在するかは不明。
ビニー
本作の通貨。1ビニー=1円。
活力(ビガー)
生体の持つ生命力そのものを指すエネルギー。この世に生きる生物全てだけでなく、何万年経っても過酷な環境でも朽ちない無機物にも含まれている。
これを自身以外の物に伝えるには素質が必要で、素質が無ければ強い建築物を作れないためビガー工法試験では最重要となっている。
ビガーの伝え方は専用工具を使う、ビガーを結晶化し直接触れる、結晶化したビガーを遠方に飛ばすがあるが、結晶化の難易度は高い。ちなみに1ccを結晶化するのに職人が1秒の寿命が縮む。
そしてビガーには恒常性を保つうえで様々な特性を持ち、それぞれ色で区別されている。
攻撃に転用することもでき、対象物の恒常性を破壊し反対色のビガーでないと防御不可能である。
- レッド:筋力・骨密度、家の耐久性UP
- グリーン:体温調節・外的ストレス、家の機密性・遮音性UP
- ブラウン:柔軟性、家の伸縮率UP
- ブルー:肺機能・酸素・吸収力・エラ呼吸、家の耐水性UP
- オレンジ:皮膚のバリア機能と代謝力、家の耐火性UP
- パープル:免疫機能、家の耐毒・ウイルス・菌UP
- イエロー:老化・酸化防止、家の耐食性UP。攻撃に転用すると逆に対象を腐らせる。
- ピンク:回復力、家:自己治癒力UP
ビガーの色と数は結晶化した時に現れ、同じ形のものは無く結晶は職人が施工したという唯一の証であり、これを組のマークに掲げるチームも多く家紋代わりに家に刻む客も多い。
色数が多いほど性能が多い家といえ、価格も跳ね上がる。
更にレインボーなど世界で数人しか持ってないレアビガーも存在する。
関連動画
ジャンプ公式ボイスコミック
1話前編
1話後編
関連イラスト
※下段は読み切り版主人公のクギ。
表記ゆれ
関連タグ
トリコ … 島袋光年の前作。