ソーサリーとは
概説
タイタン世界の旧大陸、カクハバード(カーカバード)を舞台とした、連続した四部作のゲームブック。
ソーサリーの名の通り「上級ゲーム」では「魔法使い」になって48種類の魔法を駆使することができるが、「敵国に魔法の書を奪われるわけにはいかない」「そもそも戦闘中に読む暇なんてない」と言う設定から、プレイヤー自身が魔法(三文字のアルファベット)を暗記しなくてはいけないルール(所詮ゲームブックなのでカンニングは余裕だが…)。全部暗記する必要はないが、その分使える魔法は減る。
なお選択肢には偽の魔法も含まれる事があり、それを選ぶと無駄に体力を消耗したうえで何も起こらない。魔法自体は本物だが意味のない魔法だったりする事も。
「初級ゲーム」として魔法を使えない(=覚える必要のない)代わりに剣技が強い「戦士」を選ぶ事も可能だが、魔法使いなら魔法一つで切り抜けられる場面でも戦うしかなかったり、魔法の代わりになる道具を予め入手したりする必要があったりするため、実質的にはこちらの方がハードモードだとも言われている。
ストーリー
旧世界のフェンフリィには、持ち主に絶大な統率力と判断力を与える《王たちの冠》が存在する。フェンフリィ同盟では所属国家間で4年毎に廻されていたが、その冠がアナランド王国から盗まれてしまった。
盗んだのは、アナランド北方、カーカバード(カクハバード)の奥地に存在する、マンパン砦の大魔王の手下。
カーカバードは邪悪かつ混沌側の者ばかり故に統率が取れておらず、それゆえに大規模な侵略は起きていなかった。しかし、大魔王が冠の力でその勢力をまとめ上げ統一したら、同盟最大の危機となる。
だがマンパン砦への道のりは、果てしなく遠く険しい。下手に軍隊を派遣しても、かの地にたどり着く前に全滅してしまうだろう。
アナランドの勇敢な戦士であるあなたは単身《冠》を奪還するため、ごろつき共の蔓延るシャムタンティの丘、悪虐の城塞都市カーレ、広大なバクランドを横断し、遥かザメンの地のマンパン砦を目指さなくてはならない。
呪文
プレイヤーを魔法使いにした場合、巻末に記された48種類の魔法を劇中で用いる事が出来る。
呪文はアルファベット三文字で表記。そして呪文を唱えた際には、体力を消費する。
ただし前述の通り、参照しつつのプレイは出来ない。また、嘘の呪文も選択肢内に表示される事もあるため、適当に選ぶと無駄に体力を消費するのみならず、危機的状況下ではさらに危機に陥る事もある。
また、呪文の中には、アイテムが必要なものも存在する。アイテムそのものは、特別な品物というわけではないが(砂や石の粉、蜜蝋など)、唱える際にそれらの手持ちが無ければ、やはり体力を無駄に消費するのみである。そのため、冒険中にそれらの品物も入手する必要がある。
さらに、呪文書の最後には、詳細や効果が記されていない謎の呪文が存在する。
各巻名
邦題は左が創元推理文庫版(1985年)、右が創土社版(2003-2005年)
第一巻「THE SHAMUTANTI HILLS」(魔法使いの丘/シャムタンティの丘を越えて)
第ニ巻「KHARE' - CITYPORT OF TRAPS」(城砦都市カーレ/魔の罠の都)
第三巻「THE SEVEN SERPENTS」(七匹の大蛇/七匹の大蛇)
第四巻「THE CROWN OF KINGS」(王たちの冠/諸王の冠)
関連タグ
ゴブリンスレイヤー……原作者の蝸牛くも氏がこよなく愛するRPGとしてソーサリーを上げており、四方世界においても『呪文は術者を著しく消耗させるため、一日に多用はできない』としている。また、ゴブリンスレイヤーTRPGの中にも実際にソーサリーの呪文をオマージュした真言呪文が多数存在する。
ちなみに氏はシャンカー鉱山(ソーサリー第一巻)でゴブリンにぶっ殺された経験がある模様。