ドナ・ベネヴィエント
どなべねゔぃえんと
「行かないで…行かせないわ…」
CV:佐藤美由希(日本語ボイス)
概要
『バイオハザードヴィレッジ』に登場するキャラクター。
村を統治するマザー・ミランダに仕える四貴族の一人で、霧深い谷の屋敷・ベネヴィエント邸に住む人形使いの女性。「アンジー」という人形を操る。
ベネヴィエント家の家紋は、人面を持つ太陽と三日月を模したものになっている(コンセプトアートによれば、後述のドナの能力を表していると共に、暗い影のドナと明るいアンジーを模したものである)。
喪服を思わせる黒装束に身を包み、頭には黒いベールを被って素顔を隠しているが、ベネヴィエント邸には彼女の姿を描いた肖像画が飾られており、黒髪で整った顔立ちの美人である。
ベネヴィエント家に仕えていた庭師の日記によれば、幼い頃から極度の対人恐怖症を患っていたらしく、現在もアンジーを通じてしか他者との意思疎通ができない。
アンジー
「まだ生きてるなんてスゴイねえ でも早く私を見つけないとお友達にブッ殺されちゃうからね!」
ドナ・ベネヴィエントが所持している、ウェディングドレスを着た人形(ビスクドール)。
顔はベネヴィエント家の家紋を表したデザインになっているが、ひび割れて歪んでいるようにも見え、不気味な雰囲気を醸し出している。
ドナが操っているとされているが、アンジー自身に自我があるような様子も描かれている。
無邪気な子供のような性格だが、非常に口が悪く、モローに「ブサイク」と言い放ったり、イーサンの前でローズを貶したりと、暴言を連発する。
暗い性格で「死」を連想させる喪服姿のドナと比べ、明るい口調で「生」を連想させるウェディングドレス姿のアンジーは対象的なデザインになっており、アートワークでもそれを意識してデザインした事が伺える記述がある。
余談
アートワークによると、コンセプトは「ゴースト」。
公式人形劇『バイオ村であそぼ♪』の主役は四貴族であるが、ドナに関しては本人は(ほぼ)出ず、アンジーが代理としてレギュラーを務めている。
アンジーは(歌う時を除いては)全く喋らず「ヴェェェイ!」という叫び声しか出さない。
しかし、第3話では全然怖さを拭えない事にキレて「さいしょからずっと こわすぎるわよ!」とまともなツッコミを入れた(もっとも、本編のベネヴィエント邸でドナがやった事からして他人の事を言えないのだが)。
ドナ自身は意外な形で「心霊人形師ドナさん」として登場。唯一人形のキャラクターではない。
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※以下、ネタバレ注意
彼女の正体は、マザー・ミランダの行った「カドゥ」を用いた人体実験の被験者である。
人形メーカーの裕福な家庭の出身であり、彼女が常に持っているアンジーは元は人形メーカーの父親が死後ドナに残した形見だった。
両親の死後、ミランダとは養子縁組をした事でカドゥを与えられている。
ローズの部位の内、「両足」のフラスクを分配されている。
他の四貴族と違い、体を大きく異形化する事はなく、生身の戦闘力も大して高くはないが、「特異菌に感染した植物」を操る能力を会得している。これにより、特定の植物を操って相手に様々な幻覚を見せ惑わせる事ができ、幻覚能力を発動する時は、対象の視界が一瞬ホワイトアウト、または照明の異常が起こるなどの予兆が発生する。
アンジーの内部に自身のカドゥを株分けしており、これによりアンジーを本当に生きているかのように遠隔操作していた。
だが、上述したようにドナは生まれついての精神疾患を持っていた為、ミランダの求める「器」としては失敗作であった。
なお、作中でアンジーを介さずドナ自身の口で喋ったのは、イーサンと直接対峙した時の一度きりである。
なおドナの性格については、当人が喋ることがほぼないため掴みづらいところではあるが、
・ドナはアンジーを介して会話する→そのアンジーは非常に口が悪く、また加虐的発言も多い。
・長年の馴染みであったであろう庭師を、実験台にするため「屋敷に来い」と自ら呼び寄せている記述が見られる。
・よりによって赤ん坊の化け物を幻術で作り出し、イーサンに差し向ける
・・・等、他の四貴族と比べると目立たないものの、その中身は似たり寄ったりではないかと思われる。
庭園には彼女の家族が埋葬された墓があり、庭師の日記から名前はクラウディアだと確認できる(墓に刻まれた生年と没年を見るに、ドナの妹と思われる)。墓の周りにあるのは壊れた人形の墓である事が、特典のアートワークにて記載されている。
また、他の四貴族と違い、彼女の屋敷や周辺には実験記録や経過記録の類の手記は無く、彼女がカドゥの実験に立ち会ったかどうかは不明(一応、地下に実験室らしきものはあり、植物とアルカロイドに関する資料や花の絵から、特異菌に感染した植物による幻覚作用について学習・研究していたと思われる)。
自分を慕う庭師を利用して庭園や、ベネヴィエント邸の周辺に特異菌に感染した花を植え付け、自分のテリトリーに侵入してきた者に幻覚を見せる様に仕向けていた。死んだ妻の幻覚を見始めた庭師を見て効果を確認した後、「もっと妻に会わせてやる」と甘い誘いを掛け、彼を自分の屋敷に招き入れる。
その後の庭師の消息は不明だが、ある条件下で庭園の墓に行くと戦えるクリーチャーの食人鬼は、出現条件から考察するに庭師の成れの果てと思われる。
活躍
彼女の領地に入ってきたイーサンにミアの幻覚を見せたり、先に進む為に家族の写真を使わせる等して動揺させ、自分の屋敷へ誘導させる。
自身の屋敷の地下に入ってきたイーサンの前に、ローズの部位が入ったフラスクをアンジーに持たせて待ち構える。イーサンがフラスクを取ろうと手を伸ばした瞬間に停電を起こし、その間に銃火器を含めた武器を全部奪った上でそのまま屋敷に閉じ込め、幻覚や幻聴で惑わせたり、冒頭のウィンターズ家にあるはずのオルゴールを用意する等、イーサンを度々動揺させる。
更にイーサンを「パパ」と呼んで後を追ってくる醜悪な怪物に襲わせ、それを逃れると今度は大量の人形に包囲させ、プレッシャーを掛けた状態で「かくれんぼ」を強要する等してイーサンを苦しめる。
最期は自身のカドゥを分け与えていたアンジーを攻撃され続けた事で、そのダメージが自らにも伝わり、トドメに頭部に鋏を突き立てられるも「テメェふざけんな! 可愛いお人形ちゃんに何しやがんだよ!」とイーサンに罵声を浴びせるが、再び鋏を突き立てられた事で悲鳴を上げながら絶命。顔の右半分がカドゥに侵蝕された素顔を晒して倒れ、肉体が崩壊した。
ドナ撃破後は、閉じ込められた際に奪われたはずの武器がいつの間にか手元に戻っており、幻覚能力で失ったように錯覚させられていただけだった模様(イーサンも「こいつの仕業だったのか」と吐き捨てている)。
ちなみに、ドナ戦を1分40秒以内に終わらせると、称号「かくれんぼマスター」を入手できる。
余談(ネタバレ)
撃破後は他の四貴族と違い、結晶化した遺骸を入手出来ないが、代わりにアンジーを換金アイテムとして入手できる。デューク曰く、「ビスクドールは大変人気がある」とのこと。
また、遺骸落とさない事から「実は生存しているのではないか?」と考察する声が少々ながらにいるが、アートワークの遺骸の項目にてアンジーの姿がある事から、彼女がドナの遺骸の役割であると示唆される。
しかし、ドナの死には謎が多く、
・アンジーにトドメを刺して幻術が解かれた時、イーサンが掴みかかっていたのはドナ本人
・アンジーに対し、眉間や側頭部に何度もハサミを突き刺したにも拘わらず、入手したアンジーはほぼ無傷の状態
・アンジーは空中を浮遊して移動しているにも拘わらず、壁や床に大きな血痕が残されている
・ドナ戦後に武器と一緒に取り戻した家族写真の裏側に、イーサンに対して何者かのメッセージが書かれている
・ベネヴィエント邸の地下室で入手したアイテムが、(直前まで使われたハサミも含め)ドナ戦後にイーサンの手元から無くなる
などと、不自然な部分が見られるが、これらが何を指しているかは現時点では不明。
作中では何もない所から急に姿を現したり消えたりする描写があるが、これはおそらく幻覚能力の応用で、相手に自分の姿を認識できなくなる暗示をかけて透明化していると思われる。この能力で裏工作していたようで、現に地下室に閉じ込められた時、停電中にアンジーが喋っている際に後ろの扉から鍵をかける音が聞こえてくる。
また、ベネヴィエント邸では敵性クリーチャーがほぼ登場しない他、暗号や仕掛けの答えが固定化されており、ボス戦も含め、RTAでは最速クリアしやすい場所として見なされている。
公式アートワークによると、初期設定では人形師ではなく村の医者であり、ベネヴィエント邸は人形屋敷ではなく診療所という設定だったとの事。そのため、初期の段階ではアンジーの存在はなかった。
地下室も元は遺体安置所であり、ミアの死体を配置する予定だったと語られている。後にパズルゲーム要素としてミア人形に変更されたとのこと。
また、両親の死も自殺とされており、屋敷はその舞台装置にする予定だったらしい。