概要
Vジャンプ2002年2月号に付属していたカード。効果は『このカードが墓地に送られた場合、エンドフェイズまで手札から何枚でも罠カードを発動することができるようになる』というもの。
そもそも遊戯王OCGにおいて罠カードというのは相手ターンでも発動でき、相手の行動に対応して発動する文字通り罠のような使い方ができる代わりに、(カードの効果によるセットでなければ自分のターンに)手札からセットした後そのターンを終了しなければ発動できないという制約がある。
つまり伏せられてからそのターンが終了するまでの間に「サイクロン」などで破壊されるとそのカードがどれだけ強力な効果を持っていようが発動できずに破壊されてしまう。
特に「チェーン・マテリアル」などのように自分のターンで発動する必要があるカードの場合、伏せた後の相手ターンの間に除去されないように守りきる必要があり、手札にあるからといってすぐに効果を発動できるというわけではないのである。
魔法カードを墓地から手札に加える「聖なる魔術師」が長い間禁止カードであるのに対して、ほぼ同じ条件で罠カードを墓地から手札に加える「闇の仮面」が禁止カードになったことがないという点からもこの2種類のカードの使いやすさの違いがわかるだろう。
そのため、罠カードは発動さえできれば魔法カードと比べてより強力な効果が多い傾向にある。
そして、このカードの効果というのは一言で言えばこういった前提をこれ1枚でぶち壊しにするというものである。
このカードの効果が適用されている間は手札に加わった罠カードを魔法カードと同じようにすぐに発動することができ、「八汰烏の骸」や「強欲な瓶」のようなドロー効果をもつ罠カードを即座に使うことで高速でデッキを回す事ができたのである。
特にカードを高速で墓地に溜める事でこのカードとほぼ同時期に登場した罠カード「現世と冥界の逆転」(現在では禁止カード)の条件をすぐに満たして発動し、相手のデッキ枚数を一気に0にするという凶悪な1ターンキルが横行し、このカードの効果発動と同時にデッキが高速で回転して即座に勝負を決める様はまさしく「処刑人」の名にふさわしいものであった。
「このカードが墓地に送られ」さえすればそれがフィールド上からだろうが手札やデッキからだろうが構わず、墓地に送る方法も問わないという発動条件の緩さもこのカードの凶悪さに拍車をかけていた。
このようなカードが禁止されないはずもなく、2005年3月に禁止カードとなっている。そのため現在では公式大会でこのカードを使用することはできない。
仮に現在このカードが禁止解除された場合、闇属性・戦士族というステータスから戦士族のサポートを共有できる「終末の騎士」や「ダーク・グレファー」でデッキから直接墓地に送る事で容易に効果を発動することができ、倒しきれなくても「戦士の生還」で手札に戻して再び墓地に送る事ができる点や、なによりも上記の効果の凶悪さから今後どのような環境の変化があったとしても禁止解除されないであろうと言われているカードの1つである。
このカードと似た効果を持つカードに、罠カードをセットしたターンに発動できるようにする事で手札から発動しているも同然の状態にすることができる永続魔法「王家の神殿」があり、これも現在は禁止カードである。
また、その後も手札から罠カードを発動できるようにするカードはいくつか登場しているが使える条件が限定的な上に1枚しか罠カードを手札から発動できないようになっており、上記のような悪用は難しくなっている。
ちなみにアニメ遊戯王5D'sではクロウ・ホーガンやZ-ONEが特定の条件を満たすことで手札から発動することができる罠カードを使用しており、クロウが使用した「デルタ・クロウ-アンチ・リバース」がOCG化されている。
原作・アニメにおいて
原作漫画「遊戯王」の「バトルシティ編」における孔雀舞VS闇マリク戦で闇マリクが使用。
戦闘破壊されたときに効果を発動し、戦闘破壊されたモンスターを蘇生して攻撃力を上げる罠カード「命の綱」を手札から発動してこのカード自身を蘇生して強化し、反撃に繋いだ。
原作では手札から罠を発動する際にその罠カード以外の手札を全て捨てるという重いコストを払わなければならなかったがOCG及びアニメではこのカードのテキストから手札コストが無くなっていたため、代わりに手札を全て捨てるというのは「命の綱」の方のコストになっていた。
カードテキスト
効果モンスター(禁止カード)
星4/闇属性/戦士族/攻1600/守1200
このカードが墓地へ送られたターン、
このカードの持ち主は手札から罠カードを発動する事ができる。