概要
ハードSFとは、SF作品の中でも科学考証やSF考証がガチなサイエンスティック極まりない作品の総称。ハードボイルドとは関係が無い。
解釈は様々だが、少なくともタイムトラベルや軌道エレベーターなんかの(現代視点で)非日常的な対象を作中に登場させる場合に「科学的・技術的な課題を整合性を保って描写」していれば該当するとされる。そして、その点がとっくの昔にそうした技術が確立されて「そういうことになっている」パターンが多い『ドラえもん』なんかのコメディ系やスペースオペラ等との違い。
自由国民社刊行の『世界のSF文学総解説』では「SFというジャンルを、SFのもつ科学ムード的、イメージ的側面に重きをおいてとらえていった場合、その中核的な部分にあたる作品をいう」と解説している。ちなみに、この場合の「科学」とは自然科学を指す。
古典だとアイザック・アシモフやジュール・ヴェルヌ、ロバート・A・ハインラインなどの諸作品が有名。日本だと小松左京の『日本沈没』や谷甲州の『航空宇宙軍史』、神林長平の『戦闘妖精・雪風』等々が有名。
※なお、執筆当時には最先端であった科学考証・通説が後の時代に時代遅れになっても作品自体のクオリティが万全ならば以降もハードSFとして扱われる…らしい。