ニスロク

にすろく

ジャック・コラン・ド・プランシーの著書『地獄の辞典』に記述された悪魔。

概要

ヨハン・ヴァイヤーの『悪魔の偽王国』において地獄の「料理長」として挙げられ、ジャック・コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』によって、ベルゼビュートに仕える二級魔神で、堕天する以前はエデンの園の禁断の樹の守衛であったため、現在では良く見知ったその果実を使った料理を得意としていると紹介された。

ジョン・ミルトンの『失楽園』では、かつては権天使の長であった、臆病者の反逆天使であると描写されている。

この悪魔の名の起源は『旧約聖書』に記述される、アッシリアの王センナケリブによってアドラメレクとともに崇拝されていた異教神で、古代遺跡から発掘されたレリーフから「偉大な鷲」の意である鷲頭の農業神といわれていた。

しかし、現在ではこの姿は別な神格のものであるとされ、ニスロクとはノアの方舟の木片といわれるものが正体であるという説もある。

なおその他の異教神ケモス（ケモシ）、バアル・ペオル、メセラク、アラセクらとも同一視されている。